「質問はそれだけか?」
「……はい」
「これ、嵌めてもいいよな? 嫌だと言われても嵌めるけどな」
皇牙は悪戯っぽく笑うと、日奈子の指に少しずつ指輪を通した。
日奈子は眩い指輪の輝きに見惚れながら、「お願いします」と答える。
「末永くよろしく」
「はい。よろしくお願いします。指輪……ありがとうございました」
指輪は日奈子の指のサイズにぴったりで、誇らしく燦然と輝いた。
皇牙の唇が迫ってくるのを感じて、日奈子は少し顔を上げる。
リムジンの窓から射し込む夕日に照らされる皇牙の顔は、ほんのりと赤く染まって美しかった。
《完》
