試験開始までの二週間は本当にあっという間だった。二週間という時間は長いはずなのに、過ぎ去るときは短く、一瞬だった。毎日、学校で学び、家に帰り、机に向かい、ペンを握る。時に焦りの気持ちが生まれるが、勉強する以外にそれを解消する手立てはない。ただひたすらに、自分に向き合った。
二週間後、試験が始まった。友梨佳にとって、特に難しいのが数学と理科。この二科目がやはり鬼門だった。まず、進学校特有のスピードで進んだ数学については、基礎的な問題は数問で、後は思考力を問う問題ばかりだった。やみくもに問題を解くという勉強を重ねたとしても、ほとんど意味はないと言ってよかった。理科は単純に暗記量が多い。それに加えて、応用問題も出題される傾向があったため、理数系に苦手意識のある友梨佳には厳しい壁だった。
試験二日目。数学Ⅱの試験が始まった。予想通りの難問ぞろい。まずは最初に出題されている基礎的な理解を問う問題の計算をこなす。さすがに二週間かけてみっちり対策下だけあって、すらすらとペンが動いた。
(これなら、いけるかも。落ち着いていこう)
三つ目の問題に目を通した瞬間だった。確かに、何を問われているのかはわかる。しかし、その問題の解答にたどり着くための手の動かし方が全く思いつかなかったのである。落ち着かせようと、友梨佳は息を吸い、そして他の問題にも目を向けた。この学校の問題の傾向として、解き進めれば解き進めるほど、問題の難易度は上がっていく。言わずもがな、だった。
(やばい、わからない。どれだけ問題を見ても、解ける問題がない。)
そこからの時間については、ほとんど記憶がなかった。試験終了を告げるチャイムが鳴った時、初めて自分の答案が6割も埋められていないことを感じさせられた。時間を延長しても解ける気はしなかった。しかし、あがいてみたかった。ペンを強く握りしめ、机に置いた。不正を疑われるわけにはいかない。ただ純粋に、悔しかっただけなのに。
