「ああああああ!なんで『時間制限』⁉」
ガコンと器を置いて泣き叫んでいるのは憐だ。
「お、落ち着いて⁉ほらほら、ミックスジュースだよ?」
「うぐうぅ…」
陶揮は荒れる憐にソフトドリンクを差し出す。
憐は涙ぐみながらぐびぐびと飲み干す。
「ほっとけ〜?陶揮、憐のグダグダに律儀に付き合うなよ〜?身が持たない」
「け、けど…落ち込んでるから…」
士が苦笑いしながら憐にコツンと拳を乗せる。
あのあと、結局陶揮のチームは時間制限を過ぎてしまい、一発アウト、最下位になってしまった。
そして見事に焼き肉は陶揮のチームのおごりになった。
そして現在、打ち上げ焼き肉中だ。
「ひゃああああ!焼き肉美味しいいいい!」
「黙れ、亮!ほんっとうに迷惑だから‼」
遼河叫び暴れているのを止める和樹。
「あああ!」
「うおおおお!」
「お前ら黙れーーー‼‼」
叫ぶ亮と憐に容赦なくげんこつを落とす。
「相変わらず陶揮くんは優しいですねぇ〜?そこがいいところですよぉ〜」
「くっそぉぉぉ、一位チームは優雅でいいっすねぇ⁉」
荒れる憐に他のものがくすくす笑う。
すると、個室のドアがガラガラと開く。
「おお、やってんね〜」
「失礼します」
「憐〜?他人に迷惑かけてないか〜?」
「めっちゃ声外に漏れ出てたぞ」
ドアから入ってきたのはあからさまに仕事帰りの会社員らしき男女4人だった。
その中に憐の兄、玲もいた。
その男女達を見て、和樹がホッとしたような顔をした。
「柏さん達…やっときてくれた…」
「はいはい、和樹くんよく耐えた。ここからはまかせんしゃい!」
和樹の疲れた視線に労りを向けた、柏と呼ばれた男性は手をひらひらと降る。
「わーい!おやっさんだ〜〜!」
「わーい!」
「は〜い、まず亮くんと憐くんはボリューム下げようか」
柏はどうどう、というように亮と憐の頭を撫でる。
「相変わらずの手際ですね、夜凪さんは」
「すごいです!」
「はは、ここまで来ると慣れてくるもんですのでね…」
その様子に、一人ポカンとした様子の陶揮。
(まずい、おいていかれてるっ⁉)
けれど、途中参加でやってきた人の中で、陶揮が知っているのは玲ぐらいしかいない。
そんな様子に気づいたのか、憐が手を上げた。
「陶揮に自己紹介してくださいっす!なんかどう反応していんのかビミョーな反応してるっすよ」
「あぁ、そういえば、全く話したことなかったけ?」
玲が思い出したように手を叩いた。
それを聞いて他の人達がビビる。
「一ノ瀬、まさか何も話してないのか⁉」
「あ〜、ごめんごめん忘れてたわ〜w」
眼鏡の男性がはぁ…とため息を付く。
「面目ない、確か…佐久間くんだったよな?こんな見知らぬおっさんたちの無様な会話で視界を汚してしまい済まない。私は『PHASS』のマネージャーをしている伊織 聖亜樹という。これからよろしくお願いしたい」
「は、はい!えっと…佐久間 陶揮です、お願いします」
メガネの男性…聖亜樹は堅苦しい喋り方をしながらも、どこか安心できる要素がある。
(…『PHASS』って可愛い系だよな…?)
昭和の延長線かと思うくらい堅苦しく、一瞬『PHASS』の売りを見失った。
「んもう、そんな堅苦しくちゃ、陶揮くんもビビっちゃうよー?」
「そ、そうか?私はどうも売り笑いというのができないらしい。すごいな、一ノ瀬は売り笑いが上手だ」
「喧嘩売ってるのかな…?」
「滅相もない」
色々怖い会話が耳から入ってくるが、人柄は認識できた。
(…伊織 聖亜樹、天然記念物)
脳内で完結させてると、先程の柏が陶揮の隣りに座った。
「ごめんね、騒がしくて。俺は柏 夜凪。『COUNT』のマネしてる。みんなにはおやっさんって呼ばれてるけど、好きなように呼んでね。あ、枝豆食べる?」
「ありがとうございます…いただきます」
陶揮は夜凪が差し出してきた枝豆を一つつまむ。
その様子を夜凪は微笑みで見守る。
(…柏 夜凪、普通にいい人)
要するに、陶揮の夜凪に対する第一印象は結構高かった。
「あ、真宙くんも浅見さんもおいでよ。枝豆あるよ?」
「枝豆はどうでもいいですが、自己紹介をしたいので行きます!」
「ちょっと待って、柑菜ちゃん!走ったら裾踏んづけちゃうよ⁉」
慌ただしく陶揮の方へやってくる、男女。
「こんにちは、私は『SNOW・SNOW』のマネージャーをしている、浅見 柑菜といいます」
「すのーすのーの…」
女性の方が、手を上げ、自己紹介をした。
(『SNOW・SNOW』のマネージャってことは…大変そう)
何しろ規格外のルーアや、頭はいいが元気な憐、根はいいが怖い樋坂。
あと一人のことは知らないが、こんなグループを締めるとは大変そうだ。
「えっと…このままの流れだったら言ったほうがいいよね…?あー、霞 真宙、『T&M』のマネージャーしてます」
(比較的なんかまともそう…和樹くん的位置なのかな?)
