「日奈子、俺の生餌になってくれ。この出会いは運命だと思ってる」
目を見て迫られ、運命なんて言葉を使われる。
彼はたぶん、自分の魅力を十分にわかっている。
こんなふうに迫れば落とせない女はいないって、わかってやっている。
実際そうだと思う。心臓が嘘みたいにうるさく鳴って胸が熱い。
ルビーのような目があまりにも綺麗で、吸い込まれそうだ。
喜びに溢れる彼を、がっかりさせたくない。
これが夢でも現実でも、もう少し、もう少しだけ、この人の近くにいたい。
「──はい」
言ってしまった。自分にしては明瞭な声で、「──はい」と言ってしまった。
生餌四人衆が歓声を上げて拍手する中、日奈子は皇牙に抱き締められる。
彼の胸に顔を埋めながら、日奈子はこれが現実であることを祈った。
