翌日、僕達は早朝から軍の馬車に乗って現地へと移動を開始した。
ちょうどビスマルクさんの奥さんと小さな息子も温泉街で行われる会合に向かうらしく、一緒の馬車で向かった。
キングレオと子どもは直ぐに仲良くなり、今朝も一緒に庭で追いかけっこをしていた。
傍から見ると、キングレオに追いかけられている小さな男の子の光景だけど。
「ふふ、結婚なんてタイミングですよ。私は、皆さんよりも歳を重ねた時に主人と出会って結婚しましたから。それでも、こうして子宝に恵まれましたわ」
「「「「なるほど……」」」」
ビスマルクさんの奥さんの含蓄ある言葉に、婚期で悩んでいた四人はとても納得した。
よかった、四人が落ち着いてくれて本当によかった。
なお、男性陣は全員別の馬車に乗っており、クリスも男性陣と共に別の馬車に乗っていた。
つまり、僕に悩める女性陣を押し付けていたのだ。
実際には和やかな雰囲気になり、僕はとてもホッとしたのだった。
「わあ、久々に来たわ」
「ガウッ!」
温泉街に到着し、クリスは馬車を降りるなり感慨深そうにしていた。
キングレオは、村のあちらこちらで湯気が立ち上る光景に少し興奮気味だ。
全員村長のところに行くので、そのまま村長さんの家に向かった。
「村長さん、お久しぶりです」
「おお、これは【蒼の治癒師】様ではないですか。また大きくなられましたな」
村長さんは、僕達を快く出迎えてくれました。
キングレオには一瞬ビックリしたけど、「【蒼の治癒師】様なら、キングレオをお連れしても不思議ではない」と謎の納得をしていた。
ビスマルクさんの奥さんと息子は、キングレオとリーフちゃんと共に応接室へと向かった。
僕達は、村長さんと話をするために執務室へと向かった。
「例の貴族が捕まって、我々もホッとしております。というのも、利益誘導するから計画に協力しろと何度もしつこく言われまして……」
おお、最初から村長さんは少し深刻そうに話をしてきた。
というか、あの子爵達の実力では利益誘導なんて絶対にできないだろう。
きっと、自分達の都合のいい様に嘘をついたんだ。
「ただ、その口車に乗せられた者がおりまして。私のところにも、何回も計画に賛成するようにと詰めかけた者がおりました。貴族が捕まったと聞くと、一斉に口を潜めておりますが……」
村長さんの話を聞く限り、その貴族に上手い具合に言いくるめられた人からも話を聞かないとならない。
恐らく、何か後ろめたい事をしているはずだ。
「用地に関しては、元々軍の保養所拡張の為に確保していたところになります。ですので、現在は村の名義ですが来年には軍の名義に変わります」
「だからこそ、奴らは無理矢理にでも計画を進めようとしたのか。軍を敵に回す事は、国を敵に回すに匹敵するぞ」
ローズさんも、村長さんの話を聞いて少し怒気をはらんだ声で返事をした。
というか、あの子爵は自分達の利益の為にここまで無茶な事をしようとしたんだ。
「実は、少し前に王都で捕縛された伯爵などもたまに温泉街に来ておりました。恐らく、子爵に何かしらの指示を出していた可能性もあります」
「捕まったのは全て貴族主義勢力ですから、温泉保養所を作って贅沢をしたい思惑があったのかもしれません。王都から離れてゆっくりとしたかったのか、あるいは王都ではなく作ろうとした保養所で悪いことを企んでいたのか」
うーん、色々な事が考えられるなあ。
こればかりは、捕まっている貴族主義勢力の貴族の聴取を待たないといけない。
ドンドンと通信用魔導具で各所に連絡をするが、ここである指令が下った。
「あっ、陛下からの指令です。貴族と組して村長さんに詰め寄った者への聴取をするようにとの事です」
「そうですか、それはちょうど良かった。実は、この後ビスマルク様の奥様に陳情に来る者が、私に色々要求した者の妻なのですよ」
おお、渡りに船ということはこの事ですね。
