あの子みたいには、なれなくて。だから私は私を生きる。

次の朝、私は、とても快感な気分で目を覚ました。


何にも知らずにただただ笑っている紗良が、後でどん底に立ち尽くしている姿が、早く見たくてたまらない。



「さーて、朝ごはん朝ごはんっ」

私の両親は共働きで、私が起きる数時間前にはもう出勤している。

なので、

こらっ、紬、早くごはんを食べなさいっ。

とは、言われない毎日だ。


こんがりと焼いたトーストに、太陽のようなマーマレードを乗せる。

トーストの香ばしさとマーマレードの酸っぱさが、よく合っている。

それに、つるりと輝いている茹でたまご。

これが簡単そうに見えて意外に難しいのだ。




簡単な朝食を済ませると、私は子供部屋へ向かう。

そこには、色々な雑貨がごちゃごちゃっと置いてある。







以前は、どう思っていたかとか。

そういうもの全部、



忘れた。

というか、そもそもなかったのかもしれない。


そう思う気持ちに警告を出さない自分も、通常だと思っているのが普通。