陶揮は真宙に憧れの眼差しを向ける。
対し真宙はきれいな黒髪をガシガシとかき回す。
「あ〜〜、もう‼なんか夜凪は慕われてるし、聖亜樹は真面目過ぎて会話通じないし、玲はチャラすぎて怖いし、柑菜ちゃんは仕事とオフのギャップがすごいし!僕のキャラ薄⁉どゆこと⁉」
(大変そうな人だな…なんか和樹さんと同一人物化してるよ)
その和樹は今疲労に疲労を重ね、机に突っ伏して寝ていた。
挙げ句亮は和樹の髪の毛を三つ編みにしてる。
「陶揮くんも飲みなよ〜」
「か、柑菜ちゃんっ、陶揮くんはまだ未成年!」
「ああ〜、ましろってば面白くない〜」
「面白くない以前にだめだから!未成年飲酒!犯罪!だめ、絶対!」
どちらかと言うと、お母さん。
おお、という眼差しで陶揮が見ていると、真宙が助けの目で陶揮を見つめてきた。
とりあえず、無視するのもどうかと思うのでヨロヨロする柑菜に声をかける。
「…えっと、朝見さん?一旦、水、飲んで落ち着きましょう?」
「ん〜」
ゆっくりと水を飲み干す柑菜。
「お〜?浅見ちゃん落ち着いた〜?」
「ああ〜!なんでそんなイケメンの振る舞いができるんだよ〜!」
玲が現れ、くすくす笑う。
そんな姿も、一段のイケメンで眩しい。
それに、酒を飲んでいるせいか少し頬が赤く、色気が増している。
柑菜はむにゃむにゃいいながら寝てしまう。
「柑菜ちゃん!寝ないで!」
「あ〜あ、寝ちゃったみたいだね」
真宙の必死な声は届かず、柑菜はぐうぐうと寝てしまった。
そして全視線が真宙に刺さる。
その視線の意味に気づいた、真宙はどんどん青くなっていく。
「…もしかしてこれ家に送るの僕とかないよね?」
「この子たち未成年だし、酒呑んでないの真宙だけだから!ね!」
言うまでもなく、真宙はとばっちりを受けたのだ。
「…そ~言えば、もうすぐだよね、文化祭」
思い出したように玲が言う。
突然の発言にはてなとなる陶揮。
「文化祭?」
「そ」
望早学園恒例、毎年6月頃には文化祭が開催されるのだ。
芸能界の著名人までお忍びで参加する、なんと一般人入園可の超目玉行事である。
「その代わり毎年入園料でクソ金とるよね〜」
もうもぐと楽しそうに説明する憐。
「それでも参加しようっていう一般人が校門前で暴れて門前払いされてるくらいは有名なもんなんだろ」
「暴…!?」
陶揮の驚きもよそに発言する樋坂。
(暴動が起こるってどういうことなんだろう…)
少し冷や汗をかく。
士がそんな陶揮の様子に微笑む。
「なんてったって、芸能界の中心・望早学園だからね。この通り、日本に一つだけの学科、アイドル科などからはスターが排出されまくってるし、現役アイドルも通ってる学園だからね。そりゃあ、ひと目見たいってことはあるでしょ」
「はぁ…」
あまり人が多いところが好きではない陶揮にとっては、先が思いやられてしまう。
「おっと、もうこんな時間ですか。未成年は帰る時間ですよ」
今までずっと黙って話を聞いていた聖亜樹が時計を見ていった。
「ええぇ〜まだもうちょい…駄目?」
「駄目です」
文句を言う亮にもきっぱりと断る。
「では、この子達は私が寮に返します。お酒を呑んでいなくてよかったです」
「オッケー、じゃあよろしくね、伊織くん」
「はい」
その後、聖亜樹に亮まで送りと溶けてもらい、色々濃い一日だったな、と眠りについた。
ガコンと器を置いて泣き叫んでいるのは憐だ。
「お、落ち着いて⁉ほらほら、ミックスジュースだよ?」
「うぐうぅ…」
陶揮は荒れる憐にソフトドリンクを差し出す。
憐は涙ぐみながらぐびぐびと飲み干す。
「ほっとけ〜?陶揮、憐のグダグダに律儀に付き合うなよ〜?身が持たない」
「け、けど…落ち込んでるから…」
士が苦笑いしながら憐にコツンと拳を乗せる。
あのあと、結局陶揮のチームは時間制限を過ぎてしまい、一発アウト、最下位になってしまった。
そして見事に焼き肉は陶揮のチームのおごりになった。
そして現在、打ち上げ焼き肉中だ。
「ひゃああああ!焼き肉美味しいいいい!」
「黙れ、亮!ほんっとうに迷惑だから‼」