スラちゃん達は、さっそくビスマルク様の奥様のところに向かった。
スラちゃん達なら鑑定魔法が使えるし、何か罪があったら直ぐに分かる……
「ガルル!」
「「「「「ぎゃー!」」」」」
あっ、応接室のある方角からキングレオの大きな唸り声が聞こえてきた。
更に複数の女性の叫び声が聞こえてきたが、恐らく問題の者の妻なのだろう。
僕達は、顔を見合わせてから急いで応接室へと向かった。
「ガルッ!」
「「「「「うぐっ……」」」」」
応接室に入ると、とてもいい仕事をしたという良い表情のキングレオに対し、五人の中年女性がくたーっと床に伸びていた。
どうやら、キングレオに中年女性に吠えるように指示をしたのはスラちゃんみたいだ。
その証拠に、床の上で伸びている中年女性はスラちゃんの拘束魔法でガッチリと拘束されていた。
「えっと、贈収賄、脅迫、架空取引、他にも軽犯罪が多数あるそうです。僕の鑑定魔法でも確認できました」
「町の御婦人にしては、この身に着けている宝石の数々はおかしいな。直ぐに取り調べよう」
ローズさんの指示で、同行した兵が急いで中年女性を拘束した。
中年女性は腰を抜かして力が入らないのか、全く動くことができない。
中には、失神して動けない人もいる。
そんな中、村長さんがしゃがみ込み、ある中年女性に話しかけた。
「あの捕まった貴族と繋がっていて、私に要求を飲めと脅迫したのですね」
「ぐっ、何でバレたの?」
あっ、村長さんは暗にカマをかけたのに、中年女性はあっさりと認めちゃった。
これで、村長さんへの脅迫事件として捜査可能だ。
五人の中年女性は、担架に乗せられて軍の馬車に運ばれた。
その間に、ローズさんが駐留軍に応援を要請した。
「結婚しても、ああは、なりたくないね」
「本当だね。あそこまで醜くなりたくないわ」
連行されていく中年女性を見て、セレナさんとユリアさんがしみじみと話していた。
僕も、欲に溺れてあんな感じには絶対になりたくないと思ったのだった。
ちょうどビスマルクさんの奥さんと小さな息子も温泉街で行われる会合に向かうらしく、一緒の馬車で向かった。
キングレオと子どもは直ぐに仲良くなり、今朝も一緒に庭で追いかけっこをしていた。
傍から見ると、キングレオに追いかけられている小さな男の子の光景だけど。
「ふふ、結婚なんてタイミングですよ。私は、皆さんよりも歳を重ねた時に主人と出会って結婚しましたから。それでも、こうして子宝に恵まれましたわ」
「「「「なるほど……」」」」
ビスマルクさんの奥さんの含蓄ある言葉に、婚期で悩んでいた四人はとても納得した。
よかった、四人が落ち着いてくれて本当によかった。
なお、男性陣は全員別の馬車に乗っており、クリスも男性陣と共に別の馬車に乗っていた。
つまり、僕に悩める女性陣を押し付けていたのだ。
実際には和やかな雰囲気になり、僕はとてもホッとしたのだった。
「わあ、久々に来たわ」
「ガウッ!」
温泉街に到着し、クリスは馬車を降りるなり感慨深そうにしていた。
キングレオは、村のあちらこちらで湯気が立ち上る光景に少し興奮気味だ。
全員村長のところに行くので、そのまま村長さんの家に向かった。
「村長さん、お久しぶりです」
「おお、これは【蒼の治癒師】様ではないですか。また大きくなられましたな」
村長さんは、僕達を快く出迎えてくれました。
キングレオには一瞬ビックリしたけど、「【蒼の治癒師】様なら、キングレオをお連れしても不思議ではない」と謎の納得をしていた。
ビスマルクさんの奥さんと息子は、キングレオとリーフちゃんと共に応接室へと向かった。
僕達は、村長さんと話をするために執務室へと向かった。
「例の貴族が捕まって、我々もホッとしております。というのも、利益誘導するから計画に協力しろと何度もしつこく言われまして……」
おお、最初から村長さんは少し深刻そうに話をしてきた。
