「うう…陶揮ぃ…成長したな、父さん嬉しいぞっ…」
「いや__」
「きーくん…早いわ、こんなに早く親元を離れてしまうなんて…いや、子どもの夢を応援するのは親の努めっ…頑張ってね」
「いや待ってくれ、父さん、母さん何があったんだよ…?」
陶揮の父と母は何故か涙ぐんでるし、頑張ってと応援もされた。
(…説明をしてくれ…?)
なんでこう、陶揮の周りには説明をすっぽかす方々が多いのだろうか。
(…晃介といい、花乃といい、月詠さんといい、父といい、母といい、なんでこう…、ってか待てよ?いま出てきてる人全員じゃないか…?)
もう考えるのもめんどくさくなってしまった陶揮は現実逃避でいらぬことを考える。
「きーくん、月詠さんっていう凄腕マネージャーさんに推薦されたのでしょう⁉そしてそういう学園に入るって…」
「え」
「陶揮…」
「ちょ」
話が勝手に進められている。
(…ってか、父さんたちには伝えていないはずだけど…っっ、まさかっっっ…)
ズバッと花乃の方向を見る。
花乃はニヤニヤしながら成り行きを見守っている。
「花乃っっ‼‼‼」
「…いや?あたしは必要なことを保護者様に伝えさせてもらっただけだよ?」
花乃はサラッと返すが、確信犯だ。
(…こいつっ…)
睨みを効かせながら、陶揮は父達を見る。
「「頑張れよっ‼‼‼」」
そうして陶揮は、どうにもこうにも断れなくなってしまった。
「なんで自分が…」
_________________________________________________________________________________________________________________________
「あ゙〜」
うなだれながら道を歩く陶揮。
陶揮は真新しい制服を着ている。
その制服こそ『望早学園』の制服。
白と黒の陰陽がはっきりしていて、生地がいかにも高級品と物語っている。
また、足の長い人が着ればその長さを一層表すように、スタイルのいい人しか似合わない。
さすがアイドルを専門に育成する学園。
制服にもその気質が出ている。
(あ〜、逃亡したい…やっぱ入るなんて言わなきゃよかった…)
今更後悔しても遅い。
そう嘆きながらも方向音痴の陶揮はナビの案内に従う。
『目的地につきました。音声案内を終了します』
ナビが案内を終了したらしい。
陶揮は視線を前に上げて、思わず驚愕に目を見開いてしまう。
「ここ、か?」
目の前にあるのはものすごくでかい、いや、もはや豪邸か?城?というほどの建物がそびえ立っている。
そのまま、おずおずと学園に足を踏み入れる。
現在は登校時間で、生徒も多い。
『望早学園』。
小中高合わせて全校生徒500人弱の超少ない学校。
その代わり一人ひとり指導されることができ、望早学園出身のアイドルグループのほとんどが大ブレイクする。
だからこの学校で見たことない人間がいることは少ない。
周りの人も、訝しみながら陶揮を見てくる。
(見られたくない…)
その時、カバンの中でヴーとスマホがなった。
取り出し見てみると、月詠さんからメールが来ていた。
『望早学園についたら、学園長室へ行ってください。人が比較的少ない通り道は2号館です』
(…心強いっす、月詠さんっ…‼‼‼)
月詠さんは陶揮をわかっている。
陶揮が人の多いところが苦手とわかってくれているのだろう。
さすが凄腕マネージャー。
「行くか…」
ポツリと言葉をこぼした。
「迷った」
この一言に尽きた。
(忘れていた、自分が方向音痴なことを)
陶揮ははぁ…とため息を付きながら、廊下をさまよい歩く。
(学園長室ってどこだよ)
校舎内マップを探しているのだが、なかなかに見つからない。
もはや、出口も見つからない。
