友梨佳は高校2年生になった。周囲には数少ない友人がいて、自分は毎日比較的穏やかに過ごせているように思えた。特に何か特別なことが起こるわけでもない。朝が来て、学校に行き、勉強をして、友達と少し話して、また家に帰る。そんな生活にそれほど不満を持つこともなかった。それが普通であり、自分の人生としても身の丈に合っていると感じていたのだった。
でも、どこか満たされない感覚があるのも事実だった。恋人がいないという事実がその感覚を引き寄せているわけではなかった。むしろ、特別誰かを好きになったこともない。ただ、自分の周囲には、自分にとって特別だと感じられる人がいなかった。恋愛的な意味であるかどうかは別として。
友人はいた。でも、高校生にありがちなグループというものが自分の関与できないところに自然と形成されていて、数少ない友人たちは少なからずそのどこかに所属していた。友梨佳はどこのグループにも所属していなかった。というより、できなかったのだ。この年頃の女子にとって、恋愛話ができるかどうかは、どこかのグループに所属するにあたって重要な要素だった。入学したての頃、そういう話に交じれなかった友梨佳は気づけばほとんど友人ができなくなっていた。高校2年生になる頃にはほとんどが自分の所属するグループを持っており、今さら新しい人間関係をひらくことのできるほど、環境は柔らかくないのだと、はっきりと自覚したのだった。
