逃げられないよう存分に甘やかして、日奈子を囲い続けたいと思っている。
しかし彼女には他者の強くネガティブな心の声を読む力があるので、これまで通りD4のことも大切にしなくてはならない。
異性なので今のところ問題なさそうだが、D4が日奈子に対して悪感情を抱かないよう配慮が必要だ。
日奈子の妹に言い放った通り、生餌は性格で選んでいるので心配ないとは思うが、もしD4の誰かが日奈子を傷つけるようなことがあったら、生餌を入れ替えることになるだろう。
それはかなり面倒だが、すべてにおいて日奈子が最優先なのでやむを得ない。
──日奈子の性格からして、「D4の誰々が私に嫉妬してくる」などと報告してはこなさそうだ。独りで耐えてつらくなり、俺の下から去るようなことにならないよう、五人全員を厚遇していかなければ……。
日奈子を守るために、主としてD4の扱いについて考えていると、赤羽がじいっと、いささか無遠慮に顔を覗き込んでくる。
「皇牙様、今夜はなんだか一層お綺麗……というか、色っぽいですね」
「──アタヴィズムの血を吸ったからな、ヤバい薬でも呑んだみたいだ」
「おおーっ、そんなに凄いんですか。ヴィーガンを貫いている僕達の血より、きっとずっと美味しいんでしょうね」
「お前達も十分美味い」
早速D4に配慮すると、赤羽は「恐れ入ります」と微笑んだ。
「家族と縁を切ったわけですし、日奈子ちゃんが淋しくならないよう、僕達ができる限りフォローします。彼女が皇牙様にとって特別だってことは全員理解してますので、気を楽にしてくださいね」
「──ああ、よろしく頼む」
「はい」
察しのよい赤羽は、ぺこりと頭を下げて退室する。
皇牙はほろ酔いしたような気分で、これからのことを考えた。
日奈子が自分から離れていかないようにするために、いろいろと調べておきたい。
竜王グループの調査部に依頼して、日奈子自身が語りにくいことを……家でどんな仕打ちを受けてきたのか、両親や妹や友人がどういう人間なのかも含めて、日奈子のことを詳しく知りたいと思った。
