四人前作るので、たくさん食べそうな男性二人でちょうどいいなと思った日奈子に、綾人は「よろしいんですか?」と目を輝かせる。
「はい、ぜひ御一緒に。素人が作る普通の料理ですけど」
「ありがとうございます。喜んで御一緒させていただきます」
気持ちのよい返事をもらい、日奈子は彼らと共にエレベーターに乗り込んだ。
三階に行くまでの間に、「竜王学園の制服がよくお似合いですね。凄く清楚で眩しいくらいです」と綾人から褒められる。
部屋に着いて荷物を全部下ろしたあと一旦解散して、日奈子はもう一度スーパーに向かった。
肉料理をメインにするため、食材を買い足す。
再び戻ってから部屋着に着替え、エプロンを掛け、早速仕込みを始めた。
栄養バランスを意識しつつも、肉がメインでタンパク質が多めの料理を作る。
予定していた鶏モモ肉とブロッコリーのクリーム煮の他に、新じゃがと豚肉の味噌煮、ミートボールの甘酢餡、サラダとしてアボカドのチーズ焼きを用意した。
あえて和洋中にして、皇牙と綾人の好みを探るきっかけを作る。
どれも肉がメインではあるが、野菜もたっぷり摂れるメニューだ。
三口コンロをフル稼働し、約束していた時間までにきっちり作った。
皇牙と綾人が日奈子の部屋にやって来て、テーブルに着く。
熱々の料理からはバターや味噌の香りが立ち上り、食欲をそそった。
「これはまた、いい匂いがしますね」
「本当に料理上手なんだな、彩りもよく旨そうだ」
二人の大柄な男性が座ると、広いはずのダイニングが少し狭く感じられる。
三人分の量を二人の皿によそってあるが、体格的になんの問題もなく平らげてくれそうだった。
「ありがとうございます。お口に合うといいんですけど」
「いただきます」
皇牙と綾人は横並びで同時に言うと、早速スプーンを手にした。
実家にいた頃は、「美味しい」は疎か「いただきます」とすら言われなかったので、新鮮な気持ちで「どうぞ召し上がれ」と声を掛ける。
