文化祭までの時間というものはあっという間だった。人は何か目標が決まれば熱中して時間を忘れる。ゆっくりと流れていた時間が、少しずつ速度を増していく。友梨佳にとっては、自分がそんな日々にしがみつきながら、その時間を過ごしているような気さえしていた。
物事が目まぐるしく動く学校での時間とは対照的に、家での時間は穏やかで、呼吸を整えられるような時間だった。特に、スマホで彼と繋がっている時間は、とても心が落ち着いた。何日も何日も、そんな時間を重ねていた。
『浩さん、元気にしてますか?』
『うん、元気にしてるよ。友梨佳さんは元気? 学校大変じゃない?』
『最近は文化祭の準備がとにかく忙しくて』
『あるね、文化祭。高校によって規模感とか全然違うけど、友梨佳さんのところはどんな感じなの?』
『うちの学校は割と規模大きいんですよ。クラスごとに企画しますし、文化部のパフォーマンスとかもすごい盛り上がって。あと、2日開催なんですよ!すごくないですか??』
『2日もするんだ、すごい。うちの高校なんて、1日出し物みたいなのして終わりだったよ』
