「やっぱりわからなかった」
すう、と心が冷える。
わからなかった? じゃあこの三日間は全部無駄だったってこと?
「美緒と話すのは純粋に楽しかった。でも、それが恋愛感情かはわからないんだ」
「それって、私のことを好きになれなかったってこと?」
自分を傷つける質問をしてしまった。
「美緒のことは人として好きだと思う。でも、前に美緒が言ってたような『特別扱いされたい』とか『独り占めしたい』とか、そういう感情が芽生えなかっただけ」
「でも、私の答えが全てじゃないでしょ? 世の中には私の思う恋愛感情じゃない、別の感情で付き合ってる人たちだっているはずだよ!」
「そうだよな。わかってる」
「だったら……!」
「でもさ、美緒」
お互いの声が震えていた。長谷川くんの次の言葉を待つのが怖い。
「俺は楽しかったよ」
「え……」
「美緒と三日間恋人して、純粋に楽しかった。恋愛感情はわからなかったけど、良かったら俺とまた話してくれないかな」
そんな残酷な言葉があるだろうか。
私の気持ちを知らないくせに。私がどんな気持ちでこの三日を過ごしてきたか知らないくせに。なんでそうやって優しいこと言うの。それが一番私を傷つけてるのに。
「……それはできない」
「えっ」
長谷川くんは意表を突かれた顔をした。私が頷くと思っていたのだろう。
「なんで? 俺、美緒に嫌われるようなことしてたかな」
「違う。長谷川くんは何も悪くないの。私が元のクラスメイトに戻りたいだけなの」
「美緒は俺と合わない?」
「そういうことじゃないよ。でも今後話すようになったら、私たちの関係性の変化に気づく人は必ずいる。私はそれが嫌なの。あれこれ噂されて、人の興味の的にされるのは嫌なの!」
視界が歪む。涙が出そうになった。ここで泣いたらバレてしまう。ここまでお互いに無関心を貫いてきたんだ。最後までこのままでいあないと。
「そっか。美緒は——西村はそう思ってるんだ」
ずっと従順だった私に怒るか戸惑うかを予想していたのに、温かい毛布で包んだような優しい言葉が返ってきた。
「それも一つの価値観だもんね。俺が否定することはできないから」
なんで。もっと感情的になってよ。私だけ最後まで従順でいられなかった。情けない。ここまで自分の気持ちを押し殺して、貴方に興味ないですって演出してたのに。優しくて残酷な言葉が、私が作り上げてきた壁をいとも簡単に壊してしまった。
「西村」
優しい声だった。ゆっくりと顔を上げる。そこには微笑む長谷川くんの姿があった。
「これあげる」
すう、と心が冷える。
わからなかった? じゃあこの三日間は全部無駄だったってこと?
「美緒と話すのは純粋に楽しかった。でも、それが恋愛感情かはわからないんだ」
「それって、私のことを好きになれなかったってこと?」
自分を傷つける質問をしてしまった。
「美緒のことは人として好きだと思う。でも、前に美緒が言ってたような『特別扱いされたい』とか『独り占めしたい』とか、そういう感情が芽生えなかっただけ」
「でも、私の答えが全てじゃないでしょ? 世の中には私の思う恋愛感情じゃない、別の感情で付き合ってる人たちだっているはずだよ!」
「そうだよな。わかってる」
「だったら……!」
「でもさ、美緒」
お互いの声が震えていた。長谷川くんの次の言葉を待つのが怖い。
「俺は楽しかったよ」
「え……」
「美緒と三日間恋人して、純粋に楽しかった。恋愛感情はわからなかったけど、良かったら俺とまた話してくれないかな」
そんな残酷な言葉があるだろうか。
私の気持ちを知らないくせに。私がどんな気持ちでこの三日を過ごしてきたか知らないくせに。なんでそうやって優しいこと言うの。それが一番私を傷つけてるのに。
「……それはできない」
「えっ」
長谷川くんは意表を突かれた顔をした。私が頷くと思っていたのだろう。
「なんで? 俺、美緒に嫌われるようなことしてたかな」
「違う。長谷川くんは何も悪くないの。私が元のクラスメイトに戻りたいだけなの」
「美緒は俺と合わない?」
「そういうことじゃないよ。でも今後話すようになったら、私たちの関係性の変化に気づく人は必ずいる。私はそれが嫌なの。あれこれ噂されて、人の興味の的にされるのは嫌なの!」
視界が歪む。涙が出そうになった。ここで泣いたらバレてしまう。ここまでお互いに無関心を貫いてきたんだ。最後までこのままでいあないと。
「そっか。美緒は——西村はそう思ってるんだ」
ずっと従順だった私に怒るか戸惑うかを予想していたのに、温かい毛布で包んだような優しい言葉が返ってきた。
「それも一つの価値観だもんね。俺が否定することはできないから」
なんで。もっと感情的になってよ。私だけ最後まで従順でいられなかった。情けない。ここまで自分の気持ちを押し殺して、貴方に興味ないですって演出してたのに。優しくて残酷な言葉が、私が作り上げてきた壁をいとも簡単に壊してしまった。
「西村」
優しい声だった。ゆっくりと顔を上げる。そこには微笑む長谷川くんの姿があった。
「これあげる」
