都内にある桃井家に到着し、日奈子は明かりの点いた家を見上げる。
いつも自分が一番先に帰るので、両親と結衣花がいる家をこうして外から見るのは珍しいことだった。
帰りたくないと痛切に思う。
自分のことを嫌っている、あの三人に会いたくない。
けれども隣には皇牙がいて、それだけは本当に心強い。
日奈子は鍵を取りだし、施錠を解いて深呼吸をした。
思い切って扉を開けても、玄関に誰かが来る気配はない。
しばらく待っても誰も来ないので、日奈子は来客用のスリッパを皇牙に勧めた。
二人で廊下を歩き、リビングに向かう。テレビの音が漏れていた。
幸せな家族の団欒に疎外感を覚えるのはいつものことだ。
リビングの扉の取っ手に手を掛け、躊躇なく押し開く。
「──ただいま帰りました」
直後、母親がソファーから立ち上がった。
一気に距離を詰め、「あんたこんな時間まで何やってたのよ!」と手を上げる。
引っ叩かれる──そう思って反射的に目を閉じたが、衝撃は何もなかった。
恐る恐る目を開けると、後ろにいたはずの皇牙が前にいて、振り上げられた母親の腕をつかんでいる。
「皇牙様!?」
結衣花が悲鳴に近い声を上げた。
母親は呆然としていて、口をあんぐりと開けたまま動かない。
日奈子は庇ってくれた皇牙に感謝しながら、「お客様ですっ」と声を振り絞った。
「りゅ、竜王院、皇牙……さん?」
「お邪魔しています」
「は……はい」
母親が振り上げていた手を下ろしたので、皇牙は手を引く。
結衣花は「嘘!? 嘘!? なんで!?」と黄色い声を上げながら迫ってきた。
もこもことした人気ブランドの可愛い部屋着姿で、キャーキャーと悲鳴を上げる。
「ダイナ・リーグの人気選手がうちに来るなんて、しかも日奈子が連れてくるなんて、いったい何がどうなってるんだ?」
いつも自分が一番先に帰るので、両親と結衣花がいる家をこうして外から見るのは珍しいことだった。
帰りたくないと痛切に思う。
自分のことを嫌っている、あの三人に会いたくない。
けれども隣には皇牙がいて、それだけは本当に心強い。
日奈子は鍵を取りだし、施錠を解いて深呼吸をした。
思い切って扉を開けても、玄関に誰かが来る気配はない。
しばらく待っても誰も来ないので、日奈子は来客用のスリッパを皇牙に勧めた。
二人で廊下を歩き、リビングに向かう。テレビの音が漏れていた。
幸せな家族の団欒に疎外感を覚えるのはいつものことだ。
リビングの扉の取っ手に手を掛け、躊躇なく押し開く。
「──ただいま帰りました」
直後、母親がソファーから立ち上がった。
一気に距離を詰め、「あんたこんな時間まで何やってたのよ!」と手を上げる。
引っ叩かれる──そう思って反射的に目を閉じたが、衝撃は何もなかった。
恐る恐る目を開けると、後ろにいたはずの皇牙が前にいて、振り上げられた母親の腕をつかんでいる。
「皇牙様!?」
結衣花が悲鳴に近い声を上げた。
母親は呆然としていて、口をあんぐりと開けたまま動かない。
日奈子は庇ってくれた皇牙に感謝しながら、「お客様ですっ」と声を振り絞った。
「りゅ、竜王院、皇牙……さん?」
「お邪魔しています」
「は……はい」
母親が振り上げていた手を下ろしたので、皇牙は手を引く。
結衣花は「嘘!? 嘘!? なんで!?」と黄色い声を上げながら迫ってきた。
もこもことした人気ブランドの可愛い部屋着姿で、キャーキャーと悲鳴を上げる。
「ダイナ・リーグの人気選手がうちに来るなんて、しかも日奈子が連れてくるなんて、いったい何がどうなってるんだ?」
