幼馴染冒険者パーティを追放されたら、勇者パーティに拾われちゃった

 その日の夜は、実家の家族も混じってお祝いをしてくれました。
 アットホームでワイワイしながらの食事で、みんなで楽しむことができました。
 そのままサマンサお姉ちゃん、カエラ、キースは、僕の部屋に泊まりました。
 翌日、僕たちは冒険者ギルドに向かうために馬車に乗り込みました。
 というのも、貴族になったので冒険者登録の修正を行わないといけないからです。
 ちなみに、ヘンリーさんは公務なのでその他の人と一緒です。

「王都の冒険者ギルドも久しぶりね」
「「はじめてー!」」

 昨日オラクル公爵家に泊まった僕のきょうだいも、一緒についてきました。
 どうやら、サマンサお姉ちゃんは前に王都の冒険者ギルドに来たことがあるそうです。
 そして、カエラとキースもいつの間にか冒険者登録していました。
 冒険者活動をする時は、家族の誰かと一緒じゃないと駄目だそうです。
 そう考えると、二人とも僕があの三人に無理矢理冒険者登録された時と同じ年齢になったんだね。
 先ずは、受付に並びます。

「凄いね、人がいっぱいだよ!」
「たくさんいるよ!」

 カエラとキースは、僕の実家の冒険者ギルドと王都の冒険者ギルドの違いに驚いています。
 僕の実家の冒険者ギルドも、人口を考えると人がたくさんいると思うけどね。
 すると、受付の列に並んでいた別の女性冒険者がカエラとキースの冒険者服の話をしてきました。

「あれ? この服って、私たちがナオ君に選んであげたものでは?」
「そうだね。予備の服も含めて選んであげたはずよ」

 他の人も、カエラとキースの着ている服を不思議そうに眺めていた。
 しかし、二人の簡潔な答えで全てが解決した。

「あのね、お兄ちゃんに貰ったんだよ!」
「ナオお兄ちゃんが、僕のお兄ちゃんなんだ!」

 二人が元気よく返事をしたので、多くの冒険者が僕のことを見た。
 僕も、サマンサお姉ちゃんもうんうんと頷きました。

「へえ、ナオ君にこんなに可愛い弟と妹がいるんだ」
「双子ちゃんかな? 魔法使いの服がよく似合っているわ」
「「えへへー」」

 女性冒険者に服を褒められて、カエラとキースはご満悦な表情です。
 すると、サマンサお姉ちゃんにも話が向きました。

「ナオ君に、こんなに綺麗なお姉さんがいるんだね」
「スタイルもいいし、とても強そうだけど優しそうだね」
「褒めて頂き、ありがとうございます」

 サマンサお姉ちゃんはスタイル抜群だし、僕たちにもとても優しいもんね。
 悪い人には容赦ないけど。
 ちなみにエミリーさんが、「サマンサお義姉様には婚約者がいるわよ」って言ったら、男性冒険者が思わず項垂れていたっけ。
 そして、本題の何故僕が受付に並んでいるかの話になりました。

「その、法衣男爵になったから冒険者登録の修正をすることになったんです……」
「おー、遂に法衣男爵になったんだね。おめでとう」
「いつかはなるかと思ってけど、とうとうなったんだね」

 あれ?
 ちょっともじもじしながら僕が説明すると、女性冒険者が手を叩きながら褒めてくれたよ。
 でも、ビックリしている感じではなさそうです。
 これには、僕の方がビックリしちゃいました。

「ナオ君がどれだけの功績を打ち立てたのか、私たちも知っているわよ」
「というか、功績を考えると、もっと上の爵位にもなれるよね」

 女性冒険者も他の冒険者も、僕が廃墟の浄化をしたりスラム街で活動していることを知っているみたいです。
 その後の王都の急ピッチの工事なども知っていて、冒険者にとっても新しい依頼が増えていて助かっているそうです。
 そういえば、いつもよりも多くの冒険者が冒険者ギルドの受付に並んでいるね。

「そういえば、荷運びや護衛任務も増えたな。清掃関連の依頼も増えているし、近隣の領地でも仕事が増えているぞ」
「この分だと、少なくとも数年は依頼は増えるだろう。どうせナオたちがスラム街の対応を続けるんだ、まだまだ影響は続くだろうな」

 男性冒険者も、僕の肩をパンパンと愉快そうな表情で叩いていました。
 いい感じに経済も回っているそうで、冒険者にとっても嬉しいそうです。

「因みに、初心者向けの依頼も増えているぞ。怪我人が多いから薬草採取の依頼も多いし、簡単な作業の依頼もある」
「まあ、ナオは特殊な依頼を受けているからしょうがないだろうな」

 確かに他の冒険者の言う通り、僕は特殊依頼をやっているもんね。
 治療とかはやりたいなあって思っているけど、今はまだ忙しいもんね。
 僕たちも他の冒険者と楽しく話をしていた、その時でした。

「「「ナオ―! てめー!」」」

 何と、身なりの悪い若い女性が、大声で叫びながらナイフを手にして走ってきたのです。
 しかも、僕の名前を叫んでいるよ。
 でも、いったい誰なんだろうか?!