頼る瀬なく、トボトボと歩くが、廊下の電球もチカチカして暗くなっている。
その時、不意に後ろから声をかけられた。
「ん?あれぇ、こんなとこでどうしたんですかぁ?この先、行き止まりですよぉ?」
「っ⁉」
びっくりし、後ろを振り向くとそこには陶揮と同じ服を着た、望早学園の生徒らしき人が立っている。
それもかなりのイケメンだ。
身長は恐らく180センチはあるだろう長身、それでいてスタイルはよく白い制服に足の長さが映えている。
お顔の方も、豆粒か、と思うほど小顔で、白く手入れが行き届いているお肌、それに似合う二重の少しタレ目がちな瞳に、センター分けが加わることにより、なんとも言えない抽象性が出ている。
(やばい、綺麗すぎて現実逃避をしてしまったではないか)
ハッと意識を取り戻した陶揮は、喋りかけてきたその男子生徒に遅れを取って聞き返した。
「…この先、行き止まりなんですか?」
「うん、そうですよぉ」
男子生徒は優しく答えてくれる。
喋り方に少し独特があるが、気にしないでおこう。
男子生徒はなぜか、陶揮の事をじっと見ている。
その視線にいたたまれなくなり、おずおず聞き返す。
「何でしょう、か」
「あぁ〜〜‼‼」
そうすれば、男子生徒は何かを思い出したみたいに、陶揮をビシリと指さした。
「なんか見たことあったと思ったら君ぃ、あの不正オーディションに出てた、歌めっちゃ上手い子じゃないですかぁ‼」
「はっ?」
「そんな子がなんでこんなとこにいるんですかぁ?…でも、望早の制服着てるしぃ…まさか転入してきたとかですかぁ⁉」
男子生徒は興奮したように陶揮に攻め寄る。
いきなりの言葉責めに慣れていない陶揮は、アワアワ手を振るしかない。
「あ、あの、自分、迷って…」
「ふんふん。迷ったんですかぁ〜?じゃぁ、僕でよかったら案内してあげますよぉ〜」
綺麗なお顔が眼前にあり、頬を染めてしまう。
男子生徒はニコニコしながら陶揮の手を取った。
「あ、ありがとうございます」
男子生徒と陶揮は学園長室案内してくれる間に少し話をした。
男子生徒の名前は西野マアイと言うらしい。
マアイは、陶揮が転入するアイドル科専攻の生徒ならしく、あのオーディションを見ていたらしい。
その過程で陶揮の事も知ったそうだ。
「大変ですねぇ、一般人から芸能学校に入学なんてぇ」
「…気が重いばかりです」
そんな他愛もない話をしていたら、学園長室へついた。
「あ、ありがとうございました、助かりました」
「いえいえ〜、貸1ですよぉ〜?」
「ふ、わかりました。またお返します」
そうしてマアイと別れたあと、ぽつんと学園長室の前にいる。
(入るか…)
心に決め、ドアを開ける。
「…し、失礼します」
真ん中のデスクに座っていたのは、優しげな好青年だった。
その好青年はゆっくりと口を開く。
「こんにちは、佐久間陶揮さん」
「…っはい」
その流れるような声に思わず聞き惚れてしまう。
「私は望早学園の学園長、笹凪という。よろしく」
「…よろしく、お願いします」
陶揮がおずおずと返事を返すと、笹凪さんはニコリと笑う。
そのほほえみさえもこの世の終わりか、と思うほど美麗で甘美だ。
陶揮はそんな人間離れした美貌に思わず固まってしまった。
「君のことは、月詠から聞いているよ。ようこそ、望早学園へ」
「は、はい」
「さて、ではまず、この学園について説明しようか」
そして手元に冊子が置かれた。
「『私立望早学園』。生徒数、初等科256人、中等科148人、高等科108人、計512人。普通科・プロデュース科・アイドル科・舞台設計科の4科専攻式。君が転入するのはアイドル科だ」
「…はい」
さささーと説明をしてくれる。
さすが学園長といったところか。
笹凪はゆるゆるとしながらもしっかりしている。
