君に、届かない恋をした

学校が始まってから、今日で約2週間が経つ。

私は今、絶賛、情緒不安定だ。

学校が始まる。

つまり、夏休みの日常がなくなる。

それは、NEX7を見ないことと同じだった。

この2週間、学校にいる間、見られていないことが、小さいけれどストレスとなって、心の中で降り積もっていくのを感じていた。

それに加えて、今月はまだ、女子特有のアレが来ていない。

だから、なのかもしれない。

自分でもわかるくらい、泣いて、笑って、怒って……を繰り返している。

学校にいるときだけ見られないなら、家に帰れば見られるじゃん。

そう思うかもしれない。

でも、それはスマホを持っていない私にとっては難しいことであり、なによりも辛いことであった。

ここ数日、会えないことにたくさん泣いて。

でも、存在していることに安心して泣いて。

自分に対して怒って。

尊くて泣いて。

同じ空の下にいるんだって泣いて。

かわいくて、かっこいいその姿に泣いて。

そして、笑って。

ずっと、こんな感じだ。

夏休み中、のめりこみすぎたせいで、学校での自分の「キャラ」が分からなくなっているのも、今の現状。

ノートにぐしゃぐしゃに書き殴りたいくらい、むしゃくしゃするっていうか。

心に何かが詰まっているような感じがして、辛い。


それから、数日後。

最悪だ。

弟に、見られた。

あれから耐え切れなくなった私は、その日、家に帰ってから隙間時間を見つけて、パソコンを開いた。

大好きな人たちを見ていた。

すると、6歳下の弟が、

「だれ?」

と聞いてきた。

私はすぐさま画面を閉じた。

けれど、消したことを後悔して、また再びタブを開く。

すると今度は、そこにママが通りかかり、ばれないようにまた閉じる。

そんなことの繰り返しで、なくなるはずのストレスは、増えていく一方だった。

家にいると、見られない時間ばっかり考えてしまう。

次は、いつ見られるんだろう。

そんなことばかり思ってしまう。

家が無理なら、学校なら!

そう思うのだが、学校から配られているパソコンは県が管理している。

さすがに、それで検索するのはためらってしまう。


それから、さらに数日後。

蓮くんの出演しているドラマの最新話が放送された。

録画されているものを、家族で集まって見る。

何も知らなかった第1話の私より、蓮くんを知ってしまった第5話の私は、

久しぶりに見るその姿に、頬が緩んでしまうのを必死に隠すのに精一杯だった。


か、かっこいい~……!!


どれだけ頑張っても緩んでしまう頬と格闘しながらも、心では大波乱が巻き起こっていた。


あ~~、好き。

一生懸命お芝居してるところが、本当にたまらなく尊いんだけど!!

かっこいい。

好きぃ~。

会いたくなるな~、これは。


やばい。

頑張ってるのを見ると、涙出てくる。

そう思いながら、私はひっそりと涙を流した。

そして、家族に推しバレせずに最後までドラマを見終えたのだった。