綾香と別れて個室を出たあと、日奈子は自分への悪意を聞きたくなくて先を急ぎ、竜王マーケットに駆け込む。
皇牙から鶏モモ肉が食べたいと言われていたので、肉や野菜をたくさん買い込んだ。
買い物の時や料理をしている時は無心になれるので、日奈子にとって料理は欠かせない存在になっている。
今日は鶏モモ肉のトマトクリーム煮と、鮭唐揚げのおかずサラダ、カボチャの煮物、ゴボウとシイタケの味噌汁を作った。皇牙がイチゴ好きだと昨夜わかったので、艶のある美しいイチゴをデザートとして用意する。
夕食時になると皇牙と綾人が部屋に来て、いつも通り三人の夕食が始まった。
皇牙は「皮のついたモモ肉だ……」と感動していて、「旨い」と言ってくれる。
それだけで日奈子は幸せで、今日あった嫌なことなど全部吹き飛んでしまった。
「皇牙さん、あの……実は相談がありまして」
「うん、なんだ?」
「私がいただいている報酬で、英会話スクールに通ってもいいですか?」
「英会話スクール? もちろん構わないが、なんでまた突然……」
「今日、綾人さんの妹さんに会ったんです。綾香さんに」
その名を出したらどんな反応をするのか少し気になりつつ口にした日奈子の前で、皇牙は虚を突かれたように絶句する。
すぐさま隣の綾人を見て、「留学中じゃないのか?」と問い詰めた。
「留学中のはずです。えぇ、いつの間に帰ってきたんだか……すみません、まったく知りませんでした」
「日奈子、大丈夫だったか? 何か嫌なことを言われなかったか?」
「言われましたよね? 綾香はきついところがあるから」
「や、えっと……皇牙さんの婚約者なら英語ペラペラじゃないと、パーティーとかで皇牙さんに恥をかかせちゃうって言われて、なるほどそれは確かにと思ったんです。英会話スクールに通ってどれだけ喋れるようになるかわかりませんけど、できるだけ頑張ります」
日奈子はスマートフォンに手を伸ばし、予め開いておいたアプリを見せる。
「こういう無料アプリで学習できるみたいなんですけど、本気で上達したいならネイティブの先生がいるスクールに通ったほうがいいみたいで、できればマンツーマンのレッスンを受けたいなって思ったんです」
「それはいいが、スクールに通うんじゃなく家庭教師を雇う形にしてくれ」
「家庭教師、ですか。ここに来てもらうってことですね?」
「そうだ、常に目の届くところにいてほしいからな。教え方が上手い教師を知ってるから人選は俺に任せてくれ」
皇牙から鶏モモ肉が食べたいと言われていたので、肉や野菜をたくさん買い込んだ。
買い物の時や料理をしている時は無心になれるので、日奈子にとって料理は欠かせない存在になっている。
今日は鶏モモ肉のトマトクリーム煮と、鮭唐揚げのおかずサラダ、カボチャの煮物、ゴボウとシイタケの味噌汁を作った。皇牙がイチゴ好きだと昨夜わかったので、艶のある美しいイチゴをデザートとして用意する。
夕食時になると皇牙と綾人が部屋に来て、いつも通り三人の夕食が始まった。
皇牙は「皮のついたモモ肉だ……」と感動していて、「旨い」と言ってくれる。
それだけで日奈子は幸せで、今日あった嫌なことなど全部吹き飛んでしまった。
「皇牙さん、あの……実は相談がありまして」
「うん、なんだ?」
「私がいただいている報酬で、英会話スクールに通ってもいいですか?」
「英会話スクール? もちろん構わないが、なんでまた突然……」
「今日、綾人さんの妹さんに会ったんです。綾香さんに」
その名を出したらどんな反応をするのか少し気になりつつ口にした日奈子の前で、皇牙は虚を突かれたように絶句する。
すぐさま隣の綾人を見て、「留学中じゃないのか?」と問い詰めた。
「留学中のはずです。えぇ、いつの間に帰ってきたんだか……すみません、まったく知りませんでした」
「日奈子、大丈夫だったか? 何か嫌なことを言われなかったか?」
「言われましたよね? 綾香はきついところがあるから」
「や、えっと……皇牙さんの婚約者なら英語ペラペラじゃないと、パーティーとかで皇牙さんに恥をかかせちゃうって言われて、なるほどそれは確かにと思ったんです。英会話スクールに通ってどれだけ喋れるようになるかわかりませんけど、できるだけ頑張ります」
日奈子はスマートフォンに手を伸ばし、予め開いておいたアプリを見せる。
「こういう無料アプリで学習できるみたいなんですけど、本気で上達したいならネイティブの先生がいるスクールに通ったほうがいいみたいで、できればマンツーマンのレッスンを受けたいなって思ったんです」
「それはいいが、スクールに通うんじゃなく家庭教師を雇う形にしてくれ」
「家庭教師、ですか。ここに来てもらうってことですね?」
「そうだ、常に目の届くところにいてほしいからな。教え方が上手い教師を知ってるから人選は俺に任せてくれ」