遼河叫び暴れているのを止める和樹。
「あああ!」
「うおおおお!」
「お前ら黙れーーー‼‼」
叫ぶ亮と憐に容赦なくげんこつを落とす。
「相変わらず陶揮くんは優しいですねぇ〜?そこがいいところですよぉ〜」
「くっそぉぉぉ、一位チームは優雅でいいっすねぇ⁉」
荒れる憐に他のものがくすくす笑う。
すると、個室のドアがガラガラと開く。
「おお、やってんね〜」
「失礼します」
「憐〜?他人に迷惑かけてないか〜?」
「めっちゃ声外に漏れ出てたぞ」
ドアから入ってきたのはあからさまに仕事帰りの会社員らしき男女4人だった。
その中に憐の兄、玲もいた。
その男女達を見て、和樹がホッとしたような顔をした。
「柏さん達…やっときてくれた…」
「はいはい、和樹くんよく耐えた。ここからはまかせんしゃい!」
和樹の疲れた視線に労りを向けた、柏と呼ばれた男性は手をひらひらと降る。
「わーい!おやっさんだ〜〜!」
「わーい!」
「は〜い、まず亮くんと憐くんはボリューム下げようか」
柏はどうどう、というように亮と憐の頭を撫でる。
「相変わらずの手際ですね、夜凪さんは」
「すごいです!」
「はは、ここまで来ると慣れてくるもんですのでね…」
その様子に、一人ポカンとした様子の陶揮。
(まずい、おいていかれてるっ⁉)
けれど、途中参加でやってきた人の中で、陶揮が知っているのは玲ぐらいしかいない。
そんな様子に気づいたのか、憐が手を上げた。
「陶揮に自己紹介してくださいっす!なんかどう反応していんのかビミョーな反応してるっすよ」
「あぁ、そういえば、全く話したことなかったけ?」
玲が思い出したように手を叩いた。
それを聞いて他の人達がビビる。
「一ノ瀬、まさか何も話してないのか⁉」
「あ〜、ごめんごめん忘れてたわ〜w」
眼鏡の男性がはぁ…とため息を付く。
「面目ない、確か…佐久間くんだったよな?こんな見知らぬおっさんたちの無様な会話で視界を汚してしまい済まない。私は『PHASS』のマネージャーをしている伊織 聖亜樹という。これからよろしくお願いしたい」
「は、はい!えっと…佐久間 陶揮です、お願いします」
メガネの男性…聖亜樹は堅苦しい喋り方をしながらも、どこか安心できる要素がある。
(…『PHASS』って可愛い系だよな…?)
昭和の延長線かと思うくらい堅苦しく、一瞬『PHASS』の売りを見失った。
「んもう、そんな堅苦しくちゃ、陶揮くんもビビっちゃうよー?」
「そ、そうか?私はどうも売り笑いというのができないらしい。すごいな、一ノ瀬は売り笑いが上手だ」
「喧嘩売ってるのかな…?」
「滅相もない」
色々怖い会話が耳から入ってくるが、人柄は認識できた。
(…伊織 聖亜樹、天然記念物)
脳内で完結させてると、先程の柏が陶揮の隣りに座った。
「ごめんね、騒がしくて。俺は柏 夜凪。『COUNT』のマネしてる。みんなにはおやっさんって呼ばれてるけど、好きなように呼んでね。あ、枝豆食べる?」
「ありがとうございます…いただきます」
陶揮は夜凪が差し出してきた枝豆を一つつまむ。
その様子を夜凪は微笑みで見守る。
(…柏 夜凪、普通にいい人)
要するに、陶揮の夜凪に対する第一印象は結構高かった。
「あ、真宙くんも浅見さんもおいでよ。枝豆あるよ?」
「枝豆はどうでもいいですが、自己紹介をしたいので行きます!」
「ちょっと待って、柑菜ちゃん!走ったら裾踏んづけちゃうよ⁉」
慌ただしく陶揮の方へやってくる、男女。
「こんにちは、私は『SNOW・SNOW』のマネージャーをしている、浅見 柑菜といいます」
「すのーすのーの…」
女性の方が、手を上げ、自己紹介をした。
(『SNOW・SNOW』のマネージャってことは…大変そう)
何しろ規格外のルーアや、頭はいいが元気な憐、根はいいが怖い樋坂。
あと一人のことは知らないが、こんなグループを締めるとは大変そうだ。
「えっと…このままの流れだったら言ったほうがいいよね…?あー、霞 真宙、『T&M』のマネージャーしてます」
(比較的なんかまともそう…和樹くん的位置なのかな?)
