わがままな私が、南北戦争で侍女になった理由

起きて……
誰かの声が聞こえる。女の子の声だ。
気づいたら私はカウチ?ソファーの上に寝かされてた。目の前には金髪をまとめ髪にした緑の眼の花柄のワンピースを着た女の子と黒人の乳母みたいな人がいた。
すると金髪をまとめ髪にした緑の目の女の子が
エリザベス・マクブライドです。
と名乗り、
黒人の乳母の人が
私はお嬢様の乳母であるエミリーです。と名乗った。
私は、小川恵子と申します。と名乗った
すると2人は恵子?ケイトでいいかしら?と言い、私はケイトじゃなくて恵子!(泣)と言ったのに
ケイトと呼ばれる羽目になってしまった。
行くところは?と乳母のエミリーに聞かれて、
ありませんと
答えた私(ケイト)は「なら!お嬢様の侍女になってもらいましょう!」と乳母のエミリーに言われ、
私は「エリザベス・マクブライドお嬢様付きの侍女にされてしまった⁉︎」
ではドレスに着替えてきて頂戴!
とエリザベスお嬢様はおっしゃった。
私は乳母のエミリーと部屋を移動した。
ドレスは…
メイドのお仕着せを想像してたら
「なんか普通に素敵な青いドレスが出てきた」
エミリーに「私は侍女にされたけど、侍女ってメイドの一種よね?」と聞いたら
「何をおっしゃってるんですか?ケイト。侍女はレディースメイドと呼ばれる、メイドの中でも位の高い役職ですよ。だからこの青いドレスも、お嬢様のお下がりですよ!さすがに乳母でもお嬢様のお下がりのドレスを着るのは許されませんよ」
と言われてしまった。
さぁ!柱にしがみついて下さい!コルセットをうんときつく締めなければ!とエミリーが言って
突然、柱にしがみついてる私が今着ているのは 下着だと思ってたのは実はコルセットだったらしく…
(待つって!胃液逆流しそう!吐きそう!正気の沙汰じゃない!)と私は悶絶した
コルセットを締めあげられた私は地味にふらふらしていた…
何をぐずぐずしているのですか?ケイト!
お嬢様の着替えをお手伝いしなければ!
えっ?さっきの締め上げをお嬢様も?
当たり前ですよ!ケイト。
最初のうちは、コルセットの締め方を一緒にやりましょう。早く1人で出来る様にならなければなりませんよ。
と言われながら、ドレスを上から被せられた。
私がさっきまで着せられていたのは下着だったらしい。
エリザベスお嬢様の元に私とエミリーが戻った。
エリザベスお嬢様は「まぁ!私のお下がりのドレスじゃないの!よく着られたわね!サイズが心配だったのよ」とおっしゃってくれたので、この格好でとりあえずいいらしい。
私が息切れをしているのを見たお嬢様は「コルセットね?大丈夫よ!ケイト!そのうち慣れるわ。」とお嬢様はにっこりと笑っておっしゃった。
その笑顔が「恵子からケイトにされてしまった私にはとても怖く感じた……」
それから私の苦難は続いた…
コルセットも苦しいけど、お風呂じゃなくて「水浴び」なのは(お風呂大好き民族である日本人の私にはとても辛かった)
それに夜が暗いのがなんやかんやで1番辛かった。
なぜなら電気がまだなくて(原始的な?ミシンや氷を入れる木の棚みたいな冷蔵庫はここにはあるらしい…けど電気がない…1854年にペリー艦隊が持ち込んだものが日本初のミシンとされる。徳川家定への献上品だったという説明をどこかで読んだ気がする。)
そういえば、私がいるのは、アメリカ南部のモンゴメリという場所で、今は1864年らしい。
(これでも、まだ現代に近い(泣)少なくとも日本にマシューカルプレイスペリーが来て横浜が開港して、ただいま絶賛、幕末期って感じだろうから)
私はだんだんと、お嬢様のドレスのコルセットを着付けたり、私自身もコルセットを締められて(後で少し緩めてるけど)にも、夜の屋敷の中の薄暗さにも慣れていった。
特に私が好きな仕事は「お嬢様が所望された本をお屋敷の図書室から探してきて、時には一緒に図書室で読みながら語り合う事」だった。
エリザベスお嬢様には「ケイトは本棚に住み着く本の虫ね!ケイトと本について語り合えてとても嬉しいわ!」といつも褒められていた。
現代で「聖ミシェルのラビニアと呼ばれていた、わがままで傲慢だった私」が少しずつ変わっていったことには私自身も驚いた。
このタイムスリップは神様のお導きだったのかもしれない。と感じた。歴史を変えないように気をつけながら。
ある日の夕方、屋敷の中がいつもより騒がしかった。
「アトランタが……落ちた?」
私は思わず耳を疑った。
「はい。北軍のシャーマン将軍がアトランタを占領したそうです」
エリザ夫人が沈んだ顔で答えた。
私は知っていた。
南北戦争。
アトランタ。
シャーマン。
学校の世界史で習った言葉だ。
けれど、教科書の中にあった「アトランタ陥落」という一行と、今ここで人々が不安そうに口にしている「アトランタ陥落」は、まるで違っていた。
「シャーマン将軍は……これからどうするんです?」
私が尋ねると、エリザ夫人は首を横に振った。
「分かりません。ただ……東へ向かうという話があります」
「東……」
私は頭の中で地図を思い浮かべようとした。
でも、うまく位置関係がつかめない。
「サヴァンナへ向かうのではないか、とも……」
エリザベスお嬢様が小さな声で言った。
「戦争は……まだ終わらないのね」
私は答えられなかった。
現代の私は、南北戦争の結末を知っている。
けれど、この時代の人たちは知らない。
明日、父親が帰ってくるのか。
家が残るのか。
畑が残るのか。
何も分からないのだ。
私は初めて、自分の知っている「歴史」が、誰かにとっては「今」なのだと気づいた。
歴史を学校で学んで、テレビで特集を見ただけの私の知識は「この時代ではあまり役に立ってなかった。」
(私は地理が苦手で…
歩いたり電車や車に乗って移動は良いけど、地図の上のどこかを結びつけるのが苦手で…
どこなのかさっぱりわからない!
それに昔のまだ粗めな地図だし)

今、旦那様のジェームズマクブライド様や奥様のエリザ様は「モンゴメリ近郊で綿花を栽培する大規模農園を所有し、収穫した綿花をモンゴメリの商人・綿花商を通じて販売してきた裕福な農園主一家」
とりあえず、私の言葉遣いは
「現代にいた時に使ってた敬語モード全開」にしている。
私の「悲しき日本人の性質よ…」
1864年の冬が過ぎた。
そして1865年の春、戦争はとうとう私たちのいるアラバマまでやって来た。