「にしても、みんなのアイドル、か……」 丸っこいけれど存在感のあるフォントで書かれたその文を、さらりと撫でる。 私を含めたファンは動画やテレビで瞬くんを見ることが出来る。 でも瞬くんは違って、大げさかもしれないけど星の数ほどいるファンの中に、私――愛野(あいの)絃香(いとか)がいることは知らない。 私はこんなに大好きなのに、って悲しくなることはたくさんある。 でも、冷静に考えれば当たり前のことで。 見返りなんか求めず、私は〝大好き〟って気持ちのままに瞬くんを推していけばいいんだと思う。