残念なことに、ジュダ本人も強制捜査当日に捕まった。
罪状は使用人への暴行で、複数人が骨折などの重傷を負っていた。
中には、全治半年の重い怪我を負っていた使用人もいた。
全員軍と共に強制捜査に参加したスラちゃんとシロちゃんが治療し、完治させることができた。
立場を利用した暴行などは厳禁で、勿論法にも記載している。
未成年だということを考慮しても、かなり重い罪だ。
しかも、ほぼ執行猶予中なのに先代当主が捕まった以降に新たな横領などもしていた。
バフェット子爵夫人や執事なども捕まっており、軍と内務部局が対応中だがもはや取り潰し待ったなし状態だ。
「では、これからクラス分けを発表します。なお、先に説明しますが全員合格です」
そんなドタバタが起きた一週間後、遂に学園の合格者が発表された。
優秀な者が多く、勉強もしっかりとしていた。
剣技試験は少し差が出たが、そのくらいは全く問題ない。
ジュダという失格が一人出ているが、その程度の問題だった。
「奨学金などの手続きもあります。優秀者は、授業料免除などもあります」
基本的に、貴族平民関係なく授業料は取る。
しかし、そんなに額も大きくない。
各貴族からの寄付金と、国からの補助金で学園は運営されているからだ。
特に、できるだけ平民に負担が無いようにしていた。
孤児院出身の者もいて、これからの励みになるのは間違いない。
「みんな、とても良い笑顔ですね。合格して嬉しいのが、手に取るように分かります」
「うむ、とても良い光景じゃ。合格者同士、お互いに健闘を称えておる」
僕は、イアン様と共に手続きの様子を眺めていた。
ここのところ贅沢派のゴタゴタの対応で疲れていたので、純粋な姿を見ると本当に心が洗われる。
「未来ある若者を、正しく導かないとならない。我々の使命はとても重い」
「それでも、やり甲斐はありそうです。それに、みんなやる気に満ちていますから」
「ほほほ、ケンはやる気があるのう。きっと、【蒼の治癒師】様の教え子も優秀な者に育つじゃろう」
イアン様は、満足そうに笑いながら学園内へと戻っていった。
僕も、イアン様の後をついて職員室へと戻った。
「それにしても、とても良い子が多いですね。しかも、元々貴族主義の貴族家から合格した子もいます」
「あっ、それは私も思いました。真剣に取り組んでいるかは直ぐに分かるんですけど、みんな真面目にやっていましたよ」
職員室にいたミッシェル先生も、合格者に驚きつつも喜んでいた。
貴族主義勢力も、このままではいけないと思っているのだろう。
そうでなければ、ジュダみたいな横暴な者がもっと受験していたはずだ。
その点は、剣技試験を担当したクリスもよく分かっていた。
「今回のバフェット子爵家三男の件は、本人が捕まったのもあってかなり広まるじゃろう。それだけ、学園の入園試験は不正に厳しいということじゃ。まあ、普通にしておれば問題ないのじゃがのう」
イアン様は、お茶を飲みながらジュダの件を話した。
初めての入園試験でガツンといったのも、学園の立場を示す良いきっかけになった。
職員室で書類整理をしている間に、全ての受験生の手続きが終わった。
ちょうど僕も書類整理を終えたので、一足先に学園から王城へと戻った。
「真面目に取り組むのであれば、我々からしても本当に助かる。五年もすれば、王城内の空気も一気に変わるだろう」
僕の報告を聞き、アーサー様もとても満足そうに話をした。
いきなり大きな仕事を任せられることはないだろうけど、それでもコツコツと実績を積めば次第に仕事を任せられるはずだ。
「あと、できれば学園にいる内に失敗する経験を積んだ方がいい。チャレンジするからこそ成功するのであって、失敗を恐れていたら成功すらしない。それこそ、研究部門など沢山の失敗から成果を生み出す」
アーサー様の意見に、僕も賛成だ。
僕だって、今までに上手くいかなかった事も沢山ある。
それこそ、六歳の時の帝国との戦争で、バレット系魔法を失敗したのは今になっては良い経験だ。
「来週、テントの建て方や野外演習のデモ訓練をします。きっと、色々な気づきがあるはずです」
「それは良い訓練だ。魔導船が発達したとはいえ、未だに馬車旅が多い。魔物退治も、どこかで経験した方がいい」
魔物退治に関しては、クリスが軍と共に学園生を害獣駆除に連れて行くという。
スラちゃん達も一緒に行くが、とても良い経験になるはずだ。
こうして、アーサー様と色々な事を話しながら業務を進めたのだった。
カキカキカキ。
「「「「ふんふんふーん」」」」
「ウォン」
そして、執務室には公務を終えた王家のちびっ子達が応接間にいた。
ユキちゃんをモデルに絵を描く勉強中だが、この子達が大きくなる頃には王城の環境もより良くなればいいと思ったのだった。
