とある少女の物語

*

「よろしくお願いしまーす!」

午後二時。メンバー六人でスタジオに入る。

今日は音楽番組のリハーサルだ。

学校では普通の高校生。でも、ここでは違う。

私たちは、Melty♡Candy。

応援してくれるファンがいて、待っていてくれる人がいる。

だからこそ、中途半端な姿は見せられない。

「乃愛、今日のペアダンス、最後のところ確認しよ!」

「うん、やろ!」

隣に来たりりと、振り付けを確認する。

今回の曲は失恋ソング。切ない気持ちが伝わるように、表情や視線の動きまで丁寧に合わせていく。

何度も練習して、少しずつ形になっていく。

ステージに立つときは、いつだって全力だ。

私たちの歌やダンスで、誰かの心を動かせたらいい。

そう思っているから。

「それでは、Melty♡Candyさん、お願いしまーす!」

「はい!」

メンバーと顔を見合わせ、うなずく。

よし、今日も頑張ろう。