あの子は泣いている。

「あのね、迅…」
彼は振り向く。
「私、今ある全てをね、壊そうと思う」
そう言った後、聞こえるのは木々が揺れる音だけ。妙に心地良く感じる。
静寂が流れる中、彼はただ頷いた。
私には想像する事が出来ない人生。だから壊す。それが例え、親の願望だったとしても…。