せっかくなので、冒険者ギルドに行って冒険者にどんな人がいるかを聞いてみることにしました。
実は、ヘンリーさんが何か情報を持っていないかなと通信用魔導具で尋ねてみたら、少し気になる冒険者がいるそうです。
ついでなので、ギルドマスターに婚約披露パーティーに来てくれてありがとうってお礼を言わないと。
ちびっ子たちはまだ勉強中なので、残念ながら同行はできません。
「「一緒に行くー!」」
カエラとキースは、当たり前のように元気よく返事をしていました。
二人は勇者パーティとしての活動もするので、ヘンリーさんが気になっている冒険者がどんな人なのか実際に見た方がいいですよね。
お母さんも一緒についていくみたいで、この人も一緒に来ることになりました。も着いてきてくれることになり、ヘンリーさんも現地で合流することになりました。
さっそく冒険者活動をする時の服に着替えて、馬車に乗って冒険者ギルドに向かいます。
「「こんにちはー!」」
「おっ、元気なのがやってきたな」
お昼近くの冒険者ギルドには、昼食を食べようとする冒険者が集まってきました。
それでも、朝の混雑に比べればまだ少ないですね。
カエラとキースは、顔馴染みになった冒険者に元気よく挨拶をしていました。
そういえば、婚約披露パーティーの準備が忙しかったから、久し振りの冒険者ギルドですね。
「昨日は、婚約披露パーティーに来てくれてありがとうございました」
「おう、俺たちも参加して良かったぞ。それに、妊娠したシンシアも元気そうだったな」
ちょうど昨日の婚約披露パーティーに来てくれた冒険者と会えたけど、冒険者にとってもヘンリーさんたちは特別な存在みたいですね。
でも、ヘンリーさんたちは王族や大貴族の子どもなのに全く偉ぶることもなく、冒険者からの信頼もとても厚いです。
エミリーさんも全く偉ぶることもないし、僕も見習わないといけないよね。
「あの、最近地方から王都にやってきた冒険者パーティのことを知っていますか?」
「そっか、ナオたちは最近冒険者ギルドに来ていなかったもんな。五人組の冒険者パーティで、全員幼馴染って言っていたな。だが、俺が見た感じナオが保護された時と状況が似ている。年上の三人が、年下の二人を一方的に扱っている」
冒険者も、腕を組んで少し考えこんでいました。
側にいた他の冒険者も、ウンウンと同意しています。
あんまりいい状況ではないというのは、共通認識みたいですね。
「奴らは、いつも冒険者ギルドの食堂で昼食を食べる。間違いなく、今日も来るだろう」
おお、良い情報を得たよ。
それなら、少し待てばその冒険者と会うことができるかもしれません。
「昨日は、息子のためにわざわざ来て頂き感謝申します」
「いえいえ、私こそお世話になっていますので。どうぞ、個室にご案内します」
あっ、お母さんとギルドマスターがいつの間にか挨拶をしていたよ。
僕たちも、急いで案内された個室に向かいました。
「ギルドマスター、昨日は来てもらいありがとうございます」
「昨日も言ったが、親父が来ていたからな。でも、中々良いパーティーだったぞ」
僕は、改めてギルドマスターに挨拶をしました。
きっと、ギルドマスターは公爵家生まれなので、色々なパーティーに出ているんだね。
僕も、アットホームなパーティーで良かったと思います。
すると、ギルドマスターもあの冒険者パーティのことを話してくれました。
「田舎から来た五人組の冒険者パーティだが、年長三人は一攫千金をするという気持ちが強すぎる。無茶な依頼をして、年少の二人が尻ぬぐいをする構図だ。以前の、ナオの元パーティの三人に酷似している」
これは良くない傾向です。
自分自身が一攫千金を狙って動くのは分かるんだけど、他人を巻き込んで強制するのは駄目です。
それに、年長三人はギルドマスターが見る限り、そんなに実力はないそうです。