「アイドル科といっても、基本勉強は普通科・プロデュース科・舞台設計科といっしょにする」
「え、違う学科なのにですか?」
「ああ。この学校では交流が大事だと考えている。普段から違う学科と関わることで、コミュニケーション能力の向上を期待しているんだ」
(面白い考え…だけど、、交流・コミュニケーション…か、自分のいちばん苦手な系だ…)
心の隅で思いながらもしっかりしなければと気を持ち直す。
「君は学年1年2組だ。アイドル科はクラスAだ」
「勉強と学科のときでクラスが変わるんですか?」
「そうだよ。勉強では何年何組、基本的な表記だが、アイドル科では基本的に学年は関係ない。いわゆる、実力主義だ。Dクラスが言っちゃ悪いが落ちこぼれ、C・Bが普通ライン、Aが良好ライン、特待生の殆どはもうアイドルデビューをしている」
「…すごいですね」
思わず感心の声が漏れる、が、そこではたまた気づいてしまった。
「なんで初心者がAクラスに居るんですか?立場的にDクラスでも文句は言えないはずじゃ…」
「あ〜、それはね、君、アイドル協会からも推薦されちゃってるし、更にはもと伝説のアイドルの敏腕マネージャーさんからもだよ?特待クラスに入れたがってた人はいっぱいいたんだけどね、とりあえず君には様子見でAに入ってもらうんだよ」
「はぁ…」
「今後の出来次第で、Dクラス落ちになるかもしれないし、特Aクラス昇進にもなるかもしれない」
サラッと恐ろしいことを口に出した笹凪はにっこにっこしながら陶揮を脅す。
そんな笹凪に思わず陶揮の顔も青くなる。
「グループは自由に作れるけど、私の承諾が必要だ。もし作ったら私まで申請に来ると良い」
「あ、ハイ」
「さて、もうすぐ、通常授業が開始するから教室棟へ行ってくると良い。…1年2組だよ?」
「…っ」
どうやら、笹凪は陶揮がこの学園で初っ端から迷子になったのを知ってるようだった。
陶揮は苦笑いを浮かべながら、頷いた。
「いや__」
「きーくん…早いわ、こんなに早く親元を離れてしまうなんて…いや、子どもの夢を応援するのは親の努めっ…頑張ってね」
「いや待ってくれ、父さん、母さん何があったんだよ…?」
陶揮の父と母は何故か涙ぐんでるし、頑張ってと応援もされた。
(…説明をしてくれ…?)
なんでこう、陶揮の周りには説明をすっぽかす方々が多いのだろうか。
(…晃介といい、花乃といい、月詠さんといい、父といい、母といい、なんでこう…、ってか待てよ?いま出てきてる人全員じゃないか…?)
もう考えるのもめんどくさくなってしまった陶揮は現実逃避でいらぬことを考える。
「きーくん、月詠さんっていう凄腕マネージャーさんに推薦されたのでしょう⁉そしてそういう学園に入るって…」
「え」
「陶揮…」
「ちょ」
話が勝手に進められている。
(…ってか、父さんたちには伝えていないはずだけど…っっ、まさかっっっ…)
ズバッと花乃の方向を見る。
花乃はニヤニヤしながら成り行きを見守っている。
「花乃っっ‼‼‼」
「…いや?あたしは必要なことを保護者様に伝えさせてもらっただけだよ?」
花乃はサラッと返すが、確信犯だ。
(…こいつっ…)
睨みを効かせながら、陶揮は父達を見る。
「「頑張れよっ‼‼‼」」
そうして陶揮は、どうにもこうにも断れなくなってしまった。
「なんで自分が…」
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「あ゙〜」
うなだれながら道を歩く陶揮。
陶揮は真新しい制服を着ている。
その制服こそ『望早学園』の制服。
白と黒の陰陽がはっきりしていて、生地がいかにも高級品と物語っている。
また、足の長い人が着ればその長さを一層表すように、スタイルのいい人しか似合わない。
