君が夢みた世界を知りたい

羽歌の世界〜見つけられればいいのに〜
いつものように家を出た。教室に入り席につく。スケッチブックに絵を描こうを思い筆記用具とスケッチブックを広げる。そこでようやく消しゴムを落としたことに気がついた。どこに落としたのだろう。昨日の行動を振り返る。ふと昨日美術室に行ったことを思い出した。そのときに落としたのだろう。重い腰を持ち上げ美術室へ向かう。入ると机のうえに以前私が描いた落書きと消しゴムそれからなにやらノートが置いてあった。一番はじめのページにはこう書いてあった。
「名前も知らない君へ
 僕はあなたの絵に一目惚れしました。
 交換日記ならぬ交換ノートをしてくれませんか?」
その日から私の日常が変わり始めた。「交換ノート」の相手が分からないまま。いつの間にか私はノートの相手を探すために前を向き始めていた。

夢斗の世界〜見つけられればいいのに〜
これで気づいてくれるかな。朝一番に昨日拾った消しゴム、ノートの端、新品のノートを美術室の机に広げた。ノートに書いてあることは事実だ。僕はこの人の絵に恋をした。いや、恋をしたなんて浅はかなものではまるで表すことができない。見た瞬間に衝動的ななにかが僕の身体を心を掻き乱した。そんな錯覚に陥ったのだ。僕にとってこの人と繋がる手段は文字しかない。正直に言えば健常者とコミュニケーションを取る方法の中でも文字が特に主流だということだ。朝日が顔に当たる。眩しさから僕は目を細める。なんだかとても心惹かれるものを得られる気がしてカメラを構えシャッターを押す。今日の彩のコレクションが増えた。いつもよりも満足感いや充実感が胸を支配していた。これからの未来を照らすかのように輝く朝日の向こうに分厚い雲が広がっていた。