すると、このタイミングでヘンリーさんが個室に入ってきました。
「遅れて申し訳ない。実は、例の冒険者がギルド内で暴れている」
「はぁ!?」
ヘンリーさんの話を聞いて、ギルドマスターが驚きの声を上げていました。
状況が良くないらしいので、僕たちも直ぐに個室を出ました。
「もう、頭にきた! お前らはクビだ。今すぐパーティから出ていけ!」
「「そうだそうだ!」」
「「えっ……」」
冒険者ギルド内に出ると、少し離れたところで喧騒が起きていました。
ヘンリーさんよりも少し年下の男子三人が、床に尻もちを着いているエミリーさんくらいの男女二人にパーティ追放を言い渡していたのです。
五人の周りを冒険者が取り囲んでいて、怒気みたいなものも感じられます。
「ナオ君、いま尻もちを着いている二人がそうだ」
「二人とも、魔力量がとても多いですね」
「制御はまだまだだが、中々の素質だ」
僕もヘンリーさんも、直ぐに二人は良い素質を持っていると分かりました。
しかし、今の状況は非常に良くありません。
僕は、当時の勇者様であるヘンリーさんに助けてもらったからこそ、今があります。
今の勇者様は僕だから、今度は僕があの二人に手を差し伸べないと。
ポン。
「ナオ、大丈夫よ。私も一緒に行くわ」
エミリーさんは、ニコリと微笑みながら僕の肩を軽く叩いてきました。
そうだね、僕は一人じゃないもんね。
お互いにニコリとしてから、僕とエミリーさんは歩き始めました。
すると、周りで様子をみていた冒険者たちがにわかにざわめき始めました。
「おっ、勇者様と王女殿下のお出ましだ」
「先代勇者様もいるぞ」
「ギルドマスターもいるってことは、全部見ていたのか」
冒険者たちの声に、年長三人は何が何だか分からないみたいですね。
そして、床に倒れている二人も、状況を理解できずにいるみたいです。
まずは、床に倒れている二人を起こさないと。
エミリーさんは、二人に笑顔で話しかけながら回復魔法をかけました。
「二人とも、大丈夫かしら?」
シュイン、ぴかー!
「「あっ、ありがとうございます……」」
「どうやら大丈夫みたいね。少し、話を聞かせてもらわないといけないわ」
「「はっ、はい……」」
二人の男女は、この騒ぎで聴取を受けるのではと思っているみたいです。
お話はするけど、犯罪者を取り調べるみたいに聴取はしないよ。
それに、スラちゃんチェックで二人は良い人たと分かっています。
その前に、この三人をどうにかしないといけませんね。
「よお、ちょうど良かった。お前ら三人に話があったんだよ。依頼先でのことでな」
「「「げっ……」」」
ギルドマスターがある意味良い笑顔で三人に近づくと、三人の表情が一気に曇りました。
これは、三人は何かを隠しているみたいですね。
「ナオ君、三人を鑑定してくれ。スラちゃんもだ」
ヘンリーさんに言われ、僕は直ぐに三人を鑑定しました。
すると、驚愕の結果が分かったのです。
「ヘンリーさん、三人は窃盗、詐欺、傷害、違法薬物違反の表示が出ています。スラちゃんと鑑定結果は一緒です」
「別々の鑑定持ちで、同じ結果が出たのか。これで確定だ」
シュイン、バシッ。
「「「あっ!?」」」
すかさず、スラちゃんは三人を拘束魔法で動けなくしました。
スラちゃんの早業に、三人は全く抵抗することはできませんでした。
すると、ギルドマスターがかなり怒りながら三人に近づいていったのです。
「お前ら三人だけで受けた荷運びの依頼先で、複数の窃盗が確認された。それだけでなく、どうやら他の冒険者とも揉めていたようだな」
「私も、別件の捜査で色々と話を聞いている。違法薬物の捜査の件でな」
「「「あっ……」」」
ギルドマスターの話よりも、ヘンリーさんの話にビックリしちゃいました。
確か、婚約披露パーティーの準備中に文句を言ってきた貴族家を強制捜査した際、違法薬物を扱った事件があったはず。
