「あのね、迅…」
彼は振り向く。
「私、今ある全てをね、壊そうと思う」
そう言った後、聞こえるのは木々が揺れる音だけ。妙に心地良く感じる。
「もう懲り懲り。疲れちゃったんだ、わたし。」
静寂が流れる中、彼はただ頷いてくれた。
止めることもなく、否定することもなく、介入することもなく。
分かってくれているのだ。どれほど勇気のいる事なのかを。
以前の私には想像する事が出来なかった人生。
“『運命は変えられる』”
迅が教えてくれた。私に映る世界を。
だから壊す。『現状維持』を壊す。
それが例え、親の願望だったとしても…。
「私ってさ、今が思春期だよね、ちょっと遅いかもだけど」
唐突に聞いてしまった。
「そうだね、、、高校生にもなって思春期の子はあまりいないけどね。」
彼は淡々と答えて、それから、空を見上げた。
「綺麗だよね」
「うん。」
「今夜は月がよく見える」
何か思い入れがあるのかな。感慨深そうに見つめている。
その横顔に、祈るようにして手を合わせる。彼に気付かれないように細心の注意を払って。
来月は、ストロベリームーン。
全部終わったら、ちゃんと伝えよう。そう決心して、私は月に誓った。
彼は振り向く。
「私、今ある全てをね、壊そうと思う」
そう言った後、聞こえるのは木々が揺れる音だけ。妙に心地良く感じる。
「もう懲り懲り。疲れちゃったんだ、わたし。」
静寂が流れる中、彼はただ頷いてくれた。
止めることもなく、否定することもなく、介入することもなく。
分かってくれているのだ。どれほど勇気のいる事なのかを。
以前の私には想像する事が出来なかった人生。
“『運命は変えられる』”
迅が教えてくれた。私に映る世界を。
だから壊す。『現状維持』を壊す。
それが例え、親の願望だったとしても…。
「私ってさ、今が思春期だよね、ちょっと遅いかもだけど」
唐突に聞いてしまった。
「そうだね、、、高校生にもなって思春期の子はあまりいないけどね。」
彼は淡々と答えて、それから、空を見上げた。
「綺麗だよね」
「うん。」
「今夜は月がよく見える」
何か思い入れがあるのかな。感慨深そうに見つめている。
その横顔に、祈るようにして手を合わせる。彼に気付かれないように細心の注意を払って。
来月は、ストロベリームーン。
全部終わったら、ちゃんと伝えよう。そう決心して、私は月に誓った。
