とある少女の物語

*

「みおー、ちょっと聞いてほしいんだけどー」

昼休み、私はいつものように澪の席へ向かった。

「なにー? もしかして、こっち系??」

にやつきながら手でハートを作る澪。

「ち、違うから!」

「えー、ほんとかなぁ?」

「もうっ!」

こんなふうに、くだらないことで笑い合える。

少し前の私には、考えられなかったことだ。

澪は、私がアイドルだから特別扱いするわけでも、噂を気にして距離を置くわけでもない。

ただの友達として、隣にいてくれる。

それが、何よりもうれしかった。