さすがアイドルを専門に育成する学園。
制服にもその気質が出ている。
(あ〜、逃亡したい…やっぱ入るなんて言わなきゃよかった…)
今更後悔しても遅い。
そう嘆きながらも方向音痴の陶揮はナビの案内に従う。
『目的地につきました。音声案内を終了します』
ナビが案内を終了したらしい。
陶揮は視線を前に上げて、思わず驚愕に目を見開いてしまう。
「ここ、か?」
目の前にあるのはものすごくでかい、いや、もはや豪邸か?城?というほどの建物がそびえ立っている。
そのまま、おずおずと学園に足を踏み入れる。
現在は登校時間で、生徒も多い。
『望早学園』。
小中高合わせて全校生徒500人弱の超少ない学校。
その代わり一人ひとり指導されることができ、望早学園出身のアイドルグループのほとんどが大ブレイクする。
だからこの学校で見たことない人間がいることは少ない。
周りの人も、訝しみながら陶揮を見てくる。
(見られたくない…)
その時、カバンの中でヴーとスマホがなった。
取り出し見てみると、月詠さんからメールが来ていた。
『望早学園についたら、学園長室へ行ってください。人が比較的少ない通り道は2号館です』
(…心強いっす、月詠さんっ…‼‼‼)
月詠さんは陶揮をわかっている。
陶揮が人の多いところが苦手とわかってくれているのだろう。
さすが凄腕マネージャー。
「行くか…」
ポツリと言葉をこぼした。
「迷った」
この一言に尽きた。
(忘れていた、自分が方向音痴なことを)
陶揮ははぁ…とため息を付きながら、廊下をさまよい歩く。
(学園長室ってどこだよ)
校舎内マップを探しているのだが、なかなかに見つからない。
もはや、出口も見つからない。
頼る瀬なく、トボトボと歩くが、廊下の電球もチカチカして暗くなっている。
その時、不意に後ろから声をかけられた。
「ん?あれぇ、こんなとこでどうしたんですかぁ?この先、行き止まりですよぉ?」
「っ⁉」
びっくりし、後ろを振り向くとそこには陶揮と同じ服を着た、望早学園の生徒らしき人が立っている。
それもかなりのイケメンだ。
身長は恐らく180センチはあるだろう長身、それでいてスタイルはよく白い制服に足の長さが映えている。
お顔の方も、豆粒か、と思うほど小顔で、白く手入れが行き届いているお肌、それに似合う二重の少しタレ目がちな瞳に、センター分けが加わることにより、なんとも言えない抽象性が出ている。
(やばい、綺麗すぎて現実逃避をしてしまったではないか)
ハッと意識を取り戻した陶揮は、喋りかけてきたその男子生徒に遅れを取って聞き返した。
「…この先、行き止まりなんですか?」
「うん、そうですよぉ」
男子生徒は優しく答えてくれる。
喋り方に少し独特があるが、気にしないでおこう。
男子生徒はなぜか、陶揮の事をじっと見ている。
その視線にいたたまれなくなり、おずおず聞き返す。
「何でしょう、か」
「あぁ〜〜‼‼」
そうすれば、男子生徒は何かを思い出したみたいに、陶揮をビシリと指さした。
「なんか見たことあったと思ったら君ぃ、あの不正オーディションに出てた、歌めっちゃ上手い子じゃないですかぁ‼」
「はっ?」
「そんな子がなんでこんなとこにいるんですかぁ?…でも、望早の制服着てるしぃ…まさか転入してきたとかですかぁ⁉」
男子生徒は興奮したように陶揮に攻め寄る。
いきなりの言葉責めに慣れていない陶揮は、アワアワ手を振るしかない。
「あ、あの、自分、迷って…」
「ふんふん。迷ったんですかぁ〜?じゃぁ、僕でよかったら案内してあげますよぉ〜」
綺麗なお顔が眼前にあり、頬を染めてしまう。
男子生徒はニコニコしながら陶揮の手を取った。
「あ、ありがとうございます」
