>織田N:ありがとうございます。なんだか、大丈夫な気がしてきました!!
確かに、殺人事件は多いのに、犯人が捕まったというニュースはあまり聞かない。そういえば、何かの記事に殺人事件の検挙率は90パーセント程度だと載っていた。10人に1人は逮捕されていない。確率が低そうに見えるが、それは大きな間違いだ勘違いだ。いや、視点が違うと言えばいいのかな。現行犯、自首、恋人や家族、職場での人間関係が原因というのであれば、逮捕はあっという間にできてしまう。それを込みでの90パーセントということは、最初から逃亡するつもりで計画を練っている犯人の捕まる確率はグッと低いはずだ。
大丈夫。場所や方法、それに明確なアリバイを作っておけば、何の憂いもなく罪を償わせることができる。
>ミカエル:アタシも助力は惜しまないし、貴方が正義である限り例え最後の一人になったとしても見捨てたりしないと誓うわ。
>シリアル:皆様の見解は概ね正しいと思います。テレビドラマなどでは完全犯罪は非常に困難であるとされていますが、実際にはそれほど大変なことではありません。実際に私も実行してみましたが、事前に監視カメラの位置を確認し、映らない範囲を記入した地図を作成する、もしくは何度も服装を変えるなどの偽装をすれば意外と簡単に無関係な人達の中に紛れ込むことが可能です。要は事前準備が重要ということですね。
シリアルさんの発言を確認し、私は何度も頷いた。確かにその通りだと思い、自分の中にあった靄が晴れていく感覚があった。
>警察官:シリアルさんよう、何か凄いこと言ってるんだけど大丈夫か?
>シリアル:特に問題ありません。ここでの会話が証拠にはなしませんし、特定することも不可能ですからね。
>警察官:まあ、そうんなんだけどな。
2人の会話を眺めていた私は、もう一度シリアルの発言を確認した。そして、それを理解したときに目を見開いた。と同時に、目の前がこれ以上ないほどに明るくなった。実際に私も実行してみましたが。
>ヒマ人:それで、どう殺ることになったの?方法を決めないと、先に進めないと思うんんだけど。ああ、僕の意見なんか誰も聞いてなかったよね。誰も僕の話なんか聞きたくないよね。分かってる。分かってるよ。ごめん、ごめんなさい。
>ミカエル:的を射た質問ですわね。その方針を決定しないと準備をすることもできないわ。ひとまず、間接的か、直接的をどうするの?もう一度言うけれど、間接的というのは毒や薬品を使うか、闇サイトに依頼するなどね。自分は結果だけを受け取り、第三者の立場で外から眺めるだけ。直接的というのは、自分が刺す、絞める、押す。当然だけれど満足感も充実感も保障できる方法ね。ただ、リスクと充足感は反比例するわ。
昨日までの私であれば、リスクを避けて間接的な方法にしたと思う。だけど、2人の背中を押すことを考えた今日の私は迷わない。
>織田N:当然、自分の手で罰を与えます。そうでなければ意味がありませんから。
>警察官:本官の前で堂々と殺人予告かよwww だが、その心意気はいいな!!よし、警察の情報をある程度流してやろう。
>織田N:え?警察官さんは、本当に警察関係の方なんですか?
>警察官:そうだぜ?なに?コスプレして徘徊している偽物かと思ったのか?警察手帳も持ってるぞ。見せないけどな。
>シリアル:警察官さんは本物ですよ。少し前にある部屋でご一緒しましたが、警察しか知り得ない情報を公開していましたから。実際に、その部屋のスレ主は未だに逮捕されていません。いかに信憑性の高い情報なのか立証されていますよ。
>織田N:それは本当に力強いです。警察官さん、よろしくお願いします!!
逮捕されていないという言葉は、何にも勝る安心材料だ。今後どうするのかを決めた時点で、正しい被害者である私が、悪によって裁かれることがないゴールを目指すしかない。歪んだ法律の届かない場所で、脳ミソが腐った2人に天罰を与えてみせる。
でも、私にあの背中を押すことができるのだろうか。今日みたいに躊躇うことなく、私に実行できるのだろうか。やはり、長年培われてきた理性が働いてしまう。無意識のうちに、範を越えられず縁を歩いてしまう。最後の一線は線ではなく大河だ。
>シリアル:そんなに肩肘を張らなくても、順を追って取り組めば不安は解消されます。その方法についてもサポートしていきますから大丈夫ですよ。
色々と気になることはあると思いますが、先ず方法を決めて下さい。大事なことなのでもう一度言いますが、刺す、絞める、押すが基本です。ただ、この中の「絞める」は現実的ではありません。相手が男性であれば、余ほど虚を突く必要があります。そうでなければ、ほぼ100パーセントの確率で反撃されてしまいますから。ですから、現実的には刺すか押すになりますね。そもそも、この2つが簡単で準備も容易です。
刺身包丁やサバイバルナイフで刺す。
もしくは、駅のホームや校舎の屋上で背中を押す―――――か。



