翌日から、新入生のオリエンテーションが始まる。
僕とクリスも、施設案内で説明をする事になっていた。
「アイちゃん達は、今日も王城でお勉強ね。アリアちゃん達も、アイちゃん達を待っているよ」
「「「はーい……」」」
アイちゃん達三人は、今日もアリアちゃん達と共に勉強だ。
僕とクリスが帝国に行っている間も、基本的には王城で勉強の予定だ。
三人の身の安全を確保しないといけないので、当面は王城と屋敷の往復しかできない。
少しの間不便だが、その分勉強を頑張ってもらいましょう。
では、僕とクリスも学園に向かわないと。
今日は、新入生がトラちゃんの事に慣れて貰うために一緒に連れて行くことにした。
「トラちゃんは、見た目は大きくて怖いですけど慣れるととても可愛いですよね」
「グルル……」
学園の職員室に着くと、ミッシェル先生がトラちゃんの頭を優しく撫でていた。
トラちゃんも、気持ちよくてリラックスしていた。
新人職員は、少し前にトラちゃんに触れてもらったのでもう大丈夫だ。
「じゃあ、先に行ってくるね」
「グルル」
先に準備を終えたクリスが、トラちゃんとスラちゃんと共に教室へと向かった。
僕とミッシェル先生は、授業開始前に移動する予定だ。
カキカキカキ。
よし、これで大丈夫っと。
ミッシェル先生も、準備を無事に終えた。
ガラガラ。
「皆さん、おはよう……えっ?」
僕とミッシェル先生が教室に入ると、何故かスラちゃんが黒板に色々な事を書いていた。
随分と沢山書いているが、これってもしかして僕のこと?
「クリス、スラちゃん、黒板に何を書いているの?」
「えっ? ケンの事だよ。質問に回答しているのは、ケンの逸話関係だけだよ。個人的な事は話していないから安心して」
スラちゃんもコクコクと頷いており、改めて黒板を見ると確かに僕の逸話に関する事だけだった。
トラちゃんも、新入生に混じって黒板を凝視しているよ。
すると、新入生の女子が恐る恐る手を挙げた。
「あの、ケン先生が幼い時に王太后様を治療したって本当ですか?」
どうやら、僕が初めて王太后様と会った時の事を聞きたいみたいだ。
そういえば、僕が王太后様と出会ってからもう十年が経つんだ。
「もう十年前の話ですね。僕は、王妃様と話をしていて王太后様にも挨拶をしようとしたんです。そこで、王太后様と初めて会いました。僕の母親の話をしてくれたんですけど、時々苦しそうに胸を押さえていました。母親の事を褒めてくれたから、息子の僕も何とかしたいと思ってスラちゃんと一緒に王太后様を治療しました」
「わっ、わあ……そんな裏話があったんですね」
僕が王太后様を治療した件は、僕の美談として何故か絵本になっていた。
なので、その絵本を読んだ人は何となくの事は分かるはずだ。
「ケン先生は、剣の腕前も凄いと聞きました。それは本当ですか?」
今度は、身体が大きい男子が質問してきた。
もしかしたら、軍属希望なのかもしれない。
「僕は、前線基地にいた時に兵に剣技を教えてもらいました。上級官僚試験に合格すると、軍で剣の研修が課されます。なので、必然的に剣を扱う機会がありました。でも、魔法を使わなければ、純粋な剣の腕はクリスの方が上ですよ」
「「「「「おおー」」」」」
軍で鍛えているだけあって、剣の腕前はクリスの方が上だ。
僕も、魔法を使わない剣技の腕を上げようと、日々努力をしていた。
「僕もクリスも、万が一魔法が使えない事を想定して日々訓練をしています。それに、魔法だけでなく日々の業務も頑張っています。皆さんも、日々の訓練や勉強を怠らないで下さい。直ぐには効果は出ないかもしれませんが、徐々に力として積み上がっていきます」
