「颯ビビったじゃねぇか」
「ごめんって」
「ほんとだよ。いきなり倒れたなんてさ」
「今は元気だし検査結果次第ではすぐに退院できるよ」
ほらっと握りこぶしをつくって見せた。正直完全回復とは言えない。吐き気は前よりあるし、皆には内緒にしているがトイレで嘔吐してしまった。そして、倒れたときに血を吐いたことも両親に皆には言わないようにしてもらっている。
「皆こんなにお見舞い来てくれるなんて………俺がいなくてそんなにさみしかったのか!」
同級の陸上部員が勢揃いでお見舞いに来てくれているのだ。
「ち、ちげぇし!お前がいないと部活の士気が上がんねぇなって思っただけだし!」
「照れんなよ由宇。素直にさみしかったって言ってやれよ~」
「なあ、颯。由宇が一番心配してたんだぜ?」
「はぁ?!ちげぇし!ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ。颯真!廉也!」
暗い顔してこられたらどうしようかと思ったが、そんなのは杞憂だったようで、皆いつも通りに接してくれていることがなんだか嬉しかった。
「由宇、違うのか?俺悲しいなぁ?」
「あ、いや、そういうわけじゃなくてっ」
由宇の相変わらずのツンデレ具合に笑いがこみ上げる。それは皆も同じだったようで、病室には笑い声が響いた。最初は笑うなと言っていた由宇もいつの間にか一緒になって笑っていた。看護師に静かにするようにと注意されたのは言われるまでもない。
「じゃあ、俺ら帰るな~」
「早く退院して戻って来いよー!」
「おう!待ってろよ!」
「俺は明日元々ばぁちゃんの見舞い行く予定だったから、明日も来るよ」
「おーけー!さんきゅな!」
由宇には俺と同じ病院に入院している祖母がいるらしい。由宇に聞いて明日は一緒に由宇の祖母の見舞いに行くことになった。馬鹿騒がしいあいつらが帰った後の病室があまりにも静かで、得体の知れない不安と恐怖に呑み込まれそうだった。
ガラッと病室の扉が開く。扉の方を向くと仕事帰りの父親が立っていた。
「……体調はどうだ」
「あー倒れたときよりはよくなっているよ」
「そうか」
普段は寡黙で何を考えているのか分からない父だが、いつもよりそわそわしていて落ち着きがなく、心配しているのが伝わる。父は持っていた大きなバックをベットの横の机に置いた。
「着替えとか勉強道具とか持ってきた」
バックの中身を出して棚に収納していく父が、まるで別人を見ているようでつい笑ってしまった。
「なんだ」
「いや、意外だなって」
父は一度手を止めたものの無言で作業を続けた。確かに父は寡黙で何を考えているか分からないが、俺の出る大会には母と一緒に見に来てくれるし、学校行事にも来てくれている。なんだかんだ家族思いなのだと改めて実感した。それから少しして母も病室に来て、久しぶりに家族でゆっくりとした時間を過ごした。
「ごめんって」
「ほんとだよ。いきなり倒れたなんてさ」
「今は元気だし検査結果次第ではすぐに退院できるよ」
ほらっと握りこぶしをつくって見せた。正直完全回復とは言えない。吐き気は前よりあるし、皆には内緒にしているがトイレで嘔吐してしまった。そして、倒れたときに血を吐いたことも両親に皆には言わないようにしてもらっている。
「皆こんなにお見舞い来てくれるなんて………俺がいなくてそんなにさみしかったのか!」
同級の陸上部員が勢揃いでお見舞いに来てくれているのだ。
「ち、ちげぇし!お前がいないと部活の士気が上がんねぇなって思っただけだし!」
「照れんなよ由宇。素直にさみしかったって言ってやれよ~」
「なあ、颯。由宇が一番心配してたんだぜ?」
「はぁ?!ちげぇし!ふざけたこと言ってんじゃねぇぞ。颯真!廉也!」
暗い顔してこられたらどうしようかと思ったが、そんなのは杞憂だったようで、皆いつも通りに接してくれていることがなんだか嬉しかった。
「由宇、違うのか?俺悲しいなぁ?」
「あ、いや、そういうわけじゃなくてっ」
由宇の相変わらずのツンデレ具合に笑いがこみ上げる。それは皆も同じだったようで、病室には笑い声が響いた。最初は笑うなと言っていた由宇もいつの間にか一緒になって笑っていた。看護師に静かにするようにと注意されたのは言われるまでもない。
「じゃあ、俺ら帰るな~」
「早く退院して戻って来いよー!」
「おう!待ってろよ!」
「俺は明日元々ばぁちゃんの見舞い行く予定だったから、明日も来るよ」
「おーけー!さんきゅな!」
由宇には俺と同じ病院に入院している祖母がいるらしい。由宇に聞いて明日は一緒に由宇の祖母の見舞いに行くことになった。馬鹿騒がしいあいつらが帰った後の病室があまりにも静かで、得体の知れない不安と恐怖に呑み込まれそうだった。
ガラッと病室の扉が開く。扉の方を向くと仕事帰りの父親が立っていた。
「……体調はどうだ」
「あー倒れたときよりはよくなっているよ」
「そうか」
普段は寡黙で何を考えているのか分からない父だが、いつもよりそわそわしていて落ち着きがなく、心配しているのが伝わる。父は持っていた大きなバックをベットの横の机に置いた。
「着替えとか勉強道具とか持ってきた」
バックの中身を出して棚に収納していく父が、まるで別人を見ているようでつい笑ってしまった。
「なんだ」
「いや、意外だなって」
父は一度手を止めたものの無言で作業を続けた。確かに父は寡黙で何を考えているか分からないが、俺の出る大会には母と一緒に見に来てくれるし、学校行事にも来てくれている。なんだかんだ家族思いなのだと改めて実感した。それから少しして母も病室に来て、久しぶりに家族でゆっくりとした時間を過ごした。
