とある少女の物語

昼休み。この時間帯は私の大好きな時間。

高校生にもなると、図書室に来る人は限られてくる。本が好きな人、勉強をしに来た人、一人でいたくて来た人。

昼休みは放課後と違って人が少ない。

それもそうだろう。みんな、各自の場所で「青春」をしたいのだ。

だから私も「青春」をしに来た。

推しを、見に来たのだ。

ドアを開けると、図書室特有の本の香りが鼻をくすぐる。

今日は新しい雑誌の入荷日だから、きっとここにあるはずだ。

推しのこととなると、前のめりで早歩きになってしまう。いつもこうなのだ。

……あった! ありました!

心の中で自分をたたえながら席につき、一呼吸置いてページを開いた。

……すごく、よかった。

控えめに言っても素晴らしかった。

「アイドル」としての蒼真くんだけでなく、私たちみたいな日常の蒼真くんを見ることができた。まぁ、撮影だからそんな感じの雰囲気なんだけど。

それでも私は幸せだった。

特に、蒼真くんがふわっと笑っているところがいい。作られた笑みじゃなくて、自然な笑顔。これがたくさんのファンの心をわしづかみにするのだ。

と、余韻に浸っていると、見覚えのある顔を見つけた。