ガシャーン!
何かが割れ、大きな音がした。
「何?どうしたの?!」
「あ…お母さん。お皿割っちゃった…ごめんなさい」
母親は大きなため息をついた。
「またあんたかい!今月何回目?!勝手な行動するなって何度言ったらわかるんだ!」
咲希は俯いたまま目に涙を浮かべている。
「泣きたいのはこっちなんだよ!毎回毎回迷惑かけられて!」
「ごめんなさい」
「もういいよ!あんたは私に従ってればいいんだ!自分で考えて行動するんじゃない!いいね?!」
「はい…」
自分で考えて行動することが無く、母の言うことだけを聞いて育った幼少期の咲希は聞き分けが良く、反抗もしない周りから見ればとても良い子だった。しかしそれは外から見た咲希の姿であって実際はただ自分の意見を言わず、指示に従って動く優秀な機械のようだった。
 高校2年生になってもその姿は変わらず、相変わらず自分の意見を言わない子に育っていた。