「そうそう、大事だよー。どんどん訊いちゃいなー」
赤羽もフォローしてくれて、他の三人もうんうんと首を縦に振っていた。
「ありがとうございます」
「報酬は一回につき百万円、血の提供は四週間に一回だ」
「……え? 百……百万円、ですか?」
「四週間に一回だから、ほぼ月収百万円といったところだ。そのうちいくらか使うと考えても、来年の三月までに一千万近くは貯められる。贅沢をしなければ独り暮らしくらいできると思うぞ」
「いっ、一千万なんて……そんなにいただけませんっ」
キャンピングカーの車内で日奈子は無意味にきょろきょろと周りを見回し、疑問符だらけの頭を抱える。
この車の豪華な内装からしても、彼が竜王グループの御曹司ということからしても、冗談ではなく本当に月収百万円を提示しているのだと思うと、畏れ多くてパニックを起こしそうだった。
「提供してもらう血液の量は……そこの四人は四百ミリだが、人間は回復が遅いので二百ミリ程度でいい。それと、竜人になった以上は竜王学園に転校してほしい。寮もあるから、早く家を出たいなら好都合だと思う。もちろん学費や寮費、生活費などは報酬と別に支給する。大事な身だからな、俺の目の届くところにいてくれ」
「えっ、ええぇ……転校? 寮?」
「悪い話じゃないだろう?」
「そ、それは、そうですけどっ」
「大学に行く気があったらうちの大学に入ればいい。もちろん俺の生餌を続ける限り学費やら何やらは全額免除だ。必要な物はすべてこちらで揃えるから、大事な物だけ持って引っ越してきてくれ。今夜中にそうしよう」
「──っ、え?」
今夜中に引っ越してくれと言われ、日奈子のパニックはさらに酷くなる。
訊きたいことが山ほどあったはずなのに、皇牙の言葉にすべて薙ぎ倒された。
なんて強引な人なのだろう。
今日初めて会ったのに、まだ出会ったばかりなのに……これから先のことを次々と決めてしまっている。
「皇牙様、いつになく強引……」
赤羽が驚き半分、呆れ半分といった顔で呟くと、皇牙が彼をぎろりと睨む。