男子生徒と陶揮は学園長室案内してくれる間に少し話をした。
男子生徒の名前は西野マアイと言うらしい。
マアイは、陶揮が転入するアイドル科専攻の生徒ならしく、あのオーディションを見ていたらしい。
その過程で陶揮の事も知ったそうだ。
「大変ですねぇ、一般人から芸能学校に入学なんてぇ」
「…気が重いばかりです」
そんな他愛もない話をしていたら、学園長室へついた。
「あ、ありがとうございました、助かりました」
「いえいえ〜、貸1ですよぉ〜?」
「ふ、わかりました。またお返します」
そうしてマアイと別れたあと、ぽつんと学園長室の前にいる。
(入るか…)
心に決め、ドアを開ける。
「…し、失礼します」
真ん中のデスクに座っていたのは、優しげな好青年だった。
その好青年はゆっくりと口を開く。
「こんにちは、佐久間陶揮さん」
「…っはい」
その流れるような声に思わず聞き惚れてしまう。
「私は望早学園の学園長、笹凪という。よろしく」
「…よろしく、お願いします」
陶揮がおずおずと返事を返すと、笹凪さんはニコリと笑う。
そのほほえみさえもこの世の終わりか、と思うほど美麗で甘美だ。
陶揮はそんな人間離れした美貌に思わず固まってしまった。
「君のことは、月詠から聞いているよ。ようこそ、望早学園へ」
「は、はい」
「さて、ではまず、この学園について説明しようか」
そして手元に冊子が置かれた。
「『私立望早学園』。生徒数、初等科256人、中等科148人、高等科108人、計512人。普通科・プロデュース科・アイドル科・舞台設計科の4科専攻式。君が転入するのはアイドル科だ」
「…はい」
さささーと説明をしてくれる。
さすが学園長といったところか。
笹凪はゆるゆるとしながらもしっかりしている。
「アイドル科といっても、基本勉強は普通科・プロデュース科・舞台設計科といっしょにする」
「え、違う学科なのにですか?」
「ああ。この学校では交流が大事だと考えている。普段から違う学科と関わることで、コミュニケーション能力の向上を期待しているんだ」
(面白い考え…だけど、、交流・コミュニケーション…か、自分のいちばん苦手な系だ…)
心の隅で思いながらもしっかりしなければと気を持ち直す。
「君は学年1年2組だ。アイドル科はクラスAだ」
「勉強と学科のときでクラスが変わるんですか?」
「そうだよ。勉強では何年何組、基本的な表記だが、アイドル科では基本的に学年は関係ない。いわゆる、実力主義だ。Dクラスが言っちゃ悪いが落ちこぼれ、C・Bが普通ライン、Aが良好ライン、特待生の殆どはもうアイドルデビューをしている」
「…すごいですね」
思わず感心の声が漏れる、が、そこではたまた気づいてしまった。
「なんで初心者がAクラスに居るんですか?立場的にDクラスでも文句は言えないはずじゃ…」
「あ〜、それはね、君、アイドル協会からも推薦されちゃってるし、更にはもと伝説のアイドルの敏腕マネージャーさんからもだよ?特待クラスに入れたがってた人はいっぱいいたんだけどね、とりあえず君には様子見でAに入ってもらうんだよ」
「はぁ…」
「今後の出来次第で、Dクラス落ちになるかもしれないし、特Aクラス昇進にもなるかもしれない」
サラッと恐ろしいことを口に出した笹凪はにっこにっこしながら陶揮を脅す。
そんな笹凪に思わず陶揮の顔も青くなる。
「グループは自由に作れるけど、私の承諾が必要だ。もし作ったら私まで申請に来ると良い」
「あ、ハイ」
「さて、もうすぐ、通常授業が開始するから教室棟へ行ってくると良い。…1年2組だよ?」
「…っ」
どうやら、笹凪は陶揮がこの学園で初っ端から迷子になったのを知ってるようだった。
陶揮は苦笑いを浮かべながら、頷いた。