もしかしたら、この三人はその違法薬物事件に関わっていたのかもしれません。
実は、ヘンリーさんが何か情報を持っていないかなと通信用魔導具で尋ねてみたら、少し気になる冒険者がいるそうです。
ついでなので、ギルドマスターに婚約披露パーティーに来てくれてありがとうってお礼を言わないと。
ちびっ子たちはまだ勉強中なので、残念ながら同行はできません。
「「一緒に行くー!」」
カエラとキースは、当たり前のように元気よく返事をしていました。
二人は勇者パーティとしての活動もするので、ヘンリーさんが気になっている冒険者がどんな人なのか実際に見た方がいいですよね。
お母さんも一緒についていくみたいで、この人も一緒に来ることになりました。も着いてきてくれることになり、ヘンリーさんも現地で合流することになりました。
さっそく冒険者活動をする時の服に着替えて、馬車に乗って冒険者ギルドに向かいます。
「「こんにちはー!」」
「おっ、元気なのがやってきたな」
お昼近くの冒険者ギルドには、昼食を食べようとする冒険者が集まってきました。
それでも、朝の混雑に比べればまだ少ないですね。
カエラとキースは、顔馴染みになった冒険者に元気よく挨拶をしていました。
そういえば、婚約披露パーティーの準備が忙しかったから、久し振りの冒険者ギルドですね。
「昨日は、婚約披露パーティーに来てくれてありがとうございました」
「おう、俺たちも参加して良かったぞ。それに、妊娠したシンシアも元気そうだったな」
ちょうど昨日の婚約披露パーティーに来てくれた冒険者と会えたけど、冒険者にとってもヘンリーさんたちは特別な存在みたいですね。
でも、ヘンリーさんたちは王族や大貴族の子どもなのに全く偉ぶることもなく、冒険者からの信頼もとても厚いです。
エミリーさんも全く偉ぶることもないし、僕も見習わないといけないよね。
「あの、最近地方から王都にやってきた冒険者パーティのことを知っていますか?」
「そっか、ナオたちは最近冒険者ギルドに来ていなかったもんな。五人組の冒険者パーティで、全員幼馴染って言っていたな。だが、俺が見た感じナオが保護された時と状況が似ている。年上の三人が、年下の二人を一方的に扱っている」
冒険者も、腕を組んで少し考えこんでいました。
側にいた他の冒険者も、ウンウンと同意しています。
あんまりいい状況ではないというのは、共通認識みたいですね。
「奴らは、いつも冒険者ギルドの食堂で昼食を食べる。間違いなく、今日も来るだろう」
おお、良い情報を得たよ。
それなら、少し待てばその冒険者と会うことができるかもしれません。
「昨日は、息子のためにわざわざ来て頂き感謝申します」
「いえいえ、私こそお世話になっていますので。どうぞ、個室にご案内します」
あっ、お母さんとギルドマスターがいつの間にか挨拶をしていたよ。
僕たちも、急いで案内された個室に向かいました。
「ギルドマスター、昨日は来てもらいありがとうございます」
「昨日も言ったが、親父が来ていたからな。でも、中々良いパーティーだったぞ」
僕は、改めてギルドマスターに挨拶をしました。
きっと、ギルドマスターは公爵家生まれなので、色々なパーティーに出ているんだね。
僕も、アットホームなパーティーで良かったと思います。
すると、ギルドマスターもあの冒険者パーティのことを話してくれました。
「田舎から来た五人組の冒険者パーティだが、年長三人は一攫千金をするという気持ちが強すぎる。無茶な依頼をして、年少の二人が尻ぬぐいをする構図だ。以前の、ナオの元パーティの三人に酷似している」
これは良くない傾向です。
自分自身が一攫千金を狙って動くのは分かるんだけど、他人を巻き込んで強制するのは駄目です。
それに、年長三人はギルドマスターが見る限り、そんなに実力はないそうです。
すると、このタイミングでヘンリーさんが個室に入ってきました。
