あの子は泣いている。

ぷるるる、、、
アラーム音が響き渡る。時刻は朝の5時。
私の1日が、始まる。

洗面所に向かう。
自分の姿見を見て、ふっと自嘲の笑みが溢れる。
私は、髪も、肌も、目も、何もかもが白い。いわゆる、『アルビノ』。
この家の洗面所には、壁一面の鏡がある。鏡の自分と目が合う度に、ごっつう腹が立つ。
なんで、なんで私だけが、こんな姿になってしまったんだろう。
一体私は、前世で罪を犯したのだろうか。これは、その罰なのではないか。
毎日思ってしまう。考えたくなくても、頭によぎる。苦しくなって、私はその場に屈み込んだ。

「葵依ー!朝ご飯だよー!どこにおるん?」
はっとした。慌ててて時計を見る。もう7時を回っていた。
「ごめん、すぐ行く」
急いで髪を括ってリビングに向かった。
すでに兄は学校に行く準備を済ませていた。
「全く、時間管理くらいしてちょうだい。お兄ちゃんを少しは見習いなさいよ。颯斗はこの間の期末テストで全教科学年主席よ?妹なら同じくらい出来るでしょうに。」
ああ。これだから嫌なのだ。お母さんは私が不登校になってから、お兄ちゃんの自慢話と、私への不満しか言っていない気がする。同じ話ももう飽きてきた。兄弟だからといって比べないで欲しい。
「学校にも行かないなんて、とんだ怠け者ね」
聞き慣れてはいるが、確かにちくり、と胸に刺さる。
「ごめんなさい…」
私は力無く謝るしか出来なかった。行きたくても、いざ行こうとしたら吐き気が止まらなくなるから、行けないだけなのに。
声にはならない反抗心だけが、どんどん蓄積していた。