最初は良かった、とナカタさんは言う。「きっかけは何だったかな。詳しく覚えてはいないんだけど。確かぁ」そこで彼は人形のようにカクンと首を傾げた。「ちょっとした日常の事で困って彼に相談しだしたのがきっかけかな。そこから毎日電話するようになって」気づいたらこうなっていた、と彼は周りを見渡して言う。
私も彼にならって周りを見ながら質問する。「でもそれって大変じゃありませんでしたか。」「というと?」「毎日、同じ人と電話でやりとりですよね。」おそらく同じ時間に。私が静かに問いかけると彼は困った顔で答えた。「それが途中から相手が私の都合の良い時間帯に電話をかけてくれて。要はオーダー制です。」オーダー制・・・と私はオウム返してしまった。もう一度周りを見渡す私に彼は今度は笑いながら言う。「続きを話しても良いですか。」