陶揮は真宙に憧れの眼差しを向ける。
対し真宙はきれいな黒髪をガシガシとかき回す。
「あ〜〜、もう‼なんか夜凪は慕われてるし、聖亜樹は真面目過ぎて会話通じないし、玲はチャラすぎて怖いし、柑菜ちゃんは仕事とオフのギャップがすごいし!僕のキャラ薄⁉どゆこと⁉」
(大変そうな人だな…なんか和樹さんと同一人物化してるよ)
その和樹は今疲労に疲労を重ね、机に突っ伏して寝ていた。
挙げ句亮は和樹の髪の毛を三つ編みにしてる。
「陶揮くんも飲みなよ〜」
「か、柑菜ちゃんっ、陶揮くんはまだ未成年!」
「ああ〜、ましろってば面白くない〜」
「面白くない以前にだめだから!未成年飲酒!犯罪!だめ、絶対!」
どちらかと言うと、お母さん。
おお、という眼差しで陶揮が見ていると、真宙が助けの目で陶揮を見つめてきた。
とりあえず、無視するのもどうかと思うのでヨロヨロする柑菜に声をかける。
「…えっと、朝見さん?一旦、水、飲んで落ち着きましょう?」
「ん〜」
ゆっくりと水を飲み干す柑菜。
「お〜?浅見ちゃん落ち着いた〜?」
「ああ〜!なんでそんなイケメンの振る舞いができるんだよ〜!」
玲が現れ、くすくす笑う。
そんな姿も、一段のイケメンで眩しい。
それに、酒を飲んでいるせいか少し頬が赤く、色気が増している。
柑菜はむにゃむにゃいいながら寝てしまう。
「柑菜ちゃん!寝ないで!」
「あ〜あ、寝ちゃったみたいだね」
真宙の必死な声は届かず、柑菜はぐうぐうと寝てしまった。
そして全視線が真宙に刺さる。
その視線の意味に気づいた、真宙はどんどん青くなっていく。
「…もしかしてこれ家に送るの僕とかないよね?」
「この子たち未成年だし、酒呑んでないの真宙だけだから!ね!」
言うまでもなく、真宙はとばっちりを受けたのだ。
「…そ~言えば、もうすぐだよね、文化祭」
思い出したように玲が言う。
突然の発言にはてなとなる陶揮。
「文化祭?」
「そ」
望早学園恒例、毎年6月頃には文化祭が開催されるのだ。
芸能界の著名人までお忍びで参加する、なんと一般人入園可の超目玉行事である。
「その代わり毎年入園料でクソ金とるよね〜」
もうもぐと楽しそうに説明する憐。
「それでも参加しようっていう一般人が校門前で暴れて門前払いされてるくらいは有名なもんなんだろ」
「暴…!?」
陶揮の驚きもよそに発言する樋坂。
(暴動が起こるってどういうことなんだろう…)
少し冷や汗をかく。
士がそんな陶揮の様子に微笑む。
「なんてったって、芸能界の中心・望早学園だからね。この通り、日本に一つだけの学科、アイドル科などからはスターが排出されまくってるし、現役アイドルも通ってる学園だからね。そりゃあ、ひと目見たいってことはあるでしょ」
「はぁ…」
あまり人が多いところが好きではない陶揮にとっては、先が思いやられてしまう。
「おっと、もうこんな時間ですか。未成年は帰る時間ですよ」
今までずっと黙って話を聞いていた聖亜樹が時計を見ていった。
「ええぇ〜まだもうちょい…駄目?」
「駄目です」
文句を言う亮にもきっぱりと断る。
「では、この子達は私が寮に返します。お酒を呑んでいなくてよかったです」
「オッケー、じゃあよろしくね、伊織くん」
「はい」
その後、聖亜樹に亮まで送りと溶けてもらい、色々濃い一日だったな、と眠りについた。


