とある少女の物語

体育館のドアを開けると、すでに部活が始まっていた。

「遅れましたー!」

そう声をかける。

……まあ、部活に顔を出したのは一、二回くらいだし、みんな私のことなんて覚えていないだろうけど。

この時期になると、部員たちもさすがにまとまってきている。一年生らしきグループも見受けられた。

バド部って、こんなふうに活動するんだ。

私が顔を出したのは入部してすぐの頃で、まだみんなもまとまっていなかった。

だから、改めて見ると、なんだかかっこいい。


「宮本さん……だよね?」


ふいに声をかけられた。

見ると、数人の女子が私に話しかけていた。

「あ、うん。宮本です」

声をかけてくれたんだから、名前くらい知っているだろうに。

なぜか、わざわざ名乗り直してしまった。

「バド部、来てくれたんだ。よかった……!」

「もしよかったらさ、一緒にやらない?」

そう言って、誘ってくれた。

「私、へたくそだけど、それでもいい?」

そう聞くと、みんな嬉しそうに微笑んで、うなずいてくれた。

「いこっか!」

そう言われて歩き出そうとした、そのとき。

パーン!!

体育館に、大きな音が響いた。

何事かと思って振り返ると、誰かがシャトルを打った音だった。

「わぁ……! ほんと、何回見てもすごいよね。──湊先輩」




*

「じゃあ、行くよー!」

そう言って、シャトルが飛んでくる。


今の私なら、やれる。


そんな自信があった。

あとちょっと。あとちょっと……。

よし、今だ!

カツン!!

今日二度目の大きな音が、体育館に響いた。