羽歌の世界〜聞こえなくなればいいのに〜
ピピピッピピピッ
アラームの音で私、羽歌は目を覚ました。
まだ眠気の覚めない体を起こし、顔を洗う。制服に着替えて母の待つリビングに向かう。朝食を済ませ、歯を磨き家を出る。いつもの耳栓を付けて。この世界にはありとあらゆる音が存在している。友達の声、スマホの通知音、アニメの主題歌。普通の人であればなんてことない生活を送れる音が溢れている世界。そんな世界の神様は私に普通を与えてくれなかった。救急車の音、車のクラクション、体育祭のピストル。これらの音がする度に私は過呼吸に、パニックになってしまう。ひどいときは意識を失う。そうなるごとに私は夜に強く思う。「明日こそは聞こえなくなっていますように」と。
夢斗の世界〜聞こえるようになればいいのに〜
ヴーヴー
朝、手首から伝わってくる振動で僕は目を覚ます。
自分のお弁当のおかずを作り、着替え、家族と朝食を食べる。歯を磨いて、髪をセットし、親の車に乗り、登校する。通学路の花を見つけることもできずに。変化し続ける僕の耳を守る補聴器を身につけ。この世界にはありとあらゆる彩が存在する。今日だけの空の色、通りすがりの野良猫の毛色、登校している小学生の帽子の鮮やかな黄色。普通の人が素通りをするようなたくさんの彩の世界。そんな世界の神様は僕に音色を与えてくれなかった。家族友達の声、アイドルの歌、カメラのシャッターを切る音。これらの彩を想像する度に胸が締め付けられる。胸の痛みを誤魔化すように今日も写真を撮る。「今日の僕」が見つけることができた音色以外の彩で満足出来るように。漢字漢字漢字
ピピピッピピピッ
アラームの音で私、羽歌は目を覚ました。
まだ眠気の覚めない体を起こし、顔を洗う。制服に着替えて母の待つリビングに向かう。朝食を済ませ、歯を磨き家を出る。いつもの耳栓を付けて。この世界にはありとあらゆる音が存在している。友達の声、スマホの通知音、アニメの主題歌。普通の人であればなんてことない生活を送れる音が溢れている世界。そんな世界の神様は私に普通を与えてくれなかった。救急車の音、車のクラクション、体育祭のピストル。これらの音がする度に私は過呼吸に、パニックになってしまう。ひどいときは意識を失う。そうなるごとに私は夜に強く思う。「明日こそは聞こえなくなっていますように」と。
夢斗の世界〜聞こえるようになればいいのに〜
ヴーヴー
朝、手首から伝わってくる振動で僕は目を覚ます。
自分のお弁当のおかずを作り、着替え、家族と朝食を食べる。歯を磨いて、髪をセットし、親の車に乗り、登校する。通学路の花を見つけることもできずに。変化し続ける僕の耳を守る補聴器を身につけ。この世界にはありとあらゆる彩が存在する。今日だけの空の色、通りすがりの野良猫の毛色、登校している小学生の帽子の鮮やかな黄色。普通の人が素通りをするようなたくさんの彩の世界。そんな世界の神様は僕に音色を与えてくれなかった。家族友達の声、アイドルの歌、カメラのシャッターを切る音。これらの彩を想像する度に胸が締め付けられる。胸の痛みを誤魔化すように今日も写真を撮る。「今日の僕」が見つけることができた音色以外の彩で満足出来るように。漢字漢字漢字
