「D4の皆さん、今日からよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくー。この寮には女の子いないから、行き届かない点があったら遠慮なく言って。必要な物はすぐ揃えるから」
「はい、ありがとうございます」
「あとで詳しく説明するけど、うちの学校は売店が充実してるから買い物には不自由しないよ。生鮮食品やドラストもあるし、ほぼスーパーだと思っていいからね」
「ほぼスーパーなんですか……それはいいですね」
「日奈子ちゃん料理するんだ?」
日奈子が持っていた料理本を見て、小首を傾げたのは青沼だった。
大事な持ち物が料理本しかないことがなんだか少し恥ずかしい気がして、日奈子は「はい」と小さな声で返事をする。
「それならスーパーの品揃えは重要だよね、今度一緒に行こうね」
「はい、よろしくお願いします」
「……というわけで、今から日奈子ちゃんのお部屋に案内しまーす。エレベーターもあるけど、今は階段で行こうね」
赤羽が先頭に立って階段を上がり、日奈子は皇牙と一緒にD4について行った。
途中で皇牙から、「二階は綾人のフロアで、俺のフロアは三階だ」と説明される。
六人で三階まで上がると、赤羽が最奥の部屋の扉を指差した。
「あの一際立派な扉の先が皇牙様の部屋。その隣が僕で、青沼、緑木、黄山の順ね。そして黄山の隣が日奈子ちゃんの部屋」
赤羽がカードキーを翳すと、カチリと電子音がして扉が開く。
「さあどうぞ、お姫様。今日からここが日奈子ちゃんのお城だよ」
「1LDKだけど、結構広くていいお部屋でしょ?」
「土足のままでいいからね、ホテルと一緒」
「は、はい」
緊張しながら足を踏み入れた日奈子は、明るい室内を見て息を呑んだ。
まず目に飛び込んできたのは広々としたリビングで、白を基調とした壁に、上質な木材のフローリングが広がっている。
大きな窓からは、ライトアップされた夜の竜王学園が一望できた。
ソファーセットは如何にも高級そうで、その前には大画面の壁掛けテレビがある。
