「俺と付き合ってください」
西村美緒は目の前の出来事が信じられなかった。
放課後の教室で長谷川伊月が真剣な表情で私を見つめている。
夕日が逆光になって、長谷川くんの顔がよく見えない。
長谷川くんは一言で表すなら「クラス一の人気者」だ。明るくて誠実な彼は男女共に人気で、女子の中には長谷川くんが好きだという人も多くいる。それは私も例外ではなかった。眩しい長谷川くんは私の生活を彩っていき、いつのまにか一緒にいることを夢見るようになっていた。
西村美緒。高校二年生。今まで付き合った人はいない。そんな私にもついに春が来た。もう夏すら過ぎてるけど。
きっかけは本当に些細なことだった。最初の席が長谷川くんと前後だった。私は学校一怖いと有名な先生の最初の授業で教科書を忘れた。成績もよくない私が、さらに内申点を引かれたら、と考えると恐ろしい。パニックになっていると、後ろから肩を叩かれた。
「西村、これ使って」
それは教科書だった。そして席を立ち上がり、
「先生、俺教科書忘れましたー」
と言った。つまり私を助けてくれたのだ。最初はただ感謝の気持ちだけだったのに、いつの間にか恋をしていた。
だけど、私は地味なことを自覚している。容姿が優れているわけでもないし、秀才というわけでもない。運動神経は悪いし、聖人君子のように性格が良いわけでもない。ありふれた、どこにでもいる女子高生。なんなら平均以下だと思っている。
そんな私は長谷川くんと釣り合わないとわかっていた。もちろんクラスメイトとしてのある程度の交流はあるが、それ以上はない。それ以上を求めるなんて身の程知らずだ。
だからこそ、告白してくれるなんて夢にも思わなかった。
今朝、家で支度をしていると、スマホに長谷川くんから連絡が来た。友達登録すらしていない彼からのメッセージに、私は叫び声を上げそうになった。
『今日の放課後、教室で待ってて』
なんで私に? 送る相手間違えてない?
それがずっと頭の中にこびりついて、まともに授業を受けられなかった。
今までまともに関わってこなかった長谷川くんからの連絡にドキドキしたけど、急に近づけた気がして嬉しかったのも事実だった。
西村美緒は目の前の出来事が信じられなかった。
放課後の教室で長谷川伊月が真剣な表情で私を見つめている。
夕日が逆光になって、長谷川くんの顔がよく見えない。
長谷川くんは一言で表すなら「クラス一の人気者」だ。明るくて誠実な彼は男女共に人気で、女子の中には長谷川くんが好きだという人も多くいる。それは私も例外ではなかった。眩しい長谷川くんは私の生活を彩っていき、いつのまにか一緒にいることを夢見るようになっていた。
西村美緒。高校二年生。今まで付き合った人はいない。そんな私にもついに春が来た。もう夏すら過ぎてるけど。
きっかけは本当に些細なことだった。最初の席が長谷川くんと前後だった。私は学校一怖いと有名な先生の最初の授業で教科書を忘れた。成績もよくない私が、さらに内申点を引かれたら、と考えると恐ろしい。パニックになっていると、後ろから肩を叩かれた。
「西村、これ使って」
それは教科書だった。そして席を立ち上がり、
「先生、俺教科書忘れましたー」
と言った。つまり私を助けてくれたのだ。最初はただ感謝の気持ちだけだったのに、いつの間にか恋をしていた。
だけど、私は地味なことを自覚している。容姿が優れているわけでもないし、秀才というわけでもない。運動神経は悪いし、聖人君子のように性格が良いわけでもない。ありふれた、どこにでもいる女子高生。なんなら平均以下だと思っている。
そんな私は長谷川くんと釣り合わないとわかっていた。もちろんクラスメイトとしてのある程度の交流はあるが、それ以上はない。それ以上を求めるなんて身の程知らずだ。
だからこそ、告白してくれるなんて夢にも思わなかった。
今朝、家で支度をしていると、スマホに長谷川くんから連絡が来た。友達登録すらしていない彼からのメッセージに、私は叫び声を上げそうになった。
『今日の放課後、教室で待ってて』
なんで私に? 送る相手間違えてない?
それがずっと頭の中にこびりついて、まともに授業を受けられなかった。
今までまともに関わってこなかった長谷川くんからの連絡にドキドキしたけど、急に近づけた気がして嬉しかったのも事実だった。
