恐竜王の花嫁


 ──わぁ、なんか、自分で言うのもなんだけど、なんか……お姫様みたい……。
 妹の結衣花から、「お姉ちゃんは地味顔だし、ほんと垢抜けないよねー」などとよく貶されたが、鏡の中の自分はこれまで見たこともないくらい華やかに見えた。
 何よりとても幸せそうだ。意識せずとも自然に笑顔になっている。
 今の幸せを守るために、日奈子はスマートフォンで両親と妹をブロックし、新たに皇牙やD4と繋がりを持った。
 支度ができたらD4グループに連絡することになっていたので『準備ができました。屋上に向かっていいですか?』とメッセージを送る。
 すぐに既読1、2と増えていって既読4になった。
 赤羽から『迎えに行くから部屋で待ってて』と返信が届く。
 それから少し時間を置いて、扉をノックする音が聞こえた。
 日奈子はドレスアップした姿を見せることに緊張しながら、そして気恥ずかしくも思いながら、施錠を解いて扉を開ける。
「おおー日奈子ちゃん可愛い!」
「凄い、まるでプリンセスだね!」
「さっすがピンク似合う、可愛い!」
「可愛すぎて飾りたいくらいだよ。お人形さんみたいなんだもん!」
「……いえ、そんな……」
 D4の四人が口々に褒めてくれて、日奈子は胸を撫で下ろした。
 初めてのジュエリーや靴選びに少し心配があったが、D4は一つ一つに目を見張り、「コーディネートもバッチリだね!」と言ってくれる。
「お待たせしてすみませんでした。皇牙さんは?」
「皇牙様は先に屋上に向かったよ」
「今さっき上がっていったところ。日奈子ちゃんを待ってるよ」
「今エレベーター呼んだから、日奈子ちゃん一人で屋上に行って」
「僕達はここで待ってるから」
「すみません、ありがとうございます」
 ほっとしたのも束の間、これから皇牙に会うのだと思うと再び緊張が走った。