翌日の昼休み。あたしとミクちゃんは屋上で食事を済ませた。
レオが昨日のことを言いふらしていないかなって心配になったけど、それ以前に「話したいことがある」ってミクちゃんに言われたのもあって、あたしは親友の対応を優先した。
「今度の土曜に、例の試合があるじゃない」
「ああ、レオの試合のこと?」
そう言えばレオがサッカー部の試合に出るから応援に来いって言われていたんだっけ。肝試しに集中し過ぎて完全に忘れていたけど。
ミクちゃんはあたしの質問に頷くと、ちょっと呼吸を整える。
「今度の試合で、レオ君に告白しようと思ってるんだよね」
あたしは数秒間フリーズした。遅れて飛んでいた意識が戻って来る。
「ああ、とうとう言うんだ」
「うん」
ミクちゃんはどこか気まずそうに菓子パンを口にする。十秒ぐらい、沈黙とともに微妙な空気が流れた。
「いいの?」
「いいのって、何が」
「わたしが告白に成功したら、リホちゃんはレオ君と付き合えなくなるんだよ」
「うん」
「いいのかなって」
「そりゃあ、別に……」
その先の言葉に詰まる。
こんな時、なんて言ったらいいんだろう。
自分の想いを伝えたくても、それを完璧に伝えるのは難しい。だからなんとなくでごまかしてしまう。
「レオがミクちゃんのことを好きなら、別に問題なんてないんじゃないの」
「そういうことじゃなくてさ」
ミクちゃんがイラ立ちを隠しながらって感じで次にかける言葉を探している。うん、まあ何が言いたいかぐらいはあたしだって分かってるよ。
「レオ君のこと、好きじゃなかったの?」
「……」
あたしは答えることが出来なかった。質問に対して正直に答えた時、ミクちゃんとこれまでに築き上げた関係があっさりと壊れてしまうんじゃないか。そう思うと何も言うことが出来なかった。
「ミクちゃんがさ、仮にレオと付き合うことになるとするじゃない?」
「うん」
「その時に、あたしの居場所ってまだあるのかな?」
「そんなの、あるに決まってるでしょ。だって、リホちゃんはいつまで経っても一番の友達なんだからさ」
そこまで言われて、あたしは思わず「ふっ」と笑ってしまう。
そうか、あたしはいつまでもミクちゃんにとって大切な友達なんだな。その言葉を聞いて、嬉しくも悲しくもある。
「じゃあ別に、あたしが止める理由なんて何一つないよ。誰にも遠慮せずに、好きだって伝えなよ、後悔したくないならさ」
「そう……だね。そうだよね。たとえフられるにしても、好きだって伝えてからフられた方が後悔なんかしないもんね」
なんだかミクちゃんの顔つきが変わった気がする。表現は難しいけど、前よりも強くなったというか、そんな感じ。
いい顔するよなあ、本当に。この顔で「好きです」って言われたら誰でも恋に落ちてしまうんじゃないかな。
「それじゃあ、今度の土曜日が勝負だね」
「うん」
当日は女子の応援も多数来るんだろうけど、三人で遊んでいる関係もあるから、レオもちょっとぐらいは時間をくれるんじゃないかな。多分だけど。
さて、告白の結果がどっちに転ぶのか……。正直、どっちに転んでもらってもあたしにとっては複雑なんだけどね。
でも、遅かれ早かれこうなってたことか。それならあたしも逃げないで向き合うしかないよね。
分かっちゃいるけど、土曜のことを考えると憂鬱だった。
レオが昨日のことを言いふらしていないかなって心配になったけど、それ以前に「話したいことがある」ってミクちゃんに言われたのもあって、あたしは親友の対応を優先した。
「今度の土曜に、例の試合があるじゃない」
「ああ、レオの試合のこと?」
そう言えばレオがサッカー部の試合に出るから応援に来いって言われていたんだっけ。肝試しに集中し過ぎて完全に忘れていたけど。
ミクちゃんはあたしの質問に頷くと、ちょっと呼吸を整える。
「今度の試合で、レオ君に告白しようと思ってるんだよね」
あたしは数秒間フリーズした。遅れて飛んでいた意識が戻って来る。
「ああ、とうとう言うんだ」
「うん」
ミクちゃんはどこか気まずそうに菓子パンを口にする。十秒ぐらい、沈黙とともに微妙な空気が流れた。
「いいの?」
「いいのって、何が」
「わたしが告白に成功したら、リホちゃんはレオ君と付き合えなくなるんだよ」
「うん」
「いいのかなって」
「そりゃあ、別に……」
その先の言葉に詰まる。
こんな時、なんて言ったらいいんだろう。
自分の想いを伝えたくても、それを完璧に伝えるのは難しい。だからなんとなくでごまかしてしまう。
「レオがミクちゃんのことを好きなら、別に問題なんてないんじゃないの」
「そういうことじゃなくてさ」
ミクちゃんがイラ立ちを隠しながらって感じで次にかける言葉を探している。うん、まあ何が言いたいかぐらいはあたしだって分かってるよ。
「レオ君のこと、好きじゃなかったの?」
「……」
あたしは答えることが出来なかった。質問に対して正直に答えた時、ミクちゃんとこれまでに築き上げた関係があっさりと壊れてしまうんじゃないか。そう思うと何も言うことが出来なかった。
「ミクちゃんがさ、仮にレオと付き合うことになるとするじゃない?」
「うん」
「その時に、あたしの居場所ってまだあるのかな?」
「そんなの、あるに決まってるでしょ。だって、リホちゃんはいつまで経っても一番の友達なんだからさ」
そこまで言われて、あたしは思わず「ふっ」と笑ってしまう。
そうか、あたしはいつまでもミクちゃんにとって大切な友達なんだな。その言葉を聞いて、嬉しくも悲しくもある。
「じゃあ別に、あたしが止める理由なんて何一つないよ。誰にも遠慮せずに、好きだって伝えなよ、後悔したくないならさ」
「そう……だね。そうだよね。たとえフられるにしても、好きだって伝えてからフられた方が後悔なんかしないもんね」
なんだかミクちゃんの顔つきが変わった気がする。表現は難しいけど、前よりも強くなったというか、そんな感じ。
いい顔するよなあ、本当に。この顔で「好きです」って言われたら誰でも恋に落ちてしまうんじゃないかな。
「それじゃあ、今度の土曜日が勝負だね」
「うん」
当日は女子の応援も多数来るんだろうけど、三人で遊んでいる関係もあるから、レオもちょっとぐらいは時間をくれるんじゃないかな。多分だけど。
さて、告白の結果がどっちに転ぶのか……。正直、どっちに転んでもらってもあたしにとっては複雑なんだけどね。
でも、遅かれ早かれこうなってたことか。それならあたしも逃げないで向き合うしかないよね。
分かっちゃいるけど、土曜のことを考えると憂鬱だった。