「遅れて申し訳ない。実は、例の冒険者がギルド内で暴れている」
「はぁ!?」
ヘンリーさんの話を聞いて、ギルドマスターが驚きの声を上げていました。
状況が良くないらしいので、僕たちも直ぐに個室を出ました。
「もう、頭にきた! お前らはクビだ。今すぐパーティから出ていけ!」
「「そうだそうだ!」」
「「えっ……」」
冒険者ギルド内に出ると、少し離れたところで喧騒が起きていました。
ヘンリーさんよりも少し年下の男子三人が、床に尻もちを着いているエミリーさんくらいの男女二人にパーティ追放を言い渡していたのです。
五人の周りを冒険者が取り囲んでいて、怒気みたいなものも感じられます。
「ナオ君、いま尻もちを着いている二人がそうだ」
「二人とも、魔力量がとても多いですね」
「制御はまだまだだが、中々の素質だ」
僕もヘンリーさんも、直ぐに二人は良い素質を持っていると分かりました。
しかし、今の状況は非常に良くありません。
僕は、当時の勇者様であるヘンリーさんに助けてもらったからこそ、今があります。
今の勇者様は僕だから、今度は僕があの二人に手を差し伸べないと。
ポン。
「ナオ、大丈夫よ。私も一緒に行くわ」
エミリーさんは、ニコリと微笑みながら僕の肩を軽く叩いてきました。
そうだね、僕は一人じゃないもんね。
お互いにニコリとしてから、僕とエミリーさんは歩き始めました。
すると、周りで様子をみていた冒険者たちがにわかにざわめき始めました。
「おっ、勇者様と王女殿下のお出ましだ」
「先代勇者様もいるぞ」
「ギルドマスターもいるってことは、全部見ていたのか」
冒険者たちの声に、年長三人は何が何だか分からないみたいですね。
そして、床に倒れている二人も、状況を理解できずにいるみたいです。
まずは、床に倒れている二人を起こさないと。
エミリーさんは、二人に笑顔で話しかけながら回復魔法をかけました。
「二人とも、大丈夫かしら?」
シュイン、ぴかー!
「「あっ、ありがとうございます……」」
「どうやら大丈夫みたいね。少し、話を聞かせてもらわないといけないわ」
「「はっ、はい……」」
二人の男女は、この騒ぎで聴取を受けるのではと思っているみたいです。
お話はするけど、犯罪者を取り調べるみたいに聴取はしないよ。
それに、スラちゃんチェックで二人は良い人たと分かっています。
その前に、この三人をどうにかしないといけませんね。
「よお、ちょうど良かった。お前ら三人に話があったんだよ。依頼先でのことでな」
「「「げっ……」」」
ギルドマスターがある意味良い笑顔で三人に近づくと、三人の表情が一気に曇りました。
これは、三人は何かを隠しているみたいですね。
「ナオ君、三人を鑑定してくれ。スラちゃんもだ」
ヘンリーさんに言われ、僕は直ぐに三人を鑑定しました。
すると、驚愕の結果が分かったのです。
「ヘンリーさん、三人は窃盗、詐欺、傷害、違法薬物違反の表示が出ています。スラちゃんと鑑定結果は一緒です」
「別々の鑑定持ちで、同じ結果が出たのか。これで確定だ」
シュイン、バシッ。
「「「あっ!?」」」
すかさず、スラちゃんは三人を拘束魔法で動けなくしました。
スラちゃんの早業に、三人は全く抵抗することはできませんでした。
すると、ギルドマスターがかなり怒りながら三人に近づいていったのです。
「お前ら三人だけで受けた荷運びの依頼先で、複数の窃盗が確認された。それだけでなく、どうやら他の冒険者とも揉めていたようだな」
「私も、別件の捜査で色々と話を聞いている。違法薬物の捜査の件でな」
「「「あっ……」」」
ギルドマスターの話よりも、ヘンリーさんの話にビックリしちゃいました。
確か、婚約披露パーティーの準備中に文句を言ってきた貴族家を強制捜査した際、違法薬物を扱った事件があったはず。
もしかしたら、この三人はその違法薬物事件に関わっていたのかもしれません。