「「「「「はい!」」」」」
うまい具合に話をまとめる事ができたので、このままホームルームに入った。
スラちゃんが黒板消しで黒板に書いた文字を消しているが、どうやら凄いスライムだと新入生は理解したみたいだ。
スラちゃんの事もあり、トラちゃんに関してもほぼ問題なく接していた。
ホームルーム後はオリエンテーションに移ったが、コチラも昨年とほぼ変わらないので問題なく説明できた。
なお、回復魔法が使える魔法兵などが交代で学園に来てくれることになり、シロちゃんやレモンちゃんも頑張るぞと張り切っていたのだった。
「ケン君が何でも凄いのは間違いなく、我々もケン君の凄さに甘えている。だが、それではケン君に負担が集中する。ちょうどケン君が帝国に行って不在になるから、ケン君に頼らないで済むようにと職員にも検討させている」
オリエンテーション後に王城に行くと、執務室でアーサー様がこんな事を話してくれた。
僕は、仕事があればどんなものでも全力で頑張っているだけなんだよなあ。
「ケン君には、経験を積んで私達側の方に来てほしい。それは、作業者ではなく指揮する立場だ。ケン君が作業者として凄い能力を持っているのは疑いもないが、それでは駄目なんだ。学園に行って教師をするのも、上の立場になるための勉強だ。勿論、クリスちゃんにも大いに期待している」
アーサー様の言葉に、職員もスラちゃんもウンウンと頷いていた。
ギンちゃんも、ゆっくりとゆらゆらと揺れていた。
多くの人が、僕はもっと上の立場にならないとって言っている。
でも、僕はまだ経験値が他の人よりも少ないんだよね。
そういう意味だと、スラちゃんはビシバシと他の人を引っ張るのではと思った。
伊達に、毎日チビスライム達を指導しているからね。
すると、ここでアーサー様が別の事を思い出した。
「そうそう、ケン君とクリスちゃんは明日朝一旦王城に来てくれ。帝国に渡す土産などを持っていってもらう」
僕達はビクトリア皇女様の結婚式に参加するので、王国としてもそれなりの手土産が必要だという。
どんなものを渡すことになるのか、僕はとても楽しみだった。
僕とクリスも、施設案内で説明をする事になっていた。
「アイちゃん達は、今日も王城でお勉強ね。アリアちゃん達も、アイちゃん達を待っているよ」
「「「はーい……」」」
アイちゃん達三人は、今日もアリアちゃん達と共に勉強だ。
僕とクリスが帝国に行っている間も、基本的には王城で勉強の予定だ。
三人の身の安全を確保しないといけないので、当面は王城と屋敷の往復しかできない。
少しの間不便だが、その分勉強を頑張ってもらいましょう。
では、僕とクリスも学園に向かわないと。
今日は、新入生がトラちゃんの事に慣れて貰うために一緒に連れて行くことにした。
「トラちゃんは、見た目は大きくて怖いですけど慣れるととても可愛いですよね」
「グルル……」
学園の職員室に着くと、ミッシェル先生がトラちゃんの頭を優しく撫でていた。
トラちゃんも、気持ちよくてリラックスしていた。
新人職員は、少し前にトラちゃんに触れてもらったのでもう大丈夫だ。
「じゃあ、先に行ってくるね」
「グルル」
先に準備を終えたクリスが、トラちゃんとスラちゃんと共に教室へと向かった。
僕とミッシェル先生は、授業開始前に移動する予定だ。
カキカキカキ。
よし、これで大丈夫っと。
ミッシェル先生も、準備を無事に終えた。
ガラガラ。
「皆さん、おはよう……えっ?」
僕とミッシェル先生が教室に入ると、何故かスラちゃんが黒板に色々な事を書いていた。
随分と沢山書いているが、これってもしかして僕のこと?
