三軍のクラス観察日記

4月10日水曜日

出席番号3番、上野 美月。(うえの みづき)
クラスの中で、ちゃんとしている側の人だ。

ちゃんとしているっていうか、落ち着いている。
騒がない。
無駄に騒がない。
なのに、ちゃんと存在感がある。

ああいう人、たまにいる。
べつに前に出ているわけじゃないのに、なんとなく空気が整う人。

すごく優しいとか、すごく明るいとか、そういうわかりやすい派手さはない。
でもたぶん、話したら普通にちゃんと返してくれる。
そういう安心感がある。

見た目もきれいめ。
派手ではないけど、ちゃんとしている。
髪も制服も、朝から全部ちゃんとしてそう。
えらい。
私は月曜日の朝、前髪の機嫌を取るだけでわりと精一杯。

しかも、ああいう人に限って持ち物も整っている。
プリント折れてなさそう。
筆箱の中、たぶん平和。
私の筆箱とは、治安が違う気がする。

べつに話したことはない。一度も。
ないけど、優しそうなオーラを放っている。

こういう人がクラスにいると助かる。
陽斗みたいな朝から声量が体育祭な人だけだと、普通に教室がうるささで満員になるだけだし。

たぶん上野さんは、そういう騒がしさを少し遠くから見てる側だ。
見ているだけで、首を突っ込まない。
その感じがちょっと好きなのかもしれない。
平和だから。