皇衛の一日~とつきの花嫁スピンオフ~

その後も皇民の皆さんの困りごとなどを聞いて仕事を続ける。

「銀行に(ぬえ)の一団が押し入りました!」

その一報で、警邏署に緊張が走った。

「出動!」

「はっ!」

上司の号令で留守番を残し現場へと向かう。
到着した銀行では鵺が妖の姿になり、蛇の尻尾で人質を巻き上げ、不気味な声を上げていた。

妖の姿になられては人間の皇衛には歯が立たない。
僕らは周辺の人や妖の避難に徹する。

「はーっ!」

鵺が息を吐くと黒い霧が漂ってきた。

「毒霧だ!」

「吸うな!
鼻と口を覆え!」

現場は混乱を極め、力の弱い妖から毒霧の影響で倒れていく。

「不甲斐ない」

後方に下がった妖の皇衛は悔しがっているが、仕方ない。
鵺の毒霧は一時的に身体の自由を奪うのだ。

毒霧のせいで手を出しかねているあいだに、銀行内では仲間が金を奪うなどやっているようだった。

鵺と皇衛の睨みあいが続く。
膠着した時間を破ったのは虎渡大将だった。

「すまん、遅くなった」

車から降りてきた大将が白手袋を嵌める。
後ろに控える秋月秘書官から刀を受け取り、鵺の前に立った。

「白虎」

「グォーッ!」