一週間後。
私たちは、河川敷に集合していた。それぞれの自宅に届いた未開封の封筒を持参して。
「そ、それじゃあ開けるよ……っ」
手をプルプルと震わせながら、ちとせが封筒を開ける。中から取り出されたのは、三つ折りに畳まれた紙だ。
私も同じように、自分宛ての封筒から紙を取り出す。
この手紙に、結果が書かれているのだ。一週間前に二人で受けた、声優養成所入所オーディションの結果が。
つまり、声優養成所に入れるかどうかがわかる。声優志望のちとせは緊張して当然だ。
でも、なぜか、声優志望ではないはずの私の胸も、どくんどくんと音を立てていた。
「八重花ちゃん、『せーの』で見よ!」
「う、うん」
「……せーの!」
…………数秒して、
「きゃあ~~~っ!」
ちとせが歓声を上げた。彼女は万歳したりぴょんぴょんはねたり、全身で喜びを表現している。
養成所に合格したのは一目瞭然だった。
「やったー! 養成所に入れるんだ~! 嬉しい~! ……はっ! や、八重花ちゃんは!?」
一言も発さない私の様子に彼女は我に返る。
「……ちとせ、おめでと。私はだめだったみたい」
私はにこっと笑ってみせた。
「ま、当然だけどねー。ちとせに付き合って受けただけだから」
「八重花ちゃん……」
心配そうな顔をするちとせを前に、私はなんてことはない、という調子で続ける。
「良い記念になった。誘ってくれてありがとう。私に遠慮しなくていいから、もっと喜んでよ!」
「……八重花ちゃん、隠してる。ほんとの気持ち」
ちとせは眉根を寄せ、私の顔をのぞき込んだ。
「そんなことない。私は別に声優志望じゃないしさ」
「……私、前よりもわかるようになってきた。八重花ちゃんが自分の気持ちを隠してるかどうか。八重花ちゃんは今、本当の気持ちを隠してます。気持ちを隠されて、私はすご~く悲しいです」
「……」
ちとせの瞳に、自分の顔が映っていた。
情けない顔が。泣き出しそうな顔が。
ああ、これ以上は隠し通せない。
私は、白状することにした。
私たちは、河川敷に集合していた。それぞれの自宅に届いた未開封の封筒を持参して。
「そ、それじゃあ開けるよ……っ」
手をプルプルと震わせながら、ちとせが封筒を開ける。中から取り出されたのは、三つ折りに畳まれた紙だ。
私も同じように、自分宛ての封筒から紙を取り出す。
この手紙に、結果が書かれているのだ。一週間前に二人で受けた、声優養成所入所オーディションの結果が。
つまり、声優養成所に入れるかどうかがわかる。声優志望のちとせは緊張して当然だ。
でも、なぜか、声優志望ではないはずの私の胸も、どくんどくんと音を立てていた。
「八重花ちゃん、『せーの』で見よ!」
「う、うん」
「……せーの!」
…………数秒して、
「きゃあ~~~っ!」
ちとせが歓声を上げた。彼女は万歳したりぴょんぴょんはねたり、全身で喜びを表現している。
養成所に合格したのは一目瞭然だった。
「やったー! 養成所に入れるんだ~! 嬉しい~! ……はっ! や、八重花ちゃんは!?」
一言も発さない私の様子に彼女は我に返る。
「……ちとせ、おめでと。私はだめだったみたい」
私はにこっと笑ってみせた。
「ま、当然だけどねー。ちとせに付き合って受けただけだから」
「八重花ちゃん……」
心配そうな顔をするちとせを前に、私はなんてことはない、という調子で続ける。
「良い記念になった。誘ってくれてありがとう。私に遠慮しなくていいから、もっと喜んでよ!」
「……八重花ちゃん、隠してる。ほんとの気持ち」
ちとせは眉根を寄せ、私の顔をのぞき込んだ。
「そんなことない。私は別に声優志望じゃないしさ」
「……私、前よりもわかるようになってきた。八重花ちゃんが自分の気持ちを隠してるかどうか。八重花ちゃんは今、本当の気持ちを隠してます。気持ちを隠されて、私はすご~く悲しいです」
「……」
ちとせの瞳に、自分の顔が映っていた。
情けない顔が。泣き出しそうな顔が。
ああ、これ以上は隠し通せない。
私は、白状することにした。