というか、あの子爵達の実力では利益誘導なんて絶対にできないだろう。
きっと、自分達の都合のいい様に嘘をついたんだ。
「ただ、その口車に乗せられた者がおりまして。私のところにも、何回も計画に賛成するようにと詰めかけた者がおりました。貴族が捕まったと聞くと、一斉に口を潜めておりますが……」
村長さんの話を聞く限り、その貴族に上手い具合に言いくるめられた人からも話を聞かないとならない。
恐らく、何か後ろめたい事をしているはずだ。
「用地に関しては、元々軍の保養所拡張の為に確保していたところになります。ですので、現在は村の名義ですが来年には軍の名義に変わります」
「だからこそ、奴らは無理矢理にでも計画を進めようとしたのか。軍を敵に回す事は、国を敵に回すに匹敵するぞ」
ローズさんも、村長さんの話を聞いて少し怒気をはらんだ声で返事をした。
というか、あの子爵は自分達の利益の為にここまで無茶な事をしようとしたんだ。
「実は、少し前に王都で捕縛された伯爵などもたまに温泉街に来ておりました。恐らく、子爵に何かしらの指示を出していた可能性もあります」
「捕まったのは全て貴族主義勢力ですから、温泉保養所を作って贅沢をしたい思惑があったのかもしれません。王都から離れてゆっくりとしたかったのか、あるいは王都ではなく作ろうとした保養所で悪いことを企んでいたのか」
うーん、色々な事が考えられるなあ。
こればかりは、捕まっている貴族主義勢力の貴族の聴取を待たないといけない。
ドンドンと通信用魔導具で各所に連絡をするが、ここである指令が下った。
「あっ、陛下からの指令です。貴族と組して村長さんに詰め寄った者への聴取をするようにとの事です」
「そうですか、それはちょうど良かった。実は、この後ビスマルク様の奥様に陳情に来る者が、私に色々要求した者の妻なのですよ」
おお、渡りに船ということはこの事ですね。
スラちゃん達は、さっそくビスマルク様の奥様のところに向かった。
スラちゃん達なら鑑定魔法が使えるし、何か罪があったら直ぐに分かる……
「ガルル!」
「「「「「ぎゃー!」」」」」
あっ、応接室のある方角からキングレオの大きな唸り声が聞こえてきた。
更に複数の女性の叫び声が聞こえてきたが、恐らく問題の者の妻なのだろう。
僕達は、顔を見合わせてから急いで応接室へと向かった。
「ガルッ!」
「「「「「うぐっ……」」」」」
応接室に入ると、とてもいい仕事をしたという良い表情のキングレオに対し、五人の中年女性がくたーっと床に伸びていた。
どうやら、キングレオに中年女性に吠えるように指示をしたのはスラちゃんみたいだ。
その証拠に、床の上で伸びている中年女性はスラちゃんの拘束魔法でガッチリと拘束されていた。
「えっと、贈収賄、脅迫、架空取引、他にも軽犯罪が多数あるそうです。僕の鑑定魔法でも確認できました」
「町の御婦人にしては、この身に着けている宝石の数々はおかしいな。直ぐに取り調べよう」
ローズさんの指示で、同行した兵が急いで中年女性を拘束した。
中年女性は腰を抜かして力が入らないのか、全く動くことができない。
中には、失神して動けない人もいる。
そんな中、村長さんがしゃがみ込み、ある中年女性に話しかけた。
「あの捕まった貴族と繋がっていて、私に要求を飲めと脅迫したのですね」
「ぐっ、何でバレたの?」
あっ、村長さんは暗にカマをかけたのに、中年女性はあっさりと認めちゃった。
これで、村長さんへの脅迫事件として捜査可能だ。
五人の中年女性は、担架に乗せられて軍の馬車に運ばれた。
その間に、ローズさんが駐留軍に応援を要請した。
「結婚しても、ああは、なりたくないね」
「本当だね。あそこまで醜くなりたくないわ」
連行されていく中年女性を見て、セレナさんとユリアさんがしみじみと話していた。
僕も、欲に溺れてあんな感じには絶対になりたくないと思ったのだった。