罪状は使用人への暴行で、複数人が骨折などの重傷を負っていた。
中には、全治半年の重い怪我を負っていた使用人もいた。
全員軍と共に強制捜査に参加したスラちゃんとシロちゃんが治療し、完治させることができた。
立場を利用した暴行などは厳禁で、勿論法にも記載している。
未成年だということを考慮しても、かなり重い罪だ。
しかも、ほぼ執行猶予中なのに先代当主が捕まった以降に新たな横領などもしていた。
バフェット子爵夫人や執事なども捕まっており、軍と内務部局が対応中だがもはや取り潰し待ったなし状態だ。
「では、これからクラス分けを発表します。なお、先に説明しますが全員合格です」
そんなドタバタが起きた一週間後、遂に学園の合格者が発表された。
優秀な者が多く、勉強もしっかりとしていた。
剣技試験は少し差が出たが、そのくらいは全く問題ない。
ジュダという失格が一人出ているが、その程度の問題だった。
「奨学金などの手続きもあります。優秀者は、授業料免除などもあります」
基本的に、貴族平民関係なく授業料は取る。
しかし、そんなに額も大きくない。
各貴族からの寄付金と、国からの補助金で学園は運営されているからだ。
特に、できるだけ平民に負担が無いようにしていた。
孤児院出身の者もいて、これからの励みになるのは間違いない。
「みんな、とても良い笑顔ですね。合格して嬉しいのが、手に取るように分かります」
「うむ、とても良い光景じゃ。合格者同士、お互いに健闘を称えておる」
僕は、イアン様と共に手続きの様子を眺めていた。
ここのところ贅沢派のゴタゴタの対応で疲れていたので、純粋な姿を見ると本当に心が洗われる。
「未来ある若者を、正しく導かないとならない。我々の使命はとても重い」
「それでも、やり甲斐はありそうです。それに、みんなやる気に満ちていますから」
「ほほほ、ケンはやる気があるのう。きっと、【蒼の治癒師】様の教え子も優秀な者に育つじゃろう」
イアン様は、満足そうに笑いながら学園内へと戻っていった。
僕も、イアン様の後をついて職員室へと戻った。
「それにしても、とても良い子が多いですね。しかも、元々貴族主義の貴族家から合格した子もいます」
「あっ、それは私も思いました。真剣に取り組んでいるかは直ぐに分かるんですけど、みんな真面目にやっていましたよ」
職員室にいたミッシェル先生も、合格者に驚きつつも喜んでいた。
貴族主義勢力も、このままではいけないと思っているのだろう。
そうでなければ、ジュダみたいな横暴な者がもっと受験していたはずだ。
その点は、剣技試験を担当したクリスもよく分かっていた。
「今回のバフェット子爵家三男の件は、本人が捕まったのもあってかなり広まるじゃろう。それだけ、学園の入園試験は不正に厳しいということじゃ。まあ、普通にしておれば問題ないのじゃがのう」
イアン様は、お茶を飲みながらジュダの件を話した。
初めての入園試験でガツンといったのも、学園の立場を示す良いきっかけになった。
職員室で書類整理をしている間に、全ての受験生の手続きが終わった。
ちょうど僕も書類整理を終えたので、一足先に学園から王城へと戻った。
「真面目に取り組むのであれば、我々からしても本当に助かる。五年もすれば、王城内の空気も一気に変わるだろう」
僕の報告を聞き、アーサー様もとても満足そうに話をした。
いきなり大きな仕事を任せられることはないだろうけど、それでもコツコツと実績を積めば次第に仕事を任せられるはずだ。
「あと、できれば学園にいる内に失敗する経験を積んだ方がいい。チャレンジするからこそ成功するのであって、失敗を恐れていたら成功すらしない。それこそ、研究部門など沢山の失敗から成果を生み出す」
アーサー様の意見に、僕も賛成だ。
僕だって、今までに上手くいかなかった事も沢山ある。
それこそ、六歳の時の帝国との戦争で、バレット系魔法を失敗したのは今になっては良い経験だ。
「来週、テントの建て方や野外演習のデモ訓練をします。きっと、色々な気づきがあるはずです」
「それは良い訓練だ。魔導船が発達したとはいえ、未だに馬車旅が多い。魔物退治も、どこかで経験した方がいい」
魔物退治に関しては、クリスが軍と共に学園生を害獣駆除に連れて行くという。
スラちゃん達も一緒に行くが、とても良い経験になるはずだ。
こうして、アーサー様と色々な事を話しながら業務を進めたのだった。
カキカキカキ。
「「「「ふんふんふーん」」」」
「ウォン」
そして、執務室には公務を終えた王家のちびっ子達が応接間にいた。
ユキちゃんをモデルに絵を描く勉強中だが、この子達が大きくなる頃には王城の環境もより良くなればいいと思ったのだった。


