(あ、そうだ。浩さん)
参考書を本棚にしまい、スマホを取ってベッドにダイブする。アプリのアイコンをタップして、会話を投げかけた。
『浩さん、こんばんは』
心臓の鼓動が速くなっているのを感じた。自分でも不思議なくらいに、誰かと話したくなっている。今日はいつもよりたくさんの人と話したはずなのに、胸の高鳴りは止んでくれない。まだ昨日の夜に話したばかりなのに。
『友梨佳さん、こんばんは。リクエストの承認ありがとうね』
返信が返ってくるだけで、落ち着かない。返信が返ってこなければなおさらだろう。足をバタバタさせながら、スマホに向かい合う。お風呂に入ったからだろうか。体温がいつもよりも高く感じられた。
『こちらこそです。ほんと、まさかこんな感じで話せるようになるなんてびっくりで』
『なんでよ。昨日、また話そうねって言ってたじゃん』
『それはそうなんですけど。。。なんか現実感なかったっていうか』
『朝にリクエストの承認してくれたのに返信が夜になったのは、もしかしてまだ夢だと思ってたから?』
『そんなところです。なんかずっと話しちゃいそうで』
『そっか、うれしいよ。ずっと話していられるなら』
浩の口ぶりはすごく女性なれしているというか、大人びていて余裕がある雰囲気だった。実際、浩は友梨佳の5つ上であり、大学生になったらそれくらい大人びるのも当然なのだろう。ドキドキしているのは自分だけだと思うと、恥ずかしくもあり、優しい人と話していられると思うと、どことなくうれしさもあった。
