「にしても、なぜ前橋へ……」
「本屋だよ?」
そう、「高崎パスタを食べるためにお腹を空かせる」目的で、電車に乗り、前橋駅までやってきた。
「前橋の本屋は、そんなすごいのか?」
俺は、女神さまに尋ねる。
俺自身、本屋はよく行く。まあ、ラノベとか参考書中心だけどね。
「私は、現役の高崎市民としては悔しい! でも、群馬を統べる神さまとして、この前橋のおっきな本屋は外せないのよ……」
おっと、噂には聞いていたが、やっぱりあるのか。高崎前橋プライドバトル。
俺は、どちらかというと、県庁あるし、まえば
「高崎派だよね? 黒磯くん?」
なっ…… 思考を読まれたかっ! くっ…… 俺は顔には出づらい冷静キャラだと思ってたのに!
「ああ、もちろんまえ」
「今なんといった? くろいそ?」
「す、すみません嘘ですごめんなさい申し訳ない心からお詫びします!」
「…… 次はないよ。神さまの顔は二度までね。あ、あと仏の方がいいじゃん、とか言ったら終わりだよ」
うっ…… あぶないあぶない。思いかけただけだ。だいじょうぶ。
「まあ、冗談はさておき、前橋派の気持ちはわかるよ? 県庁の眺めはすっごいし、敷島、あら私の名前、の敷島公園もでっかいし」
「そ、そうだな……」
そういうと、時間時間、と言い、女神さまはすたすた北口ロータリーへ。
何分か待って、来たバスに乗り込み、椅子に座る。
「これで、おっきな古本屋に行けるのか?」
「うん! 日本一の大きさだよ!」
あ、そうなんだ。大きさが日本一だったのか。なにがすごいんだろう…… ってずっと考えてた。
ここで、黒磯はふと今日を振り返る。
高崎駅で、好きな子と待ち合わせた朝。
女神さまの辛い過去を知ってしまった昼。
こうして、お腹を空かせるためにバスに乗る夜。
どれも、先週の俺から考えるとと、奇跡としか言いようがない。
だって、こんなに紫がかった、ロングヘアをなびかせるお嬢様が、こんなに楽しそうに僕と旅行してるんだぞ?
信じられないような、辛い過去を何百年と乗り越えて、彼女はこうして大好きな群馬を旅行している。
…… 彼女は、僕のことが好きなのだろうか。
もちろん、ちょこちょこ、そんな感じはする。敷島さん、俺のこと…… ってなる。
でも、実際はどっちでもいい。彼女が幸せなら。
だって、彼女は群馬県自体が、大切な彼氏なのかも知れない。江戸時代からの付き合いだからな。
そんな何百年を見てきた彼女が、まだまだ未熟な子供、黒磯を愛さなくても、仕方ない。
彼女が、元気に幸せに、笑っているなら、僕は幸せだな。
ふと見ると、敷島さんは群馬ロードマップをじーっと見ていた。
…… それにしても、本当にアクティブな子だなあ。
少々強引なところが、姉がいない僕としては、ちょっと嬉しい。
『片品村』のページをまじまじ見ている神さま。
これからも、僕は、彼女の「成長」をずっと見ていたいな……。
神さまのお許しがある限りはね。
まあとりあえず、古本屋で、道路地図でも買いますか……
揺れるバスの中、そう思った黒磯だった。
「本屋だよ?」
そう、「高崎パスタを食べるためにお腹を空かせる」目的で、電車に乗り、前橋駅までやってきた。
「前橋の本屋は、そんなすごいのか?」
俺は、女神さまに尋ねる。
俺自身、本屋はよく行く。まあ、ラノベとか参考書中心だけどね。
「私は、現役の高崎市民としては悔しい! でも、群馬を統べる神さまとして、この前橋のおっきな本屋は外せないのよ……」
おっと、噂には聞いていたが、やっぱりあるのか。高崎前橋プライドバトル。
俺は、どちらかというと、県庁あるし、まえば
「高崎派だよね? 黒磯くん?」
なっ…… 思考を読まれたかっ! くっ…… 俺は顔には出づらい冷静キャラだと思ってたのに!
「ああ、もちろんまえ」
「今なんといった? くろいそ?」
「す、すみません嘘ですごめんなさい申し訳ない心からお詫びします!」
「…… 次はないよ。神さまの顔は二度までね。あ、あと仏の方がいいじゃん、とか言ったら終わりだよ」
うっ…… あぶないあぶない。思いかけただけだ。だいじょうぶ。
「まあ、冗談はさておき、前橋派の気持ちはわかるよ? 県庁の眺めはすっごいし、敷島、あら私の名前、の敷島公園もでっかいし」
「そ、そうだな……」
そういうと、時間時間、と言い、女神さまはすたすた北口ロータリーへ。
何分か待って、来たバスに乗り込み、椅子に座る。
「これで、おっきな古本屋に行けるのか?」
「うん! 日本一の大きさだよ!」
あ、そうなんだ。大きさが日本一だったのか。なにがすごいんだろう…… ってずっと考えてた。
ここで、黒磯はふと今日を振り返る。
高崎駅で、好きな子と待ち合わせた朝。
女神さまの辛い過去を知ってしまった昼。
こうして、お腹を空かせるためにバスに乗る夜。
どれも、先週の俺から考えるとと、奇跡としか言いようがない。
だって、こんなに紫がかった、ロングヘアをなびかせるお嬢様が、こんなに楽しそうに僕と旅行してるんだぞ?
信じられないような、辛い過去を何百年と乗り越えて、彼女はこうして大好きな群馬を旅行している。
…… 彼女は、僕のことが好きなのだろうか。
もちろん、ちょこちょこ、そんな感じはする。敷島さん、俺のこと…… ってなる。
でも、実際はどっちでもいい。彼女が幸せなら。
だって、彼女は群馬県自体が、大切な彼氏なのかも知れない。江戸時代からの付き合いだからな。
そんな何百年を見てきた彼女が、まだまだ未熟な子供、黒磯を愛さなくても、仕方ない。
彼女が、元気に幸せに、笑っているなら、僕は幸せだな。
ふと見ると、敷島さんは群馬ロードマップをじーっと見ていた。
…… それにしても、本当にアクティブな子だなあ。
少々強引なところが、姉がいない僕としては、ちょっと嬉しい。
『片品村』のページをまじまじ見ている神さま。
これからも、僕は、彼女の「成長」をずっと見ていたいな……。
神さまのお許しがある限りはね。
まあとりあえず、古本屋で、道路地図でも買いますか……
揺れるバスの中、そう思った黒磯だった。
