軽やかに揺れる金色の髪は柔らかそうだ、なんて思った。
今日、一日中“花本千早”を尾行して分かったこと。
花本千早は、この辺りじゃ名門として知られる透桜女学園高校に通っているらしい、ということ。
つまり――。
知れば知るほど、花本千早への謎は深まっていくばかりだった。
少し距離をとって後をつける俺は、正直途方に暮れている。
夕方の紫色が街を包んでいた。
紫に照らされた花本千早の金色の髪は、息を呑むほど美しく憂いを帯びている。
美少年、ではなく美少女。
一体、何で男装なんか………。
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