寮のエレベーターに自家発電機が繋がれてから約二週間後、日奈子は皇牙とD4と一緒に竜王スタジアムに来ていた。
今夜は綾人が選手として出場するので、六人で応援に来たのだ。
秘密の共有をして以来、皇牙は以前にも増して日奈子に甘くなっていた。
スタジアムでの飲食物の選択も「お前が好きなものにしよう」と日奈子任せにしていたが、日奈子としては三回連続で同じものでもいいのだろうかと悩んでしまう。
そうかといってフレンチのフルコースや寿司がいいとも言いにくい日奈子の耳に、赤羽がぼそっと囁いた。
「内緒だけど、僕、今日誕生日なんだよね。お寿司の気分だなぁ、なーんて」
「誕生日? 赤羽さん誕生日だったんですか? おめでとうございます」
「いえいえ、どうもー」
日奈子は皇牙に向かって「今日はお寿司でもいいですか?」と訊いてみる。
当然のように「いいぞ」と返ってきたので、全員で寿司を食べることになった。
注文はいつも通り緑木と黄山に任せると、ほどなくして寿司屋のスタッフが豪華な海鮮寿司を二人分と、質素なヴィーガン寿司を四人分運んでくる。
寿司を食べるなんて何年かぶりだったので、日奈子のテンションは試合開始前からぐんと上がった。何より赤羽が大喜びしているのが嬉しい。
「皇牙さんに、誕生日だって言わないんですか?」
ぼそっと訊いてみると、赤羽は唇の前に指を立てて「秘密」と笑う。
「えー、なんで秘密なんですか?」
「いやべつに言ってもいいんだけど、僕達はなんというか……四人揃って一つの共同体みたいな感じで認識されてるんで、個々に誕生日がどうとかアピールしないほうがいい気がするんだよね。皇牙様に面倒掛けたくないじゃん?」
日奈子の隣に座った赤羽は、耳に顔を寄せるようにして言った。
すると反対側にいた皇牙が身を乗りだしてきて、日奈子の肩を抱き寄せる。
「顔が近い」
「す、すみません」
不機嫌そうに言われた赤羽は、首をすくめて謝った。
日奈子は皇牙に肩を抱かれてびっくりしたうえ、しばらく待っても離してもらえず困惑する。
寿司を食べることもできない体勢だったので、「あのー、お寿司食べたいです」と言うとようやく解放してもらえた。
今夜は綾人が選手として出場するので、六人で応援に来たのだ。
秘密の共有をして以来、皇牙は以前にも増して日奈子に甘くなっていた。
スタジアムでの飲食物の選択も「お前が好きなものにしよう」と日奈子任せにしていたが、日奈子としては三回連続で同じものでもいいのだろうかと悩んでしまう。
そうかといってフレンチのフルコースや寿司がいいとも言いにくい日奈子の耳に、赤羽がぼそっと囁いた。
「内緒だけど、僕、今日誕生日なんだよね。お寿司の気分だなぁ、なーんて」
「誕生日? 赤羽さん誕生日だったんですか? おめでとうございます」
「いえいえ、どうもー」
日奈子は皇牙に向かって「今日はお寿司でもいいですか?」と訊いてみる。
当然のように「いいぞ」と返ってきたので、全員で寿司を食べることになった。
注文はいつも通り緑木と黄山に任せると、ほどなくして寿司屋のスタッフが豪華な海鮮寿司を二人分と、質素なヴィーガン寿司を四人分運んでくる。
寿司を食べるなんて何年かぶりだったので、日奈子のテンションは試合開始前からぐんと上がった。何より赤羽が大喜びしているのが嬉しい。
「皇牙さんに、誕生日だって言わないんですか?」
ぼそっと訊いてみると、赤羽は唇の前に指を立てて「秘密」と笑う。
「えー、なんで秘密なんですか?」
「いやべつに言ってもいいんだけど、僕達はなんというか……四人揃って一つの共同体みたいな感じで認識されてるんで、個々に誕生日がどうとかアピールしないほうがいい気がするんだよね。皇牙様に面倒掛けたくないじゃん?」
日奈子の隣に座った赤羽は、耳に顔を寄せるようにして言った。
すると反対側にいた皇牙が身を乗りだしてきて、日奈子の肩を抱き寄せる。
「顔が近い」
「す、すみません」
不機嫌そうに言われた赤羽は、首をすくめて謝った。
日奈子は皇牙に肩を抱かれてびっくりしたうえ、しばらく待っても離してもらえず困惑する。
寿司を食べることもできない体勢だったので、「あのー、お寿司食べたいです」と言うとようやく解放してもらえた。
