(なぜこんな事になっているのだろう)
陶揮は色白の顔を更に青くする。
今、眼の前にあるのは、今日から入学する学園…私立望早学園。
望早学園は、アイドル・マネージャーなどを専門に育成する学園。
ここからは、多くの有名アイドルが輩出されている。
ごく一般人である陶揮がなぜこのような学園に入学することになったのか、それは数ヶ月前に遡る。
陶揮は親を幼い頃になくし、佐久間家に養子として引き取られた。
家族ぐるみで仲良くなった幼馴染の花乃は悪戯っ子であり、事あるごとに陶揮を陥れる性格破綻者であった。
「お願いがあるんだけどいいかな、陶揮」
「いやだ」
花乃がニコニコしながら頼み事など、絶対に聞き入れてはいけない。
イヤホンをすかさずつけるが、その前に回り込まれる。
「ひどいなー無視しようとするなんて」
「君の頼みごとはろくでもないからだけど⁉今まで迷惑万歳なんだからな!」
半ば叫びながら抵抗する。
花乃はぶーとブーイングをしてくるが、いつも通りなので気にすることでもない。
「ひどいなぁー、ちょっとミスったから尻拭いしてほしいだけじゃんー」
「ろくでもないし、何尻拭いって⁉」
毎度のことながら、花乃はまたやらかしたらしい。
小学生の頃は花乃が割った花瓶を先生に代わりに謝り、給食の嫌いなものはすべて押し付けてくる。
中学生の頃は告白を断れないと泣きつかれ、男子生徒の方へ出向き話し合いをしたこともあった。
この春高校生になったものの、相変わらずその図々しさは変わってないようだった。
「ともかく!花乃ももう高校生なんだからしっかりしなよ…」
「今回は本当に陶揮がいないと、どうすることもできないんだってー!」
花乃は子供のように駄々をこねる。
(精神年齢どうなってるよ…3歳?)
けれどここまで頼ってくるのだから、聞かないわけには行かない。
「…どうした」
「ありがと!陶揮なら聞くと思った!」
さっきまでの泣きそうな顔をころりと変えてニカニカ笑う。
少しイラッとするが怒っても仕方ない。
「まず前提として、私がアイドル好きなのは知ってるよね」
「うん…今の推しは…かうんたー?みたいな…」
「『COUNT』ね!特に澪様!この真ん中の人」
いつの間にか取り出したかわからないスマホに『COUNT』やらの画像を映し出される。
中央に切れ長の目をした明らかに紳士そうな男がいる。
「そんなことどうでも良くて!その『COUNT』の元マネージャー幹島航さんが開催するオーデションがあるんだけどね…」
(…嫌な予感がしてきた)
そんな予感は当たるに決まっていた。
「陶揮の書類送ったら書類審査通っちゃった☆」
「…そんなことだろうとは思った…」
ケロッと言われたが、陶揮は頭がいたくなる。
(個人情報の端くれもない…)
唸りながらため息を付く。
「で…花乃はどうしてほしい?」
♪♫
「はぁ…」
本日何度目かのため息を吐いてしまう。
「だってさ、陶揮って趣味で歌詞書いたり歌やってたりしたじゃん…」
「それとこれとは違うんだけど…」
眉間に指を置き、ほぐす。
「お願いします、行ってくれないでしょうか…?」
「っつ…ああ、もうしょうがない…」
そこまでお願いされ断らないやつがいるだろうか。
「あああああああああああああああ、ありがとううううううううううう‼‼‼‼‼‼‼‼‼陶揮天才最強‼‼‼‼」
「どうせすぐ落ちるから」
「良い良い良い良い良い良いんですよ‼‼‼‼‼‼行ってくれるだけで‼‼‼」
花乃は機嫌よくスキップしながら家を走り回っている。
「……ここ、自分ん家なんだけど…」
陶揮は色白の顔を更に青くする。
今、眼の前にあるのは、今日から入学する学園…私立望早学園。
望早学園は、アイドル・マネージャーなどを専門に育成する学園。
ここからは、多くの有名アイドルが輩出されている。
ごく一般人である陶揮がなぜこのような学園に入学することになったのか、それは数ヶ月前に遡る。
陶揮は親を幼い頃になくし、佐久間家に養子として引き取られた。
家族ぐるみで仲良くなった幼馴染の花乃は悪戯っ子であり、事あるごとに陶揮を陥れる性格破綻者であった。
「お願いがあるんだけどいいかな、陶揮」
「いやだ」
花乃がニコニコしながら頼み事など、絶対に聞き入れてはいけない。
イヤホンをすかさずつけるが、その前に回り込まれる。
「ひどいなー無視しようとするなんて」
「君の頼みごとはろくでもないからだけど⁉今まで迷惑万歳なんだからな!」
半ば叫びながら抵抗する。
花乃はぶーとブーイングをしてくるが、いつも通りなので気にすることでもない。
「ひどいなぁー、ちょっとミスったから尻拭いしてほしいだけじゃんー」
「ろくでもないし、何尻拭いって⁉」
毎度のことながら、花乃はまたやらかしたらしい。
小学生の頃は花乃が割った花瓶を先生に代わりに謝り、給食の嫌いなものはすべて押し付けてくる。
中学生の頃は告白を断れないと泣きつかれ、男子生徒の方へ出向き話し合いをしたこともあった。
この春高校生になったものの、相変わらずその図々しさは変わってないようだった。
「ともかく!花乃ももう高校生なんだからしっかりしなよ…」
「今回は本当に陶揮がいないと、どうすることもできないんだってー!」
花乃は子供のように駄々をこねる。
(精神年齢どうなってるよ…3歳?)
けれどここまで頼ってくるのだから、聞かないわけには行かない。
「…どうした」
「ありがと!陶揮なら聞くと思った!」
さっきまでの泣きそうな顔をころりと変えてニカニカ笑う。
少しイラッとするが怒っても仕方ない。
「まず前提として、私がアイドル好きなのは知ってるよね」
「うん…今の推しは…かうんたー?みたいな…」
「『COUNT』ね!特に澪様!この真ん中の人」
いつの間にか取り出したかわからないスマホに『COUNT』やらの画像を映し出される。
中央に切れ長の目をした明らかに紳士そうな男がいる。
「そんなことどうでも良くて!その『COUNT』の元マネージャー幹島航さんが開催するオーデションがあるんだけどね…」
(…嫌な予感がしてきた)
そんな予感は当たるに決まっていた。
「陶揮の書類送ったら書類審査通っちゃった☆」
「…そんなことだろうとは思った…」
ケロッと言われたが、陶揮は頭がいたくなる。
(個人情報の端くれもない…)
唸りながらため息を付く。
「で…花乃はどうしてほしい?」
♪♫
「はぁ…」
本日何度目かのため息を吐いてしまう。
「だってさ、陶揮って趣味で歌詞書いたり歌やってたりしたじゃん…」
「それとこれとは違うんだけど…」
眉間に指を置き、ほぐす。
「お願いします、行ってくれないでしょうか…?」
「っつ…ああ、もうしょうがない…」
そこまでお願いされ断らないやつがいるだろうか。
「あああああああああああああああ、ありがとううううううううううう‼‼‼‼‼‼‼‼‼陶揮天才最強‼‼‼‼」
「どうせすぐ落ちるから」
「良い良い良い良い良い良いんですよ‼‼‼‼‼‼行ってくれるだけで‼‼‼」
花乃は機嫌よくスキップしながら家を走り回っている。
「……ここ、自分ん家なんだけど…」


