未回答の終点

長谷川くんが何か小さなものを差し出した。
手を出すと、ころん、と転がってきた。
レモン味の飴。私の一番好きなメーカーの。昨日私が食べていたのと同じ。

「これ……」
「昨日くれたでしょ。美味しかったよ。だからお返し。三日間付き合ってくれてありがとう。ごめんね」
「……うん」

涙が引いていく。優しさが涙を拭った。
もう我慢の限界だった。

「三日間ありがとう。さよなら」

丁字路の右に走る。
今日は立ち止まらなかった。まっすぐ家に帰る。

「美緒おかえりー」
「ただいま」

自室に入った途端、カバンを投げるように置き、制服のままベッドに横になる。

「これが正解だったんだ」

自分に言い聞かせる。そうしないと後悔してしまう。
せめて友達でいれば良かったのかな。いや、あの状態が続くなんてもう耐えられない。もう遅い。もう取り返しがつかない。
ポケットの中には長谷川くんがくれた飴。微かに温もりが残っていた。その温もりが優しくて残酷で、私の目から涙が溢れた。

「長谷川くんは、何もわかってないよ」