「クリス、スラちゃん、黒板に何を書いているの?」
「えっ? ケンの事だよ。質問に回答しているのは、ケンの逸話関係だけだよ。個人的な事は話していないから安心して」
スラちゃんもコクコクと頷いており、改めて黒板を見ると確かに僕の逸話に関する事だけだった。
トラちゃんも、新入生に混じって黒板を凝視しているよ。
すると、新入生の女子が恐る恐る手を挙げた。
「あの、ケン先生が幼い時に王太后様を治療したって本当ですか?」
どうやら、僕が初めて王太后様と会った時の事を聞きたいみたいだ。
そういえば、僕が王太后様と出会ってからもう十年が経つんだ。
「もう十年前の話ですね。僕は、王妃様と話をしていて王太后様にも挨拶をしようとしたんです。そこで、王太后様と初めて会いました。僕の母親の話をしてくれたんですけど、時々苦しそうに胸を押さえていました。母親の事を褒めてくれたから、息子の僕も何とかしたいと思ってスラちゃんと一緒に王太后様を治療しました」
「わっ、わあ……そんな裏話があったんですね」
僕が王太后様を治療した件は、僕の美談として何故か絵本になっていた。
なので、その絵本を読んだ人は何となくの事は分かるはずだ。
「ケン先生は、剣の腕前も凄いと聞きました。それは本当ですか?」
今度は、身体が大きい男子が質問してきた。
もしかしたら、軍属希望なのかもしれない。
「僕は、前線基地にいた時に兵に剣技を教えてもらいました。上級官僚試験に合格すると、軍で剣の研修が課されます。なので、必然的に剣を扱う機会がありました。でも、魔法を使わなければ、純粋な剣の腕はクリスの方が上ですよ」
「「「「「おおー」」」」」
軍で鍛えているだけあって、剣の腕前はクリスの方が上だ。
僕も、魔法を使わない剣技の腕を上げようと、日々努力をしていた。
「僕もクリスも、万が一魔法が使えない事を想定して日々訓練をしています。それに、魔法だけでなく日々の業務も頑張っています。皆さんも、日々の訓練や勉強を怠らないで下さい。直ぐには効果は出ないかもしれませんが、徐々に力として積み上がっていきます」
「「「「「はい!」」」」」
うまい具合に話をまとめる事ができたので、このままホームルームに入った。
スラちゃんが黒板消しで黒板に書いた文字を消しているが、どうやら凄いスライムだと新入生は理解したみたいだ。
スラちゃんの事もあり、トラちゃんに関してもほぼ問題なく接していた。
ホームルーム後はオリエンテーションに移ったが、コチラも昨年とほぼ変わらないので問題なく説明できた。
なお、回復魔法が使える魔法兵などが交代で学園に来てくれることになり、シロちゃんやレモンちゃんも頑張るぞと張り切っていたのだった。
「ケン君が何でも凄いのは間違いなく、我々もケン君の凄さに甘えている。だが、それではケン君に負担が集中する。ちょうどケン君が帝国に行って不在になるから、ケン君に頼らないで済むようにと職員にも検討させている」
オリエンテーション後に王城に行くと、執務室でアーサー様がこんな事を話してくれた。
僕は、仕事があればどんなものでも全力で頑張っているだけなんだよなあ。
「ケン君には、経験を積んで私達側の方に来てほしい。それは、作業者ではなく指揮する立場だ。ケン君が作業者として凄い能力を持っているのは疑いもないが、それでは駄目なんだ。学園に行って教師をするのも、上の立場になるための勉強だ。勿論、クリスちゃんにも大いに期待している」
アーサー様の言葉に、職員もスラちゃんもウンウンと頷いていた。
ギンちゃんも、ゆっくりとゆらゆらと揺れていた。
多くの人が、僕はもっと上の立場にならないとって言っている。
でも、僕はまだ経験値が他の人よりも少ないんだよね。
そういう意味だと、スラちゃんはビシバシと他の人を引っ張るのではと思った。
伊達に、毎日チビスライム達を指導しているからね。
すると、ここでアーサー様が別の事を思い出した。
「そうそう、ケン君とクリスちゃんは明日朝一旦王城に来てくれ。帝国に渡す土産などを持っていってもらう」
僕達はビクトリア皇女様の結婚式に参加するので、王国としてもそれなりの手土産が必要だという。
どんなものを渡すことになるのか、僕はとても楽しみだった。


