「ん〜で、陶揮クンはなにしきたん?」
「えっと…」
(別に用事も何もなかったんだけど…)
目覚めた陶揮はとりあえず座らしてもらって、手にココアが入ったコップを持たされた。
戸惑う陶揮の代わりに憐が説明してくれる。
「芸能事務所の見学っすよ〜」
「ん〜?陶揮君は事務所入ってないのかい?」
「はい。そういう系ってややこしいイメージがあるので…」
もっぱらから、人と関わるのが苦手な時点でアイドルを目指すというのもどういうことなのだろうか。
自分で自分の回答に恥を感じてしまう。
そんな回答にも、意外ながら玲が賛同した。
「まあ確かにややこしいよね〜。自分の仕事ぐらい自分で決めたいし〜?制限されるのもマジクソって思うほどだよね〜」
「それ、芸能事務所職員が言っていい言葉なんですか…?」
和樹がジト目で例を見るがそんなことは気にしないスタンスの玲。
「…それでも。自分の存在価値は見つけられた、俺も、憐も、必要とされる人にたくさん出会えたんだよね」
「隠すことないから言うっすけど、実は俺達兄弟は孤児なんすよ」
「…え?」
思わぬ過去に目を見開いて驚く。
「孤児院って、裕福に、待遇されるイメージありますっすよね?…けど、俺達の入った孤児院は暴力暴言が当たり前、そこに居ければ大人しく過ごすしかない。自分を押し込める必要があったんすよ」
「けど、町中で偶然兄弟一緒に事務所へスカウトされたんだ。最初はお金を稼ぐために仕方がなかった。けれどね、気付くんだ。ファンが居る、俺達には存在価値があった…って、ごめんね〜いきなりこんな思い話しして…」
語られた話に、衝撃が隠せない。
玲と憐はそんな過去をせよいながらなお耐え抜き、〝自分〟を見つけた。
そして陶揮は考えるよりも先に口を開いていた。
「…自分、ここの事務所入りたいです」
「え‼⁉陶揮入るんっすか⁉」
「…えっ⁉待って待って?そういうのは重要だから直感で決めないほうがいいよ‼他にも良い事務所いっぱいあるんだし!よりによってうちは中小芸能プロダクション、おまけに給料激弱だよ…!」
玲が焦ったように手を降った。
「給料…は別にどうでもいいです。ほんとにどこでもいいんだったら、ここがいいと思ったので…自分は直感を信じます」
「__いいじゃないですか、本人が言ってるんですし」
「つ、月詠さん⁉」
いきなり現れたのは月詠だった。
書類を持ってドアからこちらの様子を眺めている。
「な、なんでここにいるんですか??」
「それはこちらのセリフでもありますが、私はここの芸能マネージャーですよ」
「おはよ〜、兎光ちゃ~ん!今日はお団子だね似合ってるよ〜」
「…玲さん知っていますか?それはセクハラというのですよ」
「あらら、訴えられちゃう」
危機感がなさそうにとぼける玲。
月詠は陶揮の方を見て軽く会釈する。
「加入おめでと」
「割と強引な流れですね」
「えっと…」
(別に用事も何もなかったんだけど…)
目覚めた陶揮はとりあえず座らしてもらって、手にココアが入ったコップを持たされた。
戸惑う陶揮の代わりに憐が説明してくれる。
「芸能事務所の見学っすよ〜」
「ん〜?陶揮君は事務所入ってないのかい?」
「はい。そういう系ってややこしいイメージがあるので…」
もっぱらから、人と関わるのが苦手な時点でアイドルを目指すというのもどういうことなのだろうか。
自分で自分の回答に恥を感じてしまう。
そんな回答にも、意外ながら玲が賛同した。
「まあ確かにややこしいよね〜。自分の仕事ぐらい自分で決めたいし〜?制限されるのもマジクソって思うほどだよね〜」
「それ、芸能事務所職員が言っていい言葉なんですか…?」
和樹がジト目で例を見るがそんなことは気にしないスタンスの玲。
「…それでも。自分の存在価値は見つけられた、俺も、憐も、必要とされる人にたくさん出会えたんだよね」
「隠すことないから言うっすけど、実は俺達兄弟は孤児なんすよ」
「…え?」
思わぬ過去に目を見開いて驚く。
「孤児院って、裕福に、待遇されるイメージありますっすよね?…けど、俺達の入った孤児院は暴力暴言が当たり前、そこに居ければ大人しく過ごすしかない。自分を押し込める必要があったんすよ」
「けど、町中で偶然兄弟一緒に事務所へスカウトされたんだ。最初はお金を稼ぐために仕方がなかった。けれどね、気付くんだ。ファンが居る、俺達には存在価値があった…って、ごめんね〜いきなりこんな思い話しして…」
語られた話に、衝撃が隠せない。
玲と憐はそんな過去をせよいながらなお耐え抜き、〝自分〟を見つけた。
そして陶揮は考えるよりも先に口を開いていた。
「…自分、ここの事務所入りたいです」
「え‼⁉陶揮入るんっすか⁉」
「…えっ⁉待って待って?そういうのは重要だから直感で決めないほうがいいよ‼他にも良い事務所いっぱいあるんだし!よりによってうちは中小芸能プロダクション、おまけに給料激弱だよ…!」
玲が焦ったように手を降った。
「給料…は別にどうでもいいです。ほんとにどこでもいいんだったら、ここがいいと思ったので…自分は直感を信じます」
「__いいじゃないですか、本人が言ってるんですし」
「つ、月詠さん⁉」
いきなり現れたのは月詠だった。
書類を持ってドアからこちらの様子を眺めている。
「な、なんでここにいるんですか??」
「それはこちらのセリフでもありますが、私はここの芸能マネージャーですよ」
「おはよ〜、兎光ちゃ~ん!今日はお団子だね似合ってるよ〜」
「…玲さん知っていますか?それはセクハラというのですよ」
「あらら、訴えられちゃう」
危機感がなさそうにとぼける玲。
月詠は陶揮の方を見て軽く会釈する。
「加入おめでと」
「割と強引な流れですね」


