正確な時間はわからないけど、しばらくして父親が扉をたたいた。
「友梨佳、少し出てきてくれないかな。お父さんが悪かったよ」
「悪いって何? 悪いのは全部私だよ。点数が取れるほど勉強を重ねなかった私が悪いの」
本当は八つ当たりなんかしたくなかった。でも、口をひらけば、自分が結果を出せなかったことの原因を、家族の生でこうなったということにしてしまう。それが苦しくて、もう話をする気が起きなかった。
「お母さんから聞いたよ。毎日、学校から帰ってきたらすぐに勉強をして、ご飯を食べても勉強してたんだってね」
「でも、結果出てないし」
「いいじゃないか、それでも。頑張ってたなら」
「さっきと言ってることが違うじゃん。慰めなんていらない。もう向こう行ってよ」
「そっか、ごめんな。また落ち着いたら話させて」
ゆったりとした、どこか寂しげな足音が聞こえた。こういう形で話を終わらせるつもりじゃなかったのに。そんな後悔が、少しずつ胸の内から湧き上がってくるのを感じていた。
