>織田N:今日は招待して頂いてありがとうございました。ライブで見ることができて、色々と勉強になりました。本当に感謝です。
>ヒマ人:ボクも見に行っちゃったよ。いやースゴイね。サスペンスドラマやホラー映画とはまったく違うね。感情の昂ぶりと、鬼気迫る表情。まだまだボクにはできないなあ。
>警察官:オマエ達、あの現場にいたんだな。オレは管轄が違うが、もう大騒ぎだぜ。人通りが多い駅前で、刃物でメッタ刺しにした挙げ句、本人は集った野次馬や警察の目の前で自決だからな。県警はもう大変なことになってるぞ。どう考えても止めることはできなかったと思うが、本庁のお偉いさんには現場の事情なんて関係ないからな。県警のトップと所轄の署長は左遷だなあ。
>ミカエル:テレビでは速報のテロップが流れたわ。今のところ、メディアは正確な情報を入手できていないようね。正義であるはずの男性がストーカーのように扱われて、男性が交際を断られたことを恨んでの犯行という報道ばかり。無能なメディアには心底ガッカリね。とはいえ、現在はインターネット社会だから、明日には英雄になっていると思うけれど。
>シリアル:私も現場に行っていましたよ。事前の話では自殺するという事にはなっていなかったので、少し驚きましたけど。しかし、あれはあれで、ひとつの完成形だと思います。本人も熟考した上での選択なので、彼の正解なのでしょう。
彼の正解は、あくまでも彼のもので参考にはなりません。
7年前、20年以上愛してきた相方の不倫現場を目撃しました。愛情が深いだけ、その裏切り行為を赦すことはできませんでした。自責の念に駆られて一時は自殺も考えましたが、どう考えても私が死ぬ必要性が理解できませんでした。それならば、どうしても赦すことができないのであれば、自分の代わりに相手に消えてもらうしかありません。
しかし、簡単に割り切れるものではありません。倫理感は簡単には壊れるものではないのです。ですから、相手には社会的に死んで頂きました。相方は不倫を告発されたことにより勤務先を退職せざるを得なくなり、近くの介護施設に転職しました。それ以降、生活態度も改め、静かに生活をしているようです。だからといって、裏切り行為の罪が消えることはありません。罪には罰が必要です。全身全霊を傾けた愛とバランスが取れるものは、生命しかありません。
それでも、人を殺すことができず、小さい物から少しずつ慣らし、最終的に5人を練習台にしたので経験も十分に積んだと思います。ミスをする可能性はほぼありません。6人目は、当事者である不倫相手です。あの頃はまだ躊躇もしましたが、今の私にはそのような考えは微塵もありません。そして、最後の7人目が相方です。
ただ、ずっと、2人の子供達のことだけが気掛かりでした。
母が父に殺される現場を目撃すると、さすがに泣き叫ぶと思います。私のことも決して赦してはくれないでしょう。父親として、娘に怨まれることも、泣かれることも本意ではありません。ですから、どうすれば良いのか、ずっと考えていたのです。
>シリアル:それで、織田Nさんは、これからどうするのですか?
>織田N:そうですね、今回のことで色々と分かったことがあります。考えられませんが、元彼や元親友にも2人を大切に思い、愛している人達がいます。もし、私が2人を殺してしまった場合、あの母親のように泣き叫んだり、私を一生怨み続けたりするでしょう。いくら2人が相応の罪を犯したと説明をしても、納得するとは思えません。
>シリアル:そうでしょうね。それで?
>織田N:ソレを先に始末してしまえば良いのです。
2人よりも先に周囲にいる人達を殺しておけば、何の問題もありませんから。
>シリアル:なるほど、それが織田Nさんの正解ですか。ありがとうございます。
「朱音、晩ご飯にするから、お父さんと姉ちゃんを呼んできてくれる?」
「ええ、ああ、うん、分かった」
>織田N:すいません、晩ご飯なので落ちます。みなさん、今日もありがとうございました。
>シリアル:私も晩ご飯のようなので、これで失礼します。
>モミジとアカネ、どちらからにする?
~